表紙 第4回ユニバーサルキャンプ in八丈島報告書2008年9月6日から9月8日 写真 3日目のユニバーサルスポーツ後の大潟浦での集合写真。 2008年10月 特定非営利活動法人ユニバーサルイベント協会 表紙裏 感謝 【後援】 国際ユニヴァーサルデザイン協議会 社団法人日本イベント産業振興協会 【研修協賛】 株式会社岡村製作所 株式会社スリーライト 株式会社日本能率協会マネジメントセンター 富士通株式会社 松下電器産業株式会社 【協 賛】 株式会社アインズ アサヒアイドマ株式会社 株式会社アセント 株式会社アダチ 石山盛也 岩波映像株式会社 株式会社エキスプレス工業社 江崎グリコ株式会社 エントロス株式会社 大塚製薬株式会社 カバヤ食品株式会社 株式会社教映社 協和発酵工業株式会社 キリンビバレッジ株式会社 麒麟麦酒株式会社 株式会社光和 株式会社コミュニケーションシステムラボラトリー 株式会社サンク・アール 株式会社三恵社 株式会社三秀舎 株式会社シナノ 株式会社島一 株式会社昭栄美術 株式会社誠興社 株式会社セイメイ社 株式会社丹創社 株式会社テクノアート DBA(デザイン・ブレーン・アソシエイツ) 東京海上日動火災保険株式会社、東東京支店  浅草支社 株式会社東宝映像美術 ナカシャクリエイテブ株式会社 株式会社日創工芸 日本通運株式会社 秋葉原支店 株式会社バイオセレント PCY limited liability company 株式会社ヤマネ 【協力】 NPO江戸川手話通訳者協会 株式会社JTB首都圏、上野支店 株式会社創環 ちょんこめ作業所 NPOニュースタート事務局 八丈町の皆さん ピアサポート株式会社 NPO野外活動教育振興会 【共催】 東京都八丈島八丈町 株式会社丹青社 株式会社UDジャパン 【主催】 NPOユニバーサルイベント協会 ※敬称略、50音順とさせていただきました。 ユニバーサルキャンプは多くの方々のお力添えにより実現しました 1ページ ユニバーサルキャンプ開催の意図 ユニバーサルキャンプは、ダイバーシティ(Diversity=多様性、すべての人が含まれる)の考え方に立ち、年齢や障がいの有無にかかわらず、参加者へ、そして社会全体へ向けて、「みんなが一緒に活き活き暮らせる社会」への意識を喚起し、行動を身につけることによってユニバーサル環境の普及をめざしています。 そのため、豊かな自然の中で、キャンプという日常生活よりすこし不便な環境を味わいながら、誰もがそれぞれできることとできないことがあることに気づき、お互いに対等な関係で協力しながらサポートし合うという経験を通して、一人ひとりが尊厳を持つ対等な関係としての自立・自律をめざすとともに、その輪を広げていきたいと考えて実行しています。 2ページ ユニバーサルキャンプの概要 開催日程、2008年9月6日土曜日から8日月曜日 開催場所、八丈島底土キャンプ場・その他 参加者数、109名=企業研修参加者、一般参加者、スタッフ。33名=八丈島ちょんこめ作業所。総勢142名。ユニボン参加者、八丈島の方々約50名。ユニボン総勢約200名 主催、NPOユニバーサルイベント協会 共催、東京都八丈島八丈町、株式会社丹青社、株式会社UDジャパン キャンプ運営のコンセプトとキーワード ■ ユニバーサル環境の推進ユニバーサル環境とは、さまざまな特性を持つ高齢者も子どもも外国人も性別に関係なくすべての人々がその特性の違いを認め合い、共に活き活き暮らせる社会環境のことです。 図(UDジャパンより提供) ユニバーサル環境、という言葉の周りに以下の5つが配置され、それぞれが繋がっている関係になっている。 ダイバーシティ(多様性を受け入れる社会) エコロジー(循環型社会) ノーマライゼーション(共生社会) ジェンダーフリー(男女平等社会) バリアフリー(障壁のない社会) 図の下の文字 こうした社会の実現に重要なのがユニバーサルデザイン・ユニバーサルサービスの推進 ■CSRの根っこにはノーマライゼーションがある これからの企業理念には、Social Responsibility)を果たすという姿勢が明確に示されていることが“当たり前”になってきます。そのCSR は、ユニバーサル環境が基本に据えられていることが大前提であり、その実現の切口としてユニバーサルデザイン・ユニバーサルサービスの推進があるのではないかと考えています。 3ページ 報告1 メインプログラム ■事前研修 ■キャンプ開始 ■コラボ・DE・カレー ■ダイバーシティ・コミュニケーション ■ユニボン ■ユニスポ ■事後研修 4ページ、5ページ プログラム1 事前研修 キャンプで気づきを得るための土台づくり。 ダイバーシテ.の理解と受容のために社会的背景と多様性を学びます。 参加者20名 日時、2008年8月19日火曜日10時から17時 場所、東京体育館 講師、内山早苗、岡村道夫、松村道生、三原毅 カリキュラム、 1.オリエンテーション 2.講義 3.サポートの基本と実習 4.屋外でのサポート実習 5.グループワーク 6.リーダー研修 7.まとめ 午前中は講義とサポートの基本、午前の講義では、 ・ダイバーシティの重要性 ・現在の日本の状況 ・企業にとっての重要性 ・しょうがいの普遍性とダイバーシティを理解する という内容で進めました。 また、実際にしょうがいを持つ講師による指導で、車いす使用者、見えない人、聞こえない人への理解とサポートの基本を学び、午後の実習に備えました。 昼食中も体験実習 午前の講習が終わり、さぁお待ちかねの昼食タイム。2人一組になってアイマスクをつけたら、「時計の文字盤になぞらえてお弁当の説明をしてみましょう」。説明するほうも、実際に食べるほうも必死です。感覚が研ぎ澄まされ、いつもよりおいしい…などと味わう余裕もなく、子どものようにボロボロとこぼし、笑い合いながらいただきました。 午後からは屋外へ出かけ実習 午後からははくじょうや車いすを実際に使い、体験実習を行いました。 みんなで車いすに乗ったり、アイマスクをつけて視覚しょうがい体験をしながら街へ出ましたが、しょうがい者をサポートするのは初めてという方ばかり。不便さを知識ではなく身体で感じました。車いすに乗っていると、ちょっとしたデコボコや坂道がとても大変。真夏日だったこともあり、みんな汗びっしょりになって頑張りました。 のどがカラカラになったところで、さあお茶タイム!といっても、アイマスクのまま自動販売機で飲み物を買ってみます。「何があるの?」慣れていないと飲み物の種類を説明するだけでも大変です。「届かない〜!」車いすだと、欲しい飲み物のボタンに手が届きません。なんとか無事に全員飲み物を購入し、ほっと一息つきました。どんな不便さがあり、どんなサポートをしたら一番良いかをコミュニケーションしながら学びました。 リーダー研修と今日一日の「気づき」 キャンプでは班行動が基本です。今年は研修参加者の方々に班のリーダーをお願いすることになりました。今後、日本社会で必要とされる支援型リーダーの説明と、キャンプでの役割などについての話がありました。 その後、今日一日での気づきをグループワークでまとめ、各自のキャンプでの目的を明確にします。「とにかくコミュニケーションが大切」「車いすはちょっとした段差でも意外と大変」などなど、たくさんの気づきを共有することができました。 