ユニバーサルキャンプ in 八丈島パンフレットのテキストデータです。表紙、裏表紙のほか全14ページあります。 【表紙】 ユニバーサルキャンプ in 八丈島 NPOユニバーサルイベント協会 <表紙写真の説明> 青空のもと、三根小学校の校庭でダイバーシティどっぷりコミュニケーションを行なっている。 【1、2ページ】 ユニバーサルキャンプとは ユニバーサルキャンプは、ダイバーシティ(多様性を受け入れること)の考え方のもと、みんなが一緒にいきいき暮らせる社会の実現を目指し行われる2泊3日の交流イベントです。八丈島の豊かな自然のもと、障がいの有無、年齢、性別、国籍に関係なく多様な参加者が集い、キャンプという日常生活より少し不便な環境の中で、互いに協力し、サポートし合います。そうした経験をとおして、参加者一人ひとりが尊厳をもつ対等な関係として自立、自律するとともに、その輪を広げていくことを目指しています。 主催 NPOユニバーサルイベント協会 共催 東京都八丈島八丈町、株式会社丹青社、株式会社UDジャパン ユニバーサルキャンプは多くの人々の協力によって支えられています。NPO、企業、団体から参加する人、個人で参加する人、運営を支える人、地元八丈島の人。こうした多様な関わりから、ユニバーサルな環境が生まれています。 <1、2ページ見開き写真の説明> 八丈富士を背景に、参加者全員が勢ぞろいしている集合写真。 【3、4ページ】 ユニバーサルキャンプでは、キャンプという普段と異なる環境の中、参加者と様々な体験を共にすることで、人の多様さを実感し、それぞれにできること、できないことがあることを理解します。多様性を受け入れ、活かす方法について、他では得られない多くの気づきを得ることができます。 以下、3つの特長があります。 1.参加者の多様性 ユニバーサルキャンプには毎年100人を超える参加者が集まります。障がいの有無、年齢、性別、国籍も様々。多様な人々の交流が多くの気づきをもたらしてくれます。 2.多彩なプログラムでダイバーシティを実感 様々なプログラムを通して、少しずつお互いを理解し、それぞれの違いを受け入れることを体験していきます。 3.キャンプだからこそできる深い理解とつながり 3日間という長い時間を共にすることで、お互いを深く理解し、キャンプが終わっても続いていく強いつながりが生まれます。 <3、4ページ見開き写真の説明> キャンプ中の様々なシーン、参加者の様子がページ全体に散りばめられています。 【5、6ページ】 多様性を理解する 日常なかなかできないサポート体験や、様々な特性の紹介からキャンプはスタートし、障がいのある方とはじめて会話する参加者のドキドキは楽しさに変わります。メインプログラムは、ダイバーシティコミュニケーション。芝生の校庭にテントが張られ、視覚、聴覚、肢体に障がいのある方、障害者手帳はないが不便さや特性のある方、色覚やユニバーサルデザインの専門家、八丈島の方などが、各部屋の主人として自分の障がいや仕事、生活について率直に話してくれます。 <5、6ページ見開き写真の説明> キャンプ中、様々な特性を知ったり、サポート体験をしたりしているシーン、参加者の様子がページ全体に散りばめられています。 【7、8ページ】 体験を共にする キャンプという普段と異なる環境の中、様々な特性や個性、能力をもった参加者と一緒に料理をつくったり、スポーツをしたり、テントをたてたり、実際に身体を動かし、体験を共有します。直にコミュニケーションをとる中で、障がいは特別なことではなく誰もが何かしら不便さをもっていることに思い至り、自分自身を見直すきっかけや、本やテレビなどからは得られない多くの気づきを得ることができます。 <7、8ページ見開き写真の説明> キャンプ中、様々な特性の参加者と一緒に協働作業や体験をするシーン、参加者の様子がページ全体に散りばめられています。 【9、10ページ】 交流を深める 毎年恒例のプログラム、ユニバーサル盆踊りは、地元八丈島の小学校体育館で行われ、地元の方々も楽しみに参加してくださり、200名ほどで一緒に踊ったり、歌ったり、食べたり飲んだりの一大イベントになっています。また、毎夜キャンプ場に広がる語らいの場では、お酒やジュース片手に心をひらき、感動を語り合ったり新たな自分を発見したりしています。こうして参加者どうしの交流は一層深まります。 <9、10ページ見開き写真の説明> キャンプ中、様々な特性の方や八丈島の地元の方々と交流するシーン、参加者の様子がページ全体に散りばめられています。 【11ページ】 企業研修プログラムについて ユニバーサルキャンプの場を活用した企業研修プログラムは、多様な人材の力を引き出し、ダイバーシティ(多様性)を成果につなげる支援型リーダーシップを身につけることを目的としています。参加者どうしの協働やコミュニケーション体験を通じて、多様なメンバーの能力の発揮を支える意識、姿勢を身につける実践型の研修プログラムです。 特長 企業研修プログラムは八丈島でのキャンプに加え、その事前、事後の研修で構成されています。事前研修、キャンプ、事後研修のプロセスをとおして、学習、実践、内省という成長のサイクルを繰り返すことで、多くの気づきを得られます。