特定非営利活動法人ユニバーサルイベント協会

すべてのイベントをユニバーサルに…

社会的背景

ユニバーサルイベントが必要とされる背景として次の項目があげられる。

  • 普遍化したノーマライゼーション理念
  • 日本の少子高齢社会の出現
  • ユニバーサル環境の現出

普遍化したノーマライゼーション理念

 ユニバーサルイベントの基本理念であるノーマライゼーション理念は、まず1959年にデンマークで、障がいのある人もない人も“誰もが一緒に”という考え方が法制化され、福祉の考え方に大きな影響を与えたことに始まります。
 その後、この考え方はスウェーデンで「すべての知的発達障がい者の日常生活を、普通に生活している一般市民の生活や条件・環境に近づけること」として発達し、イギリスではコミュニティーケアの流れにつながり「精神障がい者を施設へ隔離してしまうことはその人たちの基本的人権を奪うことになる」という視点に立って、施設への隔離からの解放運動が起こりました。
 アメリカでは1960年代の公民権運動で人種差別、女性差別撤廃の運動が起こり、そして、その動きは1990年のADA(障がいのあるアメリカ人法)の成立へとつながり、世界的に人権のグローバルスタンダードとしてノーマライゼーションの考え方が根づいてきました。
 「誰でも人は等しく基本的人権がある」という1948年の世界人権宣言以来、国連は一貫して、ノーマライゼーション理念の推進を図っています。そして、そうした国連の様々な宣言や条約採択を受けて、日本も多少遅まきではありますが、女性や子ども、障がい者や高齢者への基本的人権を推進する法律を施行しています(1993年障がい者基本法改正、1994年ハートビル法、2000年交通バリアフリー法 等)。
 こうした流れを見ると、ノーマライゼーションが国際社会の価値観のスタンダードになったことが理解できると思います。

ノーマライゼーション(Normalization)とは
「高齢者も障害者も子どもも女性も男性もすべての人々が、人種や年齢、身体的条件に関わりなく、 自分らしく生きたいところで生き、したい仕事や社会参加ができる、 そうしたチャンスを平等に与えられる」 “みんなが一緒に”暮らせる社会が“当たり前”だとする考え方をいいます。


日本の少子高齢社会の出現

 日本はいま、世界でまれにみる勢いで少子高齢社会に向かっており、2015年には4人に1人が高齢者になるといわれています。しかし実際には、2001年9月15日(敬老の日)の総務省統計局発表によると、女性の高齢化率は20.3%に達しており、女性だけをみると、すでに日本は超高齢社会に突入したことになります。若い人たちよりも高齢者のほうが多い時代になろうとしているのです。
 イベントにとっての少子高齢社会の影響を考えるとき容易に気がつくのは、今後は、社会のマジョリティーとなった高齢者を無視したイベントづくりは考えられないだろうという点です。市民の生活・文化の向上を目的とした行政イベントでも、あるいは、マーケティング目標の達成を意図した企業イベントでも、社会の多数派であり、市場の多数派である高齢者を抜きにしては考えられない時代がやってきたのです。

図:人口ピラミッド


ユニバーサル環境の現出

 21世紀に入った今、世界はよりよい社会の実現へ向けて、様々な観点からの意識改革や社会構造改革を急速に進めているといえます。先に述べたノーマライゼーション(共生社会)の普及をはじめとして、ジェンダーフリー(男女平等社会)、バリアフリー(障壁のない社会)、ゼロエミッション社会(循環型社会)の4本の柱がその代表的なものといえるでしょう。そして、これらの理念を実現した社会環境を「ユニバーサル環境」といいます。
 20世紀を通じて、多くの先駆者たちが追い求めてきたこのような理想の社会環境は、ようやくその具体的な姿を見せようとしています。もはや、後戻りはできません。ユニバーサル環境が実現された社会におけるイベントは、“ユニバーサルイベント”であることが当然の社会が到来するのです。

図:ユニバーサル環境
  • ジェンダフリー
  • 男女の生物学的な性差ではなく「あなたは女の子だからピンク」「重いものを持つのは男の子」などという、 社会的・文化的につくりあげた「女らしさ」「男らしさ」をジェンダー(Jender)といい、このような固定観念からの開放をジェンダーフリーといいます。
  • バリアフリー
  • あらゆるバリア(障壁)を除去していくということ。物理的には、車椅子の人のための「段差」の解消や聞こえない人、見えない人にとってバリアと考えられるものを智恵と工夫で極力取り除くこと。精神的には、人々の心をバリアフリーにすること。ハンディキャップのある人は何もできない人とか、したいことは我慢するのが当たり前、などという考え方を改めること。さまざまな局面でバリアのない社会環境をつくっていくことが必要です。
  • エコロジー(ゼロエミッション・循環型社会)
  • かけがえのない地球環境を守るために、限りある資源を有効に活用し、使い捨てではなく再利用を心がける社会。こうした社会をつくるという心構えを常に持ちエコロジーの視点でのものづくりやシステムの開発が求められています。
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