その後は、キャンプ参加説明会が行われ、多くの参加者との出会いが始まりました。 写真1、研修室内で木製の段差の上で車いすを押す戸田さんと、乗る板谷さんを見守る研修参加者。 キャプション、車いすのサポート実習の風景。みんな真剣そのもの。 写真2、研修の座学風景。研修室前方左側に内山講師、右側に手話通訳の横山さん。 キャプション、内山早苗氏の講義に耳を傾ける参加者。 写真3、スクリーンの前で手話を使って講義する三原講師。スクリーンには、ダイバーシティについて、聴覚しょうがい編、という文字。 キャプション、講師の三原毅氏。 写真4、アイマスクをしてお弁当を食べる飯塚さんと、それを笑顔で見守る岡村さん。 キャプション、お弁当を食べながら、視覚しょうがい体験 写真5、屋外でアイマスクとはくじょうを持った石巻さんと、笑顔でサポートする板谷さん。 キャプション、公園へ出て視覚しょうがい体験  写真6、必至に車いすをこいでいる石巻さん。汗のイラスト付き。 ふきだし、思っていたより段差っていっぱいあるなぁ。 写真7、屋外の階段で、車いすを上げる練習をしている女性3人。 キャプション、車いすを持ち上げるのもコツがあります 写真8、アイマスクをして、はくじょうをもった菅野さんが服部さんに導かれて自動販売機にお金を入れている。 キャプション、アイマスクをしながら自動販売機でジュースを購入 写真9、はくじょう体験中の東中川さんとサポートする板谷さん。 6ページ プログラム2 キャンプ開始 常夏の島八丈島で、熱い熱い夏の最後の思い出。 今年もたくさんの笑顔から、多くの気づきと感動が生まれました。 プログラムの流れ ■1日目 テント設営 開村式 リズム・DE・ダンス グループワーク コラボ・DE・カレー 「語り」を聴く会 夜のダイバーシティPART1 ■2日目 リズム・DE・ダンス 朝の集い ダイバーシティ・コミュニケーション 自由時間 ユニバーサル盆踊り(ユニボン) 夜のダイバーシティPART2 ■3日目 リズム・DE・ダンス 朝の集い テント片付け ユニバーサルスポーツ 閉村式 テント設営 もっと当たり前に誰もが活き活きと社会参加できないかなぁ…。もっと多くのさまざまな特性を持つ人と一緒に活動して多様性を実感してほしい…。その気づきを自分の生活や仕事に生かしてもらえたら…。ユニバーサルキャンプはそんな思いから生まれました。  ユニバーサルキャンプ参加者一同が八丈島に到着すると、八丈島はピッカピッカの晴天!晴れ男と晴れ女の集うユニバーサルキャンプです。朝早くから集まった飛行機1便の参加者にはもれなくテント設営のプログラムがついてきます。サンサンと降り注ぐ太陽の光の中での共同作業。いつの間にか周りの人と仲良くなっている自分がいます。「え?しょうがいがあってもこんなこともできちゃうの?」「バリアフリーな場所って本当に少ないんだね」。早くも気づきがあったようです。 開村式 開村式での内山村長の挨拶から第4回ユニバーサルキャンプは始まります。司会進行は昨年に引き続き幸多朗さん。ちゃぱつにヒゲの見かけとは違い、温かい心配りが行き届いたMCです。そして、誰かが前に出て話をするときには、さっと話し手の横に立ち、手を動かす手話通訳さん。そしてキャンプのメインキャスト、これから起こることにワクワクドキドキ顔の参加者の皆さん。総勢109名、全員揃ったところで、さぁ、いよいよユニバーサルキャンプの始まりです! 感謝の思い 今年も、たくさんの企業の方、地元八丈島の方、本当に多くの方々のお力添えにより、第4回ユニバーサルキャンプが実現いたしました。本当にありがとうございます。 写真1、みんなでテント設営をする様子。芝生の上に10張りほどのテントと20人ほどの作業する人。青空と入道雲。 写真2、イーファの小松さん。手には「おじゃりあれ、八丈島」の看板。 写真3、マーキーテントの下で、簡易ベッドを組み立てる3人。 キャプション、視覚しょうがいの伊敷さんと聴覚しょうがいの西岡さん、車いすの森口さん 写真4、組み立てられたベッドを両手に抱え移動する男女。背景には青空と青い海。 キャプション、みんなで協力してテントを立て、一人一台のベッドを組み立てます 写真5、身振り手振りを加えながら話をする内山さんと、隣で手話通訳をするカメラ目線の横山さん。 キャプション、内山村長の開村式での開村宣言。さぁ、キャンプの始まりです! 写真6、4人の男性が並んで順番に挨拶をしているところ。 キャプション、八丈町役場の皆様。ご協力ありがとうございました 写真7、キャンプ場中央の流し付近に設置された、木製のスロープの写真。流しの横には薪が積み上げられている。 キャプション、毎年恒例の八丈町の大工さん手作りのスロープです。 6ページ プログラム3 コラボ・DE・カレー キャンプ初日、みんなで一緒にご飯を作って食べる。ありきたりのことですが、お互いの緊張をほぐしてくれ、グループの雰囲気づくりの強力なすけっととして欠かせないプログラムです。 隠し味はチームワーク! みんなが仲良くなるには、一緒にものを作るのが一番!地元八丈島在住のちょんこめ作業所のメンバーも加わり、いろいろな特性を持った仲間と一緒にカレーを作ります。初めて顔を合わせた参加者たちは、初めは少し照れくさそう。ドキドキしながら作業を進めていきます。「聞こえなくても火加減ってわかるの?」「見えなくてもタマネギって目にしみるのかな」。料理が得意そうな人が苦手だったり、その逆があったりと、さっそくお互いの意外性に気づきます。 コトコトとおいしい香りが漂うころには、なんだかすっかり仲良しに。おなかすいたー!いただきまーす! 最後は、他の班の味見めぐりで、カレーの輪が広がりました。 みんなでおいしくできたで賞 班の中に1人だけ、カレーの賞の名前を考える人をこっそり仕込んでおきました。どんな賞の名前になったのかは、最終日の表彰式で発表されました。「みんなでチキンとおいしいカレーができたで賞」「初めての共同作業、ドキドキわくわくだったで賞」などなど、カレー以上に凝った(?)ネーミングもありました。 ゴミゼロ運動 また忘れてはいけないのが、ユニバーサル環境のコンセプトのひとつである、循環型社会(エコロジー)。ユニバーサルキャンプではゴミゼロ運動を実施しています。 野菜の皮だって、きれいに洗えばそのままで食べられます。食器も最後はパンでキレイにぬぐって食べれば洗剤をたくさん使わずにすみます。大自然の中でのキャンプだから普段より環境への気持ちも高まります。 写真1、テーブルの上に並べられた食材を真剣な表情で選んでいる人たち。 キャプション、シーフード、豚肉、鶏肉、野菜、何カレーにしますか? 写真2、マーキーテントの下で食材を刻む6班の人たち。 キャプション、おいしいカレーを作るのに大切なうま味のカギは役割分担とチームワーク 写真3、かまどで煙にいぶされながら調理をする男性陣。 キャプション、だんだんおいしそうにできあがってきました 写真4、お皿によそわれたカレーライスとサラダ。スプーンとフォーク。 キャプション、できた!!  写真5、カレーを前に乾杯する4班の人びと。 キャプション、カンパーイ!!満面の笑顔です 写真6、2枚の賞状と、カレーのフライパイを指差す女性と、カレーを食べながら「良い」の手話をしている西岡さんの切り抜き。 