そうした気づきが意識の変化を促し、実践的なリーダーシップが磨かれます。 研修参加実績 これまでに、組織の力を高めたい経営者、管理職層の方や、社内外の多様な関係者と協働するプロジェクトリーダー、チームリーダー、若手社員の方などに受講いただいています。 研修参加企業、団体名(五十音順、企業、団体名は参加当時のものです。2015年11月時点) 株式会社アイエスエフネット、一般社団法人アイエスエフネットベネフィット、岩渕薬品株式会社、有限会社エイ・エル・ピー、NTTクラルティ株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社岡村製作所、コクヨ株式会社、サポートワン株式会社、三昌商事株式会社、三友プラントサービス株式会社、JR東日本テクノロジー株式会社、株式会社スリーマインド、株式会社スリーライト、株式会社ゼネラルパートナーズ、株式会社セレスポ、ソニー株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社丹青社、株式会社デンソー、株式会社電通イベントオペレーションズ、株式会社電通テック、東海エレクトロニクス株式会社、東京地下鉄株式会社、日産自動車株式会社、株式会社日本能率協会マネジメントセンター、株式会社乃村工藝社、パナソニック電工株式会社、東日本トランスポーテック株式会社、富士ゼロックス株式会社、富士通株式会社、富士通デザイン株式会社、松下電器産業株式会社、三菱電機株式会社、株式会社UDジャパン、株式会社リパック、早稲田システム開発株式会社 【12ページ】 1.事前研修 ダイバーシティについての基本的な考え方、多様な人材の力を引き出す支援型リーダーシップの考え方を講義で学びます。また、多様な講師陣との対話プログラムやワークショップにより、ダイバーシティの具体的な事例に触れ理解を深めます。キャンプ研修での実践、学びをより充実させるための準備プロセスでもあります。 2.キャンプ研修 八丈島での2泊3日のキャンプで、事前研修での学びを活かし、自ら定めたアクションプランを実践します。多様な参加者と様々なプログラムを共に体験し、またグループ活動ではリーダーとなりグループをまとめていきます。キャンプの1日目、2日目の夜に、その日の振り返りを行い、支援型リーダーシップの実践について、気づきや感じたことを参加者どうしで共有します。次の日に何にどう取り組んでみるかを考え、よりよい実践につなげます。 3.事後研修 事前研修、キャンプ研修を通じて得た気づきを出し合い、他者の視点を共有することで学びを深めます。また研修の集大成として、キャンプでの体験、気づきをこれからの実務に活かすためのワークショップを行います。 <12ページ写真の説明> 研修中の様々なシーン、研修参加者、講師の様子が3つの研修の説明ごとに散りばめられています。 【13ページ】 参加者の声 1.一般参加者の声 とても楽しかったです。自分の世界が広がった気がします。また来年も参加できたら良いなと思います。 初めての参加で不安でいっぱいでしたが、最終的には新しい友だちが増えてとても楽しい3日間でした。ユニバーサルな社会になるようこのキャンプでの気づきを忘れずに、周りの人に広げていけたらと思います。 とにかく全てが新鮮でした。自分の中で客観的に見る障害者という言葉(見方)が、個々の個性に変わった事が大きいです。 様々な特性を持った方々といろいろな体験をすることができて良かった。最後の方は意識せず場の共有を心がけられるようになったのは大きな成果だと感じられた。 寝食を共にすることにより、よりお互いが見えてきました。 非日常的な場所で普段接することのない人と関われたことで、プライベート、仕事問わず私自身のコミュニケーションに対する考え方が大きく変わったように感じます。 様々な特性を持つ方々と様々な場面で触れ合い、気づきを得ることができたことはこれからの人生に大きな変化を与えてもらったと思いました。 こころの鎧を脱ぎ捨てて、子どもの頃のように、かっこつけずに、素のままでいることができ、初めてあった人たちともお互いに心が開けて大変心地よかったです。 感動すること、困ること、悩むこと、色々あったキャンプ!! 1つ1つのプログラムの内容が濃かったので、それぞれもう少しやりたいものばかりでした。 色々な発見があり、障がいのことについてだけでなく、自分に対する理解も深まった。 2.企業研修参加者の声 短期間に大変多くの方と会話でき、多くの価値観、考え方に触れることが、自分の良い刺激となりました。また、他の人のコミュニケーションに対する姿勢を手本にできると思い、学ぶこと、得るものの多い機会となりました。 自分を見つめ直す機会となり、大変良い研修となりました。 とても有意義な研修でした。他のメンバーにも伝えます! この研修で学んだ支援型リーダーシップの考え方を職場で活用できるように取り組んでいきたいと思います。 会社、性別、年齢、様々な特性をもった方と密にコミュニケーションをとる機会を与えていただけて良かったです。