第8回ユニバーサルキャンプ in 八丈島 報告書 2012年11月 全員の集合写真 八丈富士をバックに参加者、約100人が勢揃いしています。 感謝 ユニバーサルキャンプは、多くの方々のお力添えにより実現しました。 【協賛・研修参加企業】 株式会社アイエスエフネット NTTクラルティ株式会社 三友プラントサービス株式会社 株式会社丹青社 株式会社乃村工藝社 東日本トランスポーテック株式会社 富士通デザイン株式会社 株式会社UDジャパン 株式会社リパック 【協 賛】 欧文印刷株式会社 大塚製薬株式会社 KDDI株式会社 シルバーソルテック株式会社 株式会社ゼネラルパートナーズ 東京海上日動火災保険株式会社 東京キリンビバレッジサービス株式会社 東明興業株式会社 社団法人 日本イベント産業振興協会 日本通運株式会社 日本マイクロソフト株式会社 株式会社マルハニチロ食品 YYPJ(手話コミュニケーションサービス) 【協 力】 NPO法人江戸川手話通訳者協会 日本ブラインドサッカー協会 八丈町  朝市会  有限会社沖山興業  有限会社克郎工務店  加茂川会  株式会社大勝組  ちょんこめ作業所  NPO法人八丈島観光レクリエーション研究会  八丈島連合婦人会  八丈電設センター株式会社  三根小学校  三根婦人会  八丈町の皆さん 【後 援】 国際ユニヴァーサルデザイン協議会 社団法人 日本イベント産業振興協会 一般社団法人 日本イベントプロデュース協会 一般社団法人 日本空間デザイン協会 公益社団法人 日本サインデザイン協会 社団法人 日本商環境設計家協会 公益社団法人 日本フィランソロピー協会 ※ 敬称略、50 音順とさせていただきました。 【共 催】 東京都八丈島八丈町 株式会社丹青社 株式会社UDジャパン 【主 催】 NPOユニバーサルイベント協会 ■ユニバーサルキャンプ開催の意図  ユニバーサルキャンプは、ダイバーシティ(Diversity =多様性、すべての人が含まれる)の考え方に立ち、年齢や障がいの有無にかかわらず、参加者へ、そして社会全体へ向けて、「みんなが一緒に活き活き暮らせる社会」への意識を喚起し、行動を身につけることによってユニバーサル環境の普及をめざしています。  そのため、豊かな自然の中で、キャンプという日常生活より少し不便な環境を味わいながら、誰もがそれぞれできることとできないことがあることに気づき、お互いに対等な関係で協力しながらサポートし合うという経験を通して、一人ひとりが尊厳を持つ対等な関係としての自立・自律をめざすとともに、その輪を広げていきたいと考えて実行しています。 【ユニバーサルキャンプの概要】 ・開催日程2012 年9 月15 日(土)〜 17 日(月) ・開催場所八丈島 底土キャンプ場・その他 ・参加者数 100 名=企業研修参加者、一般参加者、スタッフ 24名=八丈島ちょんこめ作業所、総勢124 名 ・ユニボン総勢約200 名(八丈島の方々約70 名) ・主催:NPOユニバーサルイベント協会 ・共催:東京都八丈島八丈町、株式会社丹青社、株式会社UDジャパン 【キャンプ運営のコンセプトとキーワード】 ■ ユニバーサル環境の推進  ユニバーサル環境とは、さまざまな特性を持つ人々が年齢・性別・国籍に関係なく、その特性の違いを認め合い、共に活き活き暮らせる社会環境のことです。 ■ CSR の根っこにはノーマライゼーションがある  これからの企業理念には、企業が社会的責任(CSR = Corporate Social Responsibility)を果たしていくという姿勢の明確化がますます求められてきます。  そのCSR は、ユニバーサル環境が基本に据えられていることが大前提であり、その実現の切り口としてユニバーサルデザインの推進があるのではないかと考えています。 メインプログラム Program1 事前研修 Program2 キャンプ開始・開村式 Program3 ダイバーシティ・きっかけコミュニケーション Program4 ユニ・キッチン Program5 ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション Program6 ユニバーサルスポーツ(ユニスポ) Program7 ユニボン(ユニバーサル盆踊り) Program8 気づきの振り返り・閉村式 Program9 事後研修 ダイバーシティいろいろ ・さまざまなダイバーシティ ・Thank you ・伝え方いろいろ ・さまざまな工夫 ・キャンプあとさき Program1 事前研修 国立オリンピック記念青少年総合センター 特性を知り、伝える方法を学ぶこと。この研修はスタートラインづくりです。 研修参加者 23名 ・日時:2012年8月28日(火)9時30分 〜18時 ・場所:国立オリンピック記念青少年総合センター ・講師:内山早苗、岡村道夫、松村道生、三原毅 ・進行大久保愛子 研修プログラム 1.オリエンテーション 2.講義 3.サポートの基本と実習 4.屋外でのサポート実習 5.グループワーク 6.リーダー研修 7.まとめ ダイバーシティの重要性を考える 現在の社会は少子高齢社会です。その時代に突入したからこそ、さまざまな人々が働きやすい環境をつくることが必要になります。 講義は当協会代表理事でもある内山早苗。ダイバーシティを理解し、受容することで、その実現の切り口としてユニバーサルデザインの推進や、企業が果たす社会的責任についての重要性を講義しました。 体感することでコミュニケーションの多様性を学ぶ 今回の実習の講師は実際、障がいを持つ当協会理事の3人です。  まずは、聞こえない三原講師が手話による「聞こえない人へのサポートの基本」という講義と実習を行いました。 