写真7、ノートの切り抜き。 気づきのノート このキャンプで思ったこと、知ったこと、ひらめいたこと、なんでも書いてよいノートです。 各班に1 冊ずつ配られた気づきのノート。カレーを食べたら、さっそく皆さん書き込みをしてくれました。 ・ グループ全員がうまく役割分担を図れたことが良かった ・ 初めて会った人たちと、こんなにおいしいカレーが作れてびっくり! ・ 火加減は肌で感じた ・ かまどが限られていたので、他の班とも協力することができた ・ 男性がとても積極的だった(ハート) ・ 障がいがあるから難しいと思うのは大きな間違いだった ・ カレーに集中しすぎて、配慮を忘れることもあった ・ 具体的に細かく伝えれば、見えなくても普通にできることを知った ・ 一緒に作業を進める=コラボを実感できた 10ページ プログラム4 ダイバーシティ・コミュニケーション 聴きたいこと、なんでも聴いてしまいましょう! 多様性を受け入れて他者の違いに触れたとき、参加者は何を発見するでしょう。 違いは楽しい ダイバーシティとは、多様性の享受。誰もが違う、誰もが何かを持っている、みんな違うのだから、しょうがいも特別なことではない…。 そんな観点から、他者との違いを知り、その能力に気づき、コミュニケーションや行動を工夫するきっかけをつくる。それがダイバーシティ・コミュニケーションプログラムです。 しょうがいを持つ人に、そのしょうがいのことを聞いたら失礼だと思いますか? けれど、互いをわかっていなければ、心から関わることはできません。 「誰も自分と同じ人はいないんだ!自分とは違う、でもその違いって面白い!」。そう思えたとき、初めて相手を尊重し、思い込みのない、きちんとお互いの立場を認めながらのコミュニケーションができるようになるのではないでしょうか。そして、商品やサービスシステムに従来とは全く違う発想ができ、新たなイノベーションが生まれるのではないかと思います。 6つの個性の部屋 晴天のもと、南原スポーツ公園のだだっぴろ〜い芝生の上に、赤と青のタープテントが6つ、はためいています。これからこのテントの下で、さまざまなドラマが生まれます。 音・光・動き・関わり・八丈・文化と、それぞれ名前のついた6つの部屋で、見えない人、聞こえない人、手足の動きに不便さのある人、外国から来た人、八丈に暮らす人など、さまざまな特性を持つ主人が待っています。 「聴きたいこと、なんでも聴いてしまいましょう!」 進行役のタロさんの一言で、訪問者たちは一斉にそれぞれの部屋へ向かい、グループごとに、約3時間かけて6つの部屋すべてを回ります。 部屋では、まず主人の話を聞き、そしてなんでも質疑応答していきます。自分のこと、同じしょうがいを持つ友人のこと、日々の暮らし、悩みなどなど…。話を聞いていると、ひと口にしょうがいしゃといっても、状態もニーズも考え方もさまざまだということを実感します。 主人たち同士も、打ち合わせや情報交換をする中で、親交を深め、新たな気づきに出会います。大自然の中で語られる当事者たちの飾らない言葉は、来訪者の胸にしみていきます。 暑い中、長時間でも「時間が足りなかった!」の声が多いダイバーシティ・コミュニケーション。 これからもキャンプの目玉として、毎年変わらず、でも進化しながら進めていきたいと考えています。 写真1、広い芝生に赤と青のタープテントが点在。背景にはどーんと八丈富士と青空。 写真2、事前説明を聞く人たち。カメラ目線の藤寺さん、ポチャさん、岸さん。 キャプション、炎天下の中、どんな話を聞けるかワクワク 写真3、赤いタープの下に、車いす2台を含む約15名が集まっている キャプション、芝生がとっても気持ちいい。南原スポーツ公園 写真4、事前説明を聞いている参加者たちが、タロさんの掛け声に合わせてコブシを振り上げている キャプション、タロさんの宣言で、ダイバーシティ・コミュニケーションは始まります 写真5、柳瀬さん。エジプト人のような格好(白い長袖のワンピースに赤いチェックの布を頭に被せている) ふきだし、ユニバーサルキャンプ司会進行の幸多朗です。キャンプにくると解放されて、こんな格好になっちゃいます。 12ページ・13ページ ダイバーシティ・コミュニケーション、音の部屋 コミュニケーションってなんだろう 聴覚しょうがいの方の話を聴き、コミュニケーションとは何かを考える部屋。 手話ができなくても大丈夫。ボードやジェスチャーなど、さまざまな手段を使って語り合います。 会社でのコミュニケーションの工夫や、自分が受けてきた教育の話、指を使ったパントマイムなど、多才な主人たちが熱いトークを繰り広げました。 「一番便利なツール?それは人。考えることができ、優しさがあり、可能性がある」と、アッシャーシンドローム(盲ろう)の藤田さん。 写真1、主人の長谷川まなぶさん、友人の高橋りょうじさん。2人の話を通訳するあんぽさん 写真2、ホワイトボードに「網膜色素」という文字を書いている藤田さん。メモをとる磯村さん。 写真3、パソコンをヒザに乗せ、真剣に話を聞く高橋りょうじさんと松井さん。 ダイバーシティ・コミュニケーション、文化の部屋 日本にも外国にも素敵な文化がたくさんある 外国の文化、日本の文化、さまざまな文化による違いを聴く部屋。 今年は4人の外国人と日本文化に造詣の深い1人の日本人に主人をお願いしました。異文化間の悩みや受け入れるコツ、日本の文化についてなどのお話がありました。 イギリス人のトニーさんは「日本人と結婚し日本に住み日本語で話す毎日。自分がナニ人か?なんてどうでもいい」。 あえて日本語を封印し、集まったメンバーから「通訳」を選んで英語でスピーチしてくれたAさん。通訳の難しさや、元の英語をどこまで理解できるかをみんなに考えさせ、「このプログラムに新たな側面を加えられているといいな」。 写真1、青いタープテントの下で車座になって話を聞く人たち 写真2、ブラウンさんの話を聞く人たち ダイバーシティ・コミュニケーション、光の部屋 知らない世界に皆驚愕! 視覚しょうがいの方の話を聴く部屋。 「スーパーで買い物の相談やアテンドをしてもらっているうちに、店員さんたちと仲良くなって、今は一緒に旅行に行ったりもするんです」と笑顔で話すあっこさん。 「三灯式の信号は大丈夫だけど、位置情報がない一灯式の信号機が困るんですよね。赤の点滅と黄色の点滅の区別ができなくて……」。と色覚しょうがいの田中さん。 太鼓の名人松村さんは、全盲のプログラマー。専用ソフトを使い、打ち込んだ文字を音声に変えてフィードバックを受けながらプログラミングしていきます。「ITの進化は本当にありがたいですね」 写真1、笑顔の辻村さん 写真2、赤いタープの下ではくじょうを小脇に立っているイシキさんに向かって、みなが拍手をしている ダイバーシティ・コミュニケーション、動きの部屋 本当のバリアフリーってなんだろう 肢体に不便さのある人の話を聴く部屋。 車いす使用者だけでなく、手足にマヒがある人も主人です。 年齢もしょうがいの状態も違う主人の話に、共感したり、感動したり。 「階段の上にあるお店は、閉まっているのと同じ」(なるほど) 「24時間しょうがいしゃなわけではなく、移動時に環境や条件が悪いときだけしょうがいしゃになる」(そうか!) 「自分の体が動かなくなって、人を思いやれるようになった」(強い!) 