バックボーンなど、あまり聞けないようなことまで聞けて、自分を見つめ直す機会になりました。 ダイバーシティについてより本質的に考えてみたいと思った。 自社に持ち帰るべき気づきをたくさん得ることができました。 性別、世代を越えて、若い人たちの素直な意見や考えを聞けて大変よかった。意見のまとめ方、発表の仕方一つ一つをとっても自分と違うのを改めて認識できた。 これだけ深く振り返りができたり、事前、キャンプ中、事後で別々の方の考えが聞けて、気づくことが多く大変良かった。 何よりもコミュニケーションのあり方について考える時間が多かったように思います。今後のキャリア、業務にも大きく影響するように感じます。 【14ページ】 主催者メッセージ これからの社会に必要な人材育成の場 NPOユニバーサルイベント協会 理事長 内山早苗 障がい者雇用、育成支援、ノーマライゼーション、ダイバーシティ促進活動に携わり、障がいの有無に関係なく全ての人が社会参加できる環境づくりに取り組んでいる。 すでに十数回の開催になったユニバーサルキャンプ in 八丈島。第1回終了時に、ごめんなさい、最初にUD(ユニバーサルデザイン)のことは十分知っていると言いましたが、違いました。根本から考え方が変わりました。これからは本物のUDをめざして仕事の仕方を変えます、と八丈島の空港で宣言してくれた企業研修参加者に、びっくりしながらも、やってよかった!と思ったことを懐かしく思い出します。 だれもが当たり前に活躍できる社会、ダイバーシティが当たり前になる環境づくりをめざしてスタートしたユニバーサルキャンプ in 八丈島。この10年、時代は大きく変わり、多様な人々が活躍できる社会が目指され、そのためにさまざまな法整備もされています。国際的にみても、国内の事情からも、社会のありようが大きく変化していることは顕著です。2015年9月では65歳以上の人口が3,384万人で人口の26.7%。障害者手帳を持っている人は約741万人で約6%、色覚に特性のある人は約320万人、LGBT層の人の出現率は7.6%、13人に1人。さらに海外からの来訪者は2015年1月から9月で既に約1,450万人。かなり乱暴な言い方ではありますが、まちを歩く2人に1人は何らかの特性をもった人たちということになります。 なんとなくみんな同じだ、考え方も常識も同じことが当たり前だということが実は幻想だということに気づくのではないでしょうか。そうすると、人とのかかわりの上では、相手の気持ちや考えを聴き、自分の気持ちや考えを伝えることがまず最初の一歩になりますし、相手の特性を理解することからすべてがスタートすることが当然と思えるのではないでしょうか。 国の制度はもちろんのこと、企業の提供する商品やサービスは、そうした多様な人たちを満足させることができないと価値がなくなります。違いは特別なことではなく、違いは当たり前でむしろ価値になってきます。多様な人々の特性を理解したうえで、商品やサービスを開発していかないとこれからの企業は成り立たなくなるのではないでしょうか。 だからこそ、ますますこのユニバーサルキャンプ in 八丈島の持つ意味や役割が大きくなってきていると感じています。毎年100人以上の多様な特性のある参加者が、みんな対等な関係で、お互いに支え合いながら2泊3日のダイバーシティ体験プログラムに取り組みます。そこで感じることは、違いは特別ではなく当たり前ということ。この体験が、参加者のこれからの仕事の仕方や生き方に反映されます。だれもが当たり前に一緒に活躍できる新しい環境や文化の担い手がこのキャンプから育っていきます。 2020年には、世界中から多様な人たちが集まります。本物のおもてなしを提供できる人材が、このキャンプから巣立っていけますよう、今後とも皆様のお力をいただけることを心より願っております。 2015年11月 内山早苗 注記 高齢者、障がい者の人口は厚生労働省、色覚特性はNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構、LGBTは電通ダイバーシティ・ラボ LGBT調査2015、海外からの来訪者は日本政府観光局2015年1月から9月合計による。 【裏表紙】 NPOユニバーサルイベント協会 〒108-0075 東京都港区港南2丁目12番27号 イケダヤ品川ビル3F TEL 03-5460-8858 FAX 03-5460-0240 E-mail info@u-event.jp URL http://u-event.jp Facebook http://www.facebook.com/uevent.jp NPOユニバーサルイベント協会は、誰もが安全、安心、快適に楽しく参加できるユニバーサルイベントを、多様な能力や特性をもったメンバーと一緒に企画、運営しているNPOです。ユニバーサルイベントの企画、運営や、企業向けの体験型ワークショップ研修を通じて、誰もが力を発揮し、いきいきとした生活を送ることができる社会づくりに貢献しています。 発行、編集 NPOユニバーサルイベント協会 デザイン 株式会社ZUGA 発行年月 2015年11月 以上、ユニバーサルキャンプ in 八丈島パンフレット、終わり。