「しょうがいは乗り越えるものではなく、これが普通の自分。今までも、これからも」 写真1、笑顔の森口さん 写真2、話をする岡村さんと田口さん。 ダイバーシティ・コミュニケーション、八丈の部屋 もっと八丈島を知りたい! 八丈島の人に、島について語ってもらう部屋。 島の魅力や歴史以外にも、今年はちょんこめ作業所の皆さんにも、主人をお願いしました。八丈島は情け島。昔、流人を優しく受け入れたという精神が、今も受け継がれているのだそうです。5、6年住むと八丈島に合う体質になる、と話してくださったIターンの神部さんは、食用廃油からリサイクルしたバイオ燃油のにおいを嗅ぎたいという人のために、翌日またわざわざ来てくださいました。高橋さんの八丈の海の話に「来年はダイビングしたい」と車いすの岡村さん。 ちょんこめ作業所のユウキくんの恋の話には、みな涙、涙。島の魅力とほっこりした優しさに包まれた八丈の部屋でした。 写真1、芝生の上であぐらをかいて話をする高橋さん。 写真2、車座になってちょんこめ作業所の人の話に耳に傾けている参加者のみなさん。 ダイバーシティ・コミュニケーション、関わりの部屋 人の数だけ考え方や生き方がある 若い人も高齢の人も、人の数だけ考え方や生き方がある。そんないろいろな人と関わる部屋。 「五体は満足。でも自分はどこか足りない部分があると感じるんです」と語るのはOさん。コミュニケーションが苦手な人は引きこもりになりやすく、多様な考え方で内面を引き出してくれる人が助けになるのだそうです。 「家族内でなんとかしようというのは日本の悪いくせ。一人で抱え込んではダメ」と語るのは、認知症を発症したご両親を介護している東海さん。「ご近所さんや周りの人に支えてもらっています。おせっかいが大事なんです」。 写真1、真剣な表情の磯村さん 写真2、ニュースタートの山崎さんの話を聞いているところ 14,15ページ プログラム5 ユニボン 地元八丈島の方々と思いっきり楽しもう! 参加者も、地元の方も一緒に歌って、踊って、笑い合う。 八丈島の特産品がいっぱい! せっかく訪れた八丈島。キャンプ参加者と地元の方との交流を深め、八丈島の特産品をいっぱい味わえる場がほしい。八丈町の方々の多大なる協力を得て、ユニバーサル盆踊りを毎年開催しています。 ユニボン会場に着くと、まず目に飛び込んでくる屋台の数。 おおかごう婦人会の皆様、朝市会の皆様、ちょんこめ作業所の皆様にご協力いただき、たくさんの屋台を出していただきました。八丈島特産品の島寿司はもちろん、くさや、天ぷら、さかな丸焼き、島酒、などなど。どの品も本当においしそうで何を食べようか迷ってしまいます。中でもパッションフルーツに焼酎を入れて飲むという八丈島ならではの飲み方が大好評。会場いっぱいに、参加者、地元の方の笑い声が広がります。個人旅行で八丈島を訪れても、地元の方とおしゃべりして、こんなにも多種類の特産品は味わえないかも……、みんなキラキラしながら八丈の郷土料理を頬張っていました。 あしたば、ネリ、四角豆、メダイやくさや等の八丈島のめずらしい食材たち。「どうやって食べたらおいしいですか?」地元の方にアドバイスを頂きながら購入していました。ちょんこめ作業所のぬくもり感じる手作り手ぬぐいなど、雑貨類も充実していました。 踊れや歌えの大交流大会! メイン会場では、参加者でもあるダンサーカヨコさんがオープニングダンスを飾り、ユニバーサル盆踊りが華々しくスタート。地元婦人会の皆様、加茂川会の皆様が、浴衣や黄八丈の帯のとても素敵な衣装で登場。八丈音頭、炭坑節、しっちょさ、なじょまま、おいとこを踊ってくださいました。炭坑節などは、「掘ってー掘ってーまた掘ってー、担いで担いでー」など、言葉の振り付けも加えながらみんなで踊りました。さらに、ちょんこめ作業所の皆様は手話コーラスつきでだいくを披露してくださいました。このちょんこめさんのだいくは、全国各地で公演を行っているもので、多くの人に感動を与えています。皆さんの温かく気迫の込もった歌声、指揮、手話。ユニボン会場が感動の空気に包まれました。続いて昨年から参加いただいている、八丈島のフラダンスチーム、カ、マカニ、オ、ハチジョウ、が登場。笑顔が素敵なフラダンスチームに、会場のボルテージは最高潮。フラダンスは一つひとつの動きが手話だということもあり、みんなで説明を受けながら、楽しく踊りました。最後は、カヨコさんと地元の方も一緒に、リズム、デ、ダンス、を踊りました。誰でも簡単にできるかわいい振り付けと、軽快なリズムにのって会場が一体となり、とても熱い熱い夜がふけてゆきました。 気づきのノート ユニボンでもたくさんの気づきと感動がありました。 ・ ちょんこめさんのだいくが素敵でした! ・ 踊りなんて全然できないと思っていたけど、みんなで輪になって一緒に踊ったらすごく楽しかった! ・ 壁は自分の内からできるもの。自分から外していけば、どんどん壊れていく。 ・ とにかく体を動かすのは楽しい。ダンスと大きな笑顔、ここにしょうがいなんて何も感じなかった 写真1、公民館の中で浴衣を着た婦人会の方々と円になって踊る人たち。円の内側で席についている人も振りを真似たり手拍子をうったりしている。 写真2、両手に小皿を持って踊る人たち。車いすのタロさんはジーンズの右側がヒザまでまくられており、ヒザに怪我がある。 キャプション、みんなで一緒に。 写真3、肩があらわになったセクシーなフラの衣装の女性とならんで、見よう見真似で踊る参加者たち。 キャプション、笑顔が素敵なフラダンスチーム。フラダンスも教えていただきました。 写真4、パックに入った島寿司セットと焼きそば。 キャプション、おいしい八丈島特産の島寿司。 写真5、ダイク披露中のちょんこめ作業所の人たちと、それに聞き入る参加者たち。 16ページ、17ページ プログラム6 ユニスポ アイデア爆発。個性光るユニバーサルスポーツ。 今年もたくさんの新しいスポーツが生まれました。 最終日はユニスポ! 最終日はすべての締めくくり、ユニバーサルスポーツ。3日間でためこんだ気づきを出し合い、体を労りながらスポーツを楽しみます。 ユニバーサルスポーツとは、障がいや年齢にとらわれず、そこにいる誰もが一緒に楽しめるスポーツを提案・実施することです。既成概念を打ち破って、そこにいる人や道具に合わせて知恵を絞って、考える過程、行う過程のどちらもが大切な要素になります。 今年は言葉のカードがヒントです。なげる、ける、とぶ、つなぐ、ひく、はしる、ころがる、うつ、おす、どのカードを何枚選んでもかまいません。3人一組になって、スタートから20メートルほど先の折り返し地点まで進み、戻ってきてゴール。 カードと音の出るボールやカラー棒などの道具、そしてメンバーの特性を考えながら、一緒に楽しめた!と思える競技を考えます。最初に全員でじゃんけんをして勝った人はアイマスクをつける。「車いすだけど投げたり転がすのは平気だよ」。「見えなくても走れるよ」。あらためてさまざまな特性を考えるきっかけになります。「どうやったら伝えられるかな?」ノートテイクをしながら楽しめるルールを考えます。そして出会った時よりも、はるかにコミュニケーションがとりやすくなっている自分たちに気づくのです。 お披露目タイム コミュニケーションを楽しみ、アイデアを出し合いながら、いよいよお披露目タイムです。 とぶ、つなぐ…3人全員が目隠しをして、かけ声で息を合わせて縄跳びをしながら進むチームは、「Kさん飛ぶのが早いよ」「もう少し大きく飛んで!」などど、周りのみんなから熱の入った声援を受けながら無事ゴール。 ける、はしる…目隠しをしてボールを蹴る、ただそれだけなのに腰が引けちゃっている人。鈴の音とメンバーの声を頼りに、大笑いしながらゴールに向かって進んでいました。 ける、つなぐ、おす…右の肩を1回叩けばそのまま進め、左の肩を2回叩くとボールを蹴る、両肩を叩くと止まれ。複雑なルールでゲームを進めるチーム。練習のかいあってスムーズにゴールしていました。 他のチームの工夫を見ながらなるほどなぁと思ったり、みんなで考えればできないことがないと自信をつけたり、もっと体を動かせる競技にすればよかったと反省したり。さまざまな思いを落とし込んでこの3日間の締めくくりのプログラムが終了です。 スポーツと人をつなぐことの大切さを感じながら、参加者はより柔軟に相手とコミュニケーションしながら楽しむ基礎を身につけていきました。 写真1、大潟浦の芝生の上にて。車いすの清水さんとあんぽさんがボールを乗せたカラー棒の端を持って落とさないように移動している。田口さんが笑顔で車いすを押している。 写真2、ルール説明するスタッフと手話通訳。その向こうにテープテントが3つ。青空と白い雲、八丈小島も見える。 キャプション、みんなで一緒に知恵を出す。 写真3、カラー棒を使ってボールを飛ばす東海さんとマルヤさん。そのボールをキャッチしようとしている女性。 キャプション、ボールをポーン。新しいスポーツがまたひとつ生まれます。 写真4、カードを掲げる3人。山崎とおるさんは、なげる。西岡さんは、ひく。車いすに座った森口さんは、つなぐ。 キャプション、「言葉カード」何を選ぶ? 写真5、タオルで目隠しした2人の女性が田中さんの足を1本ずつ持ち、手押し車をしているところ。汗のイラストつき。 18ページ、19ページ プログラム7 事後研修 キャンプでの体験や気づきを整理し、今後の仕事にどういかすか。 気づきを具体化することを目的に行います。 参加者20名 【日時】2008年10月8日水曜日、10時30分から17時 【場所】国立オリンピック記念青少年総合センター、センター棟 【講師】内山早苗 【カリキュラム】 1.キャンプの感想(発表) 2.ワークショップ1 3.ワークショップ2 4.ワークショップ3 5.まとめ 驚きの連続だったキャンプ キャンプからちょうどひと月ぶりの仲間との再会に、和やかなムードの中で始まった事後研修。ワークショップに入る前に、キャンプ前に立てた目標と、その評価や感想を、全員に発表してもらいました。 目標どおり、前回より積極的にコミュニケーションをとることができた。 何度参加しても、新しい気づきがある。 自分の班以外の人となかなかコミュニケーションがとれず、来年の課題となった。 出発ロビーから『初めて体験』がスタートした。車いすのアテンド、見えない人のガイド。なにもかもがびっくりの連続でした。 気づきを企画へ その後、4つの班に分かれてワークショップが始まりました。キャンプの気づきがどのように生かせるか皆真剣です。 ワークショップ1 キャンプでのそれぞれの気づきを付箋に書いて模造紙に張り、意見交換しながら、気づきをまとめていき、発表します。 ワークショップ2 企画立案のポイントについての講義の後、ワークショップ1の気づきを参考に、あったらいいな商品・サービスへの視点を考え、発表します。 ワークショップ3 企画構想図を使ってさまざまなアイデアをひとつの商品・サービスへ落とし込み、10分間のプレゼンをします。 実現のための条件を抽出したり、反対意見を想定し対策なども考えます。 すぐにでも実現可能なサービスから、夢の商品まで、見事な4つの企画ができあがりました。 ●1班 『困ってます』と心で思ったことが文字になり、周囲の人にアピールできるシステムKIKKAKE。コミュニケーションのきっかけづくりが難しい人、今サポートが欲しい人を手助けします。 ●2班 文字・光情報はもちろん、ピクトや香り、マンパワーまでをも集結したらくでんシステム。公共交通機関利用の際に、緊急を伝えるサービス(ツール)です。災害が起きたら、隣の人の肩を5回叩くという斬新なアイデアも! ●3班 点字や香り、あらゆる機能を搭載し、すべての人々との意思疎通を可能にするマルチ・コミュニケーションボードと、しょうがい当事者を、ダイバーシティ・UD講師とし、企業や学校などに派遣するユニバーサルシステム。しょうがいしゃの雇用も生みだします。 ●4班 「フリー&Free〜重さからの解放〜」吹き付けると軽くなる不思議なスプレー。重さによる移動の不便さから人々を解き放ち、生産性・エネルギー効率を高め、環境破壊までをも防ぎます。 写真1、ワークショップ風景。4つのテーブルに分かれ、テーブルに大きな模造紙を広げて話をしている。 写真2、内山講師がテキストをみんなに見せている。奥には手話通訳。 キャプション、村長改め、内山講師 写真3、キャンプのしおりを手元に広げ、付箋に気づきを書いている東中川さん。 キャプション、キャンプでの気づきを付箋に書いて発表し、気づきを共有します 写真4、4班の発表風景。 キャプション、他のグループの発表を聞くことで、さまざまな見方があることに気づきます 写真5、懇親会風景。テーブルにはサラダとビールのピッチャー。 キャプション、研修の後、みんなで飲みにいきました! 20ページ 感謝の気持ち UDトイレ 底土キャンプ場にはユニバーサルトイレがありません。 毎年バイオセレントさんにポータブルトイレをお借りし、地元の方々のご協力を得てUDトイレを「手作り」しています。今年はキャンプ場にUDトイレができるはずでしたが・・・(現在、図面を引いているところだそうです)。そこで、今年も八丈電設さんにご協力をいただき、UDトイレを設置していただきました。より使いやすいトイレをめざし、毎年バージョンアップしていただいております。 シャワー 今年は、女子シャワーのまわりをブルーシートで囲い、シャンプーやランタンなども設置。安心で快適なシャワールームとなりました。車いすの人が着替えの際に移乗するいすも、地元の方のお宅からお借りし、更衣室に設置しました。ご協力いただきました島の皆様、本当にありがとうございました。 写真、シャワールームの片隅におかれた台の上のシャンプーとランタン。 筑波技術大学 筑波技術大学産業技術学部総合デザイン学科において、このキャンプがインターンシップとして認められ、聴覚しょうがいを持つ現役の学生さん2名が参加されました。 名札 八丈島の特産品をモチーフに、班ごとに違うイラストが入ったオシャレな名札。デザインは聴覚しょうがいの西岡さんと山下さん、点字シールは視覚しょうがいのあっこさんが作ってくれました。コラボで素敵な作品ができました。 写真、4班の名札。モチーフはハイビスカス。「村長ことモニカ」と書かれている。左下に点字シール。 PC通訳 聴覚しょうがいしゃの中には、手話よりも文字情報を希望する方が少なくありません。そこで今年はタイピング自慢の方々にご協力をいただき、PC通訳を行いました。PC通訳を見て「初めて全部わかった!」と感激してくださった松井さん。通訳するほうも「意外と難しい」「これからは自分が話す時もスピードに気をつけます」など双方にいろいろ気づきがありました。 写真、川島さんの語りの時のPC通訳の様子。 21ページ 報告2 お楽しみ ■ 語り ■ リズム・DE・ダンス ■ 夜のダイバーシティ ■ 自由時間 22ページ バリューズイベント 語り 川島昭恵さん プロの語り部として・夢の鈴・を主催し、全国各地で語りの公演を行う。映画・津軽・に出演、第一回わたぼうし語り部コンクール入選、ルパン文芸会員など、活躍は多岐にわたる。ユニバサールキャンプには1回めから参加。 海辺の語り 1日めの夜、海を背景に、川島さんの語りを聴く会が開かれました。 題目は、おかあさんの目と、花をかう日、そして川島さんご自身のお話。 真っ暗な草むらにいすが3つ。真ん中には川島さん、左右に手話通訳者が座り、ランタンの明かりが3人を照らします。後ろには、暗い海と波の音。 川島さんが一言声を発した途端、誰もが吸い込まれるように語りに耳を澄ませます。 今年も日本手話、日本語対応手話の2種類の手話通訳がつきました。日本手話はろう者の言語、日本語対応手話は手話単語を日本語に合わせて並べ替えたもの。見比べるとその違いは歴然です。「本物(ろう者)の日本手話はもっとすごいんですよー。ぜひ知ってほしい」と手話通訳者の大瀧さん。 「目の見えなくなった私にとって、語りは心の中に絵を描く作業と似ています」。川島さんの言葉は潮風と手話にのって、参加者全員の心の中にも素敵な絵をいっぱい描かせてくれました。 写真、暗闇の中、ランタンの光に照らされる川島さんとその両側に座る手話通訳。 23ページ リズム、デ、ダンス 心をオープンに 初日。開村式のすぐ後に、太陽のような笑顔で登場したプロダンサーのカヨコさん。どことなく緊張していたみんなの顔もなんとなくつられ、笑顔になってしまうから不思議です。見てわかり、聞いてわかる創作ダンスを青空の下で踊りましょう。車いすに座ったままでも大丈夫。「みーぎ!ひだり!ぐるぐるぐるぐる〜♪」よく通る元気な声に合わせ、アフリカ太鼓がトントコトントコ♪ジャンベ(アフリカの太鼓)トリオが花を添えます。 リズム、デ、ダンスは毎朝行われるプログラム。眠っている頭が手足とともに動き出し、心がほぐれて、みんな笑顔になりました。 心にビリビリ! 班ごとに自己紹介をした後、チームワークを高める最初のプログラム、ビリビリゲーム。 みんなで輪になり手をつなぎ、リーダーが右手をギュッと強く握ったら、握られた人も隣の人の手を握ります。そのギュッが、うまくひと回りして元に戻ってきたら、リーダーはオオー!と言って感電したマネをします。どうかなぁ、うまくいったかな? 次はちょっと難しいよ。右を2回、左を3回。さぁて、うまく戻ってくるかな?手の感覚がない人には肩を叩いたり、目の見えない人がわかるように大げさにおおおおおー!としびれたり。 どこの班からも拍手や笑い声が聞こえてきます。スキンシップで一気に距離が縮まりました。 写真1、マーキーテントの下で手をつないで満面の笑みの6班の人たち 写真2、キャンプ場の流し前のスペースで、カヨコさんを真似て、ストレッチをする参加者のみなさん。 写真3、笑顔でダンスレッスンをするカヨコさんと、太鼓をヒザに挟んで演奏する長谷川さん、松村さん、野口さん。 24ページ、25ページ バリューイベント 夜のダイバーシティ バー・イン・ザ・ダーク テント横の真っ暗なスペースに、今年も刺激的なバーが開店しました。 目隠しをして店に入り、手探りで席に座ると……「いらっしゃいませ」。前方から声がします。ここは、見えない人がマスターを務めるバー・イン・ザ・ダークです。 「飲み物は?」「とりあえず、ビール…」そわそわ待つと、冷えたビールとグラスが手渡されます。ビールを注ぐのもひと苦労。あたふたしていると「持ち上げて重さを確認したり、内側に指を入れたりすると、こぼさず注げますよ」とマスターからのアドバイス。本当は見えているんじゃないの?と思うほど、その感覚の鋭さに驚かされ、存在に安心感をもらいます。 「沈黙が怖くてずっと大きな声で話したり、みんな見えないのに、一生懸命うなずいている自分に気づいておかしかった」というのはA子さん。「相手の反応に気を取られない分、より深い会話ができた」というのはイギリス人のKENさんです。 お互い触れ合いながらのジェスチャーなどでビールを頼み、太鼓のセッションで盛り上がっていた聴覚障がいのまなびーさん。「伝えたいと思う気持ちがあれば大丈夫!」 写真1、目隠しをしたお客さんをもてなすマスターの松村さんと松本さん。 写真2、お互い触れ合ってコミュニケーションしている長谷川さんと松村さん。その後ろでピースサインを出しているイシキさん。 バー・イン・ザ・サイレンス ここは、聞こえない人がマスターのお店。 ルールは1つ。音声によるおしゃべり禁止です。習ったばかりの手話で自己紹介したり、手話やジェスチャー、筆談などで伝え合います。「おー!」「へー!」「まじ!?」「なるほど!」誰かの話の後には、感嘆詞を書いたボードが次々に上がり、なんとも不思議な盛り上がり。 写真、マーキーテントの下に集う人々 Bar葵 恒例のBar葵も今年で4年め。今年はより品揃え豊富に、ちょいワルオヤジマスターも元気に開店しました。 立ち飲みテーブルの周りに、ふらりふらりと人が集まり、気づけば大宴会状態。国際情勢からおやじギャグまで、幅広い話題で盛り上がります。初参加の人もすぐに打ち解けて、毎晩楽しい宴となりました 写真、松平さんを中心に、巨大なリール芯のテーブル周りに集まった人々。川島さんの姿も。 オーラソーマ ますみさんのキラキラオーラソーマ。104本のカラーボトルの中から直感で4本のボトルを選び、潜在意識や未来などを見るカラー診断です。 多くの希望者が集まる中、抽選によって選ばれたラッキーな参加者は皆興味津々に話を聞いていました。 光るキノコツアー 島の方のご協力により、ついに実現しました。町の明かりが届かない漆黒の闇の中、フェニックスの根元に点々とつづく小さな光。見上げれば、一面の星空に天の川がくっきり。日本一幻想的なツアーです。 スターウォッチング 星座早見表と懐中電灯を持ったら、星空を見にしみけん先生について行こう! 夜空を見上げ、星座の探し方、ギリシャ神話、地球の未来、いろんな話を聞きました。 26ページ バリューイベント 自由時間 ダイビング 「ダイビングしてみたーい!」 体験ダイビングに申し込んだ8人中なんと5人が障害者手帳取得者でした。 手話は海中でも自由におしゃべりできるため、デフダイバーはたくさんいますが、今回は全盲のあっこさんが是非に!と挑戦。 一緒に潜りたい!とベテランダイバーのミホさんも、体験ツアーに参加しました。八丈島が障がい者ダイビングのメッカになる日も近い!? 写真、ダイビングスーツを着た松本さんの背後に立ち、両肩に手をおいてサポートするダイビングショップの神部さんと、笑顔で見守る倉さん。 温泉 自由時間には毎年大好評の八丈秘湯ツアー。八丈島の温泉は、色も味も不思議なお湯。目の見えない方に「麦茶みたいな色だよ」「いや薄めたカフェオレだ」なんて教えたり、しょっぱい味にびっくりしたり、大はしゃぎ。 普段は気にならない浴室内の段差や滑りやすい床、それからちょっとしたタイルの割れ目がどんなに危険なのかも実感し、たくさんの気づきが生まれました。 写真、温泉施設のロビーにて女子の集合写真。中心に辻村さん、その左後ろに川島さん。みな笑顔でピース。 27ページ レンタサイクル&バイク みんなでツーリング。登龍峠、クネクネの山道、八丈富士・底土キャンプ場が青い海の中に浮かぶ絶景ポイント、三原山一周、マイナスイオンたっぷりの木々の中をブンブン、大坂トンネル、八丈富士と八丈小島・大賀郷の町一望、八丈富士、南原千畳敷。 3時間の自由時間をフルに使って、島内一周。やった! 写真、ヘルメットを被りスクーターにまたがったケンモチさん、武田さんほか。 ビーチ 今年もビーチにはキャピキャピ戯れる大人たちの姿。 車いすのタロさんもポチャさんも、気持ち良さそうにチャプチャプ遊泳。 浮輪で優雅に波乗りする人、ぐんぐん沖に向かって泳いでいく全盲の松村さん、その後ろからドキドキハラハラしながら泳いでいく村長。 太陽の光に照らされて、思い思いに気持ちの良い時を過ごしました。 写真、海をバックにした集合写真。前列右に水陸両用車いすに乗ったタロさん。その後ろに松村さんとイシキさん。 釣り 釣り好きのおじさんも釣り初心者の女子も、夜のおつまみを捕獲せよ、のミッションのもと、底土港の防波堤でムロアジ釣りに挑戦。 地元のインストラクターの「(ムロアジの大群が)来たぞ〜!」の合図をきっかけに、仕掛けを落とし、コマセをバラまきスタート! 八丈島の海はまさに天然の水族館状態。テクニックはいりません。次から次に釣れるムロアジに参加者は大はしゃぎ。釣った後は氷で絞めてプリプリの刺身に、夜はムニエルに大変身しました。 写真1、バケツに入ったたくさんの魚と氷。 写真2、釣竿と魚を持った東海さん 28ページ、29ページ アンケート結果(原文より一部抜粋) ◆参加のきっかけ ・紹介、16人 ・企業参加、19人 ・以前参加したから、8人 ・その他、9人 ・友人がこのキャンプに2回参加していて、すっごく楽しいよ、と教えてくれたので。 ・大学の研究室の教授がこのキャンプを勧めてくれた ・手話サークルでの紹介 ・昨年初参加して、楽しかったから今年も・・・。来年も参加します! ・しょうがい者の一員として、さまざまなしょうがいを知るべきだと思ったから。また、ユニバーサルスポーツを学びたかったため。 ◆楽しく参加できたか ・はい、51人 ・いいえ、0人 ・どちらともいえない、1人 ◆印象に残ったこと ・全体を通して、何かしなくちゃいけない、発言しなくちゃいけない、ということがなく、自分で感じることが第一、というこのキャンプの姿勢にすごく感動しました。 ・しょうがいのある人の前向きさ、パワフルさにふれられたこと。 ・お互いに助け合うことが、とても自然なことだと感じられました。 ・大きなプログラムとは関係ない細やかな部分でも、いろいろな気くばりや心くばりが光っていた。 ・最終日のお別れの時、3日間をしのんで感極まって班の人たちが泣いてしまったこと。 ◆プログラムの内容 ・よかった、40人 ・まあまあだった、5人 ・あまりよくなかった、0人 ◆プログラムの量 ・多い、7人 ・ちょうどよい、36人 ・少ない、1人 ◆印象に残ったプログラム ダイバーシティ・コミュニケーション ・様々なしょうがいの実態をこれほどあからさまに聞くことができる機会を他に知りません。 ・色んな人の生い立ちや、考え方、夢などを聞くことができ、その人の話してみたい、と思わせるプログラムでした。 ・多くの人に自分の話を聞いてもらえて、ありがたいと感じました。 ・行動観察だけではわからなかったみなさんの『思い・気持ち』を知ることができた。 ユニボン ・ちょんこめ作業所のみなさまのベートーベンのだいく・・・感動しました。 ・八丈島の様々な人と交流し、文化に触れられた。 ・車いすで盆踊りは何年ぶりかでした。 コラボ・デ・カレー ・全員で野菜を洗ったり切ったり協力しておいしく食べられたから。 ・目の見えない方が野菜を切ったりするのを見て驚きました。 ユニバーサルスポーツ ・しょうがい、健常問わず、一緒に考え、遊び、楽しめました。 ・工夫すれば何でもできる、アイデアは無限にある、と思いました。 夜のダイバーシティ ・色んな人と酒を飲みながら話すことができて楽しい ・サイレント・バーとバー・イン・サ・ダークは、本当に楽しかった。両方セットで行くとより特徴が感じられた。また違う班の人とも交流できた。 語り ・語りのすばらしさはもちろんですが、2種類の手話を比べて見られたことも良かった。 リズム・デ・ダンス ・カヨコさんを見ていて、ダンスを始めたくなりました。 ・カヨコさんの笑顔が素敵で、こちらまで元気になりました。 バー・イン・サ・ダーク ・自分から声をかけることのできない私たちにとって、ふた晩のバー・イン・ザ・ダークは、多くの人とコミュニケーションできる素敵な場所でした。 ・わたしは聴覚しょうがいなので、ものすごくコミュニケーションが大変でした。それでも通じたときにはものすごく痺れました。 バー・イン・ザ・サイレンス ・いやに盛り上がった。 ・私は手話をひとつもできない状態で参加したのですが、自己紹介の手話を教えてもらったり、筆談でたくさんお話したのがうれしかったです。できるんだーって。バーのみなさんがやってみろ、と後押ししてくれ、しょく手話にもチャレンジすることができました。 ◆改善したほうが良い点 ・ユニバーサルスポーツは総評や振り返りをしたほうが良い。目の悪い人への説明が難しい。 ・確かな情報保障が欲しい。話が早すぎて、手話が読み取れないことがあった。 ・もう少し、自然と戯れる時間があったら、八丈のよさをもっと知ることができたかも。 ・点字のしおりがあるとよいな。 ・自分で食べるものは、自分で作ったほうがいいので、もう少し食事に関わる部分が欲しい。 ・もっと違う班のメンバーとも交流できる場面があってもいい。 ・説明の声がよく聞こえないため、もっとハッキリさせたほうが良い。 ・もう少しプログラムかんの時間をゆったりとってもよいかな。 ・天候的につらい部分もあったので、室内プログラムも検討して欲しい。 ・冷たいものがくればやはり新しいほうを飲んでしまうので、まだ飲みきってないお茶や水がもったいないねって声がありました。 ・車いすの人用のベッドがプワプワ過ぎて、着替えをするのも大変だったと聞きました。 ・最終日に班で感想などを話せる時間が欲しかった。 ・ダイバーシティ・コミュニケーションのテント、参加者100人まで無理やりやれても、これ以上参加者が増えると、あの暑さの中参加できぬ人が増加するのでは。 ◆ほしいプログラム ・ユニバーサルツーリズムという今までとは全く違う3日間はいかがでしょうか。 ・手話を覚えるプログラム ・一緒にモノ作り。絵を描いたり、町に役立つものを作ったり、感性を刺激するようなもの。 ・各日の終わりにその日のプログラムの感想や気がついたことを班ごとで話し合う時間。 ◆テントではよく休めたか ・はい、28人 ・まあまあ、13人 ・いいえ、5人 ◆コミュニケーション ・うまくとれた、23人 ・まあまあ、21人 ・とれなかった、3人 ◆コミュニケーションの方法で気づいたことは ・質問をしたり答えたりする時間がもうすこしゆっくりあったらよかった。 ・とにかく、話してみること。気がついたら、見ているだけではしょうがないので行動すること。 ・コミュニケーションとは考えるより感じること。 ・目が悪い人より、耳が悪い人とのコミュニケーションが難しい。ただし、ユニバーサルスポーツは両方の人とも難しい。 ・まず、相手の話や表情を見ることが大切だと思いました。 ・わたしは視覚しょうがいしゃです。携帯電話のメール機能を利用して、聴覚しょうがいのかたとの会話ができるようになった時は、本当にうれしかったです。 ・手話ができるだけでもダメで、心からコミュニケーションできる人が強いし、ステキだということ。 ・表情やアクション、声の強弱の重要さ。 ・手話が理解できるようになりた。 ・人として普通に付き合えばよい。 ・手話ができなくても表情をわかりやすくしたり、ゆっくり口を大きく動かすだけで伝わりやすくなるのだなぁと感じました。 ◆自分自身の考え方や行動が何か変わりそうか ・このイベントを海外にまで広めたい。世界中の人々がダイバーシティをクリエイティブに考えるための英語のブログを配信したい。 ・自分自身のしょうがいも意識した。 ・相手の立場に立って、人の気持ちのわかる人間でいたいと、強く思いました。 ・何か手伝うことはありますか?と、自然にいえるようになりたい。 ・しょうがいしゃのかたを色眼鏡で見ていましたが、まったく変わらないということが、本当によくわかった。 ・わたしの地元、広島でもなにかきっかけを作れたら・・・と思いました。 ・自分のしょうがいをもっとみなさんにわかるように、自分からPRする必要があると気がつきました。 ・自分の当たり前を押し付けてはいけないと感じました。 ・街でしょうがいのあるかたに会っても、ためらいなく接することができるだろうなと思っています。 ◆八丈島の印象は ・よかった、44人 ・まあまあ、2人 ・つまらない、0人 ・ちょんこめのかた、バスの運転手のかた、空港のかた、キャンプ場のかた、みなさん非常に心温かくフレンドリーな印象を持った。 ・とてもよかったです。温泉のおばちゃんも気さくだった。 ・自然が美しい。ユニボンでの盛り上がりは最高でした。 ・夜の星空がきれいだった。 ・空港についた時から、透き通った空気を感じ、潮の香りや鳥のさえずりや波の音、本当に落ち着きました。 ・どこもとてもきれいで、島や人のへのホスピタリティに溢れていると感じました。 ・火山島のため砂浜が少ないのが残念です。 ・南国なのだけど、でも日本って感じがすごくして、それが心地よかったです。 ・海はすごくきれいでした。浜辺にゴミが落ちていることもなく、町のみなさんが島を大切にしていることが伝わってきました。 ◆八丈島に望むことは ・大自然をこのまま残して欲しい。 ・新しいツアー(外国人や日本人が様々な選択ができる)のアイデアや技術を試すテストゾーンになればよいと思います。 ・八丈の方言をもっと知りたいです。 ・大変だと思いますが、来年もぜひユニキャンを応援して欲しい。 ・空港にネリとか島の野菜がもっとあったらいいな。 ・ハワイや沖縄を感じさせる気候と南国情緒を持っているので、自然と共存しつつも、もう少しマリンリゾート地として再開発しても良いのでは・・・。 ・キャンプ場にはお湯の出るシャワーと洋式トイレ、車いすトイレがあると嬉しいです。 ・夜のダイバーシティに役場のかたも参加して欲しかった。 ◆また参加したいか ・はい、42人 ・いいえ、1人 ・わからない、3人 ◆このキャンプで感じたことや意見をご自由に ・とてもうまく計画され実行されたイベントだと思います。ただ、イベントランナーたちの話が少し長かったかな。もっと班を越えた共同作業や交流があってもよかったのでは? ・参加者の中には1人2人、体操選手とか、陸上選手とか、サッカー選手のような真のアスリートを招待してはいかがでしょうか。来年は中田英寿とかをこっそり呼ぶとか。 ・聴覚しょうがいしゃに限るなら、日本手話、日本語対応手話の各々の通訳者の手配、ノートテイクの準備、(班にはなかなか出てこない)「私がします」に聴覚しょうがいしゃは安堵してくるもの。 ・どんなしょうがいを持っていても、本当にできないことって、実はとても少ないんじゃないかなって思いました。それは、個人個人の努力だったり、周囲の援助だったりするのですが、一人一人の気持ちがあれば、同じ空間で、全ての人が、同じ喜びを分かち合ったり、楽しさを共有できたり、共に悲しんだりできるんだなって思いました。 ・これまで、こんなこと聞いてもいいのか?とか、タブーに思いえるようなことも自然に聞ける空気が作れているオープンな感じは、この活動が続いている証だと思います。 ・今回参加していたしょうがいのあるかたは明るく、悲観的な印象は受けなかった。むしろ健常者である自分自身のほうが小さなことで悩み、自分の行動を必要以上に制限し、小さな世界で生きているように感じた。ただ、今回の参加者のように明るいかたばかりではなく、実際はすごく悩んでいるかたも多いはずである。そういったかたとどのように付き合うかを考えることもとても重要なことなのではないかと感じた。 ・「人はみな同じ生き物だ」 ・「ユニバーサル」に対する聴覚しょうがいしゃの位置づけについて考えさせれました。しょうがいしゃという枠組みで考えれば他のしょうがいしゃと同じ位置づけですが、言語圏という枠組みで考えれば孤立しやすい存在(夜のバーがはっきりと示しており、実際他のバーへ行きづらかった)なので、改善が必要になると思いました。 ・八丈島に行くまではすごく不安でした。このキャンプを通じて、相手のことを本気で知りたいと思いながらコミュニケーションをとるとなんとかなるものだと思いました。 裏表紙 ユニバーサルキャンプは これからも毎年続いていきます… ユニバーサルイベント協会では、ユニバーサルキャンプや、その他さまざまなイベントを一緒に盛り上げていってくれる方を募集しております。 スタッフとして、また協賛や賛助などで一緒にイベントを創り上げてみませんか? 皆様のご参加・ご協力を心よりお待ちしております。 ユニバーサルキャンプ支援パートナー 主に企業などで、ユニバーサルキャンプの実現・普及を以下の面から支えてくださる方 ■資金面での協賛 1口50,000円より ■物品・サービス等の面での協賛 ■研修協賛(ユニバーサルキャンプ参加、事前・事後研修) 1人150,000円 会員パートナー 正会員:本会の目的に賛同し、活動に参加していただける法人・団体または個人 ■法人100,000円 ■個人12,000円 賛助会員:本会の趣旨に賛同し、活動に協力して いただける法人・団体または個人 ■法人50,000 円 ■個人7,000円 協賛・協力パートナー 主に個人、NPO、企業などで、以下の面についてご協力いただける方 ■計画から実施運営までのノウハウの提供、人的支援協力 ■活動を広げるためのネットワーク連携企画・活動などの実施 お問い合わせ NPO ユニバーサルイベント協会 〒108-0075東京都港区港南2丁目12番27号 イケダヤ品川ビル3F ■TEL:03-5460-8858 ■FAX:03-5460-0240 ■E-mail:info@u-event.jp ■URL:http://u-event.jp/ 交通のご案内 ■JR各線「品川駅」徒歩8分 ■りんかい線「天王洲アイル駅」徒歩12 分 ■モノレール「天王洲アイル駅」徒歩8分 以上、報告書終わり