実際、口話を使用せず、相手に伝える方法を参加者に求め実践してもらいます。物を使わず身振り手振りで説明しようとすればするほど考えこんでしまい、固まってしまう方もいました。  伝えることのむずかしさ。読み取ることの大変さ。その上で伝える手段には口話だけでなく、手話、ジェスチャー、空書きなどがあり、コミュニケーションには多様性があることを学びました。  次は、見えない松村講師による講義とサポート実習です。   見えない方の社会における現状についての講義ののち、昼食時間では参加者はアイマスクを付けてランチをとりました。クロックポジションという時計の文字盤に置き換えて、3時にサラダ、7時にスープ、6時に箸がありますなどの説明を受けることから始まります。アイマスクをした人は視野を遮られ、説明者の声を頼りに手探りで箸をとり、食べ始めます。「いつもスムーズに口に運ぶ食べ物の味が違うような気がする」。なにもかも確認しながらの食事。自分の動作がゆっくりになっていることに気づく方もいました。  次は、アイマスクを付けた状態で白杖を使って屋外を歩く実習です。横についているサポートの方の説明に耳を傾け、歩調を合わせます。サポートする側の周囲の状況を説明する重要さ。音声だけの世界に戸惑いながら、お互いの信頼関係の大切さについて学ぶ時間となりました。  最後は車いすの岡村講師によるサポート実習です。  教室で基本を学んだ後、車いすに乗って屋外へ。まずは自力走行を体感してもらいます。車いすに乗ると気づくバリアの多さ。きれいに見える敷石はでこぼこしていて通りにくい。ブロックのあちらこちらにある小さな段差にもつまづいてしまう。小さな穴に車輪が空回りして前に進めない。ユニバーサルデザインの重要性について学びました。 支援型リーダー研修      班行動が基本のキャンプでは、例年、研修参加者の方々に班のリーダーをお願いしています。  多様な人が共に働く組織でますます必要とされるのは「支援型リーダー」。自らがチームの下支えとなり、より多くの人の持てる力を引き出し、成果を上げるリーダーが求められています。キャンプでは、その役割を担っていくことで、サポートの重要性やダイバーシティの理解を深めてもらえる体験型のプログラムが多数用意されています。この研修でスタートラインに立った皆様がキャンプではメンバーと共により多くの気づきを引き出すリーダーとして新しい体験を通じ、その輪を広げていただくことを目的としております。 写真1:内山講師の講義の様子。 写真2:屋外に出て車いすのバリアを体感します。段差を乗り越えるサポート練習です。 写真3:アイマスクをつけて階段を降ります。サポーターと白杖が頼りです。 写真4:聴覚の方とのコミュニケーションの仕方について講義を行う三原講師 写真5:屋外での車いす走行。実際に乗ってバリアを体感します。 写真6:教室で段差を乗り越えるポイントを教える岡村講師 写真7:アイマスクをつけてランチ。向かいの人がクロックポジションで食べ物の位置を伝えます。 Program1終わり Program2 キャンプ開始・開村式 底土キャンプ場 開村式前のテント張りから生まれる一体感。フライト時のアテンド。ここからキャンプは始まっています。 プログラムの流れ ■ 1日目 ・ 開村式・ ダイバーシティ・きっかけコミュニケーション ・ ユニ・キッチン ・ 夜のダイバーシティPART1 ■ 2日目 ・ 朝のユニバーサルウォーキング(ユニウォーク) ・ 朝の集い ・ ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション ・ ユニバーサルスポーツ(ユニスポ) ・ ユニボン(ユニバーサル盆踊り) ・ 夜のダイバーシティPART2 ■ 3日目 ・ 朝のユニバーサルウォーキング ・ 朝の集い ・ テント片付け ・ 気づきの振り返り ・ 閉村式 始まりのプログラム      1便組の22人が、ユニキャン本拠地底土キャンプ場に到着しました。今年は3連休ということもあり、フライトチケットが取りづらく、前日から島に入ってくださった方、船で来られた方もキャンプ場に集合。総勢60名でテント張りです。スタッフからテント張りのレクチャーを受けて、初めての共同作業です。  最初は遠慮がちだった参加者たちも、テントもベッドの組み立ても、協力し合って完了しました。さすが亜熱帯区八丈島。眩しい太陽、止まらない汗。だけど、この大変なテント張りを体験してこそのユニキャン。この共同作業でぐっと仲間意識が深まります。 また、2便組ではアテンドプログラムを体験してもらいました。どのようなサポートが必要なのか、そうでないのか。初対面でお互いに緊張しながらのコミュニケーションです。  皆さん、いらっしゃいませ! 開村式            2便参加者も無事到着し、総勢100名の参加者が集まったところで、ユニキャン村の内山村長の挨拶でキャンプが始まりました。  司会進行のマッキーとはざまりが、八丈町長の山下さんと産業観光課の皆さんの紹介をして、島の方々に支えられているユニキャンを実感。  温かい島の方々と、4人の手話通訳者を含む19人の裏方、そしてまだ緊張気味ながら、ドキドキワクワク顔の主役の皆さんが揃って、第8回ユニバーサルキャンプが始まったのです。 感謝の思い          もっと当たり前に誰もが活き活きと社会に参加できたら。もっと多くの、さまざまな特性のある人と友だちになって、一緒に活動して、多様性を実感してほしい。その気づきを自分の生活や仕事に生かしてもらえたら・・・ユニバーサルキャンプは、そんな思いから生まれました。  今年も、たくさんの企業の方、地元八丈島の方、本当に多くの方々のお力添えを頂き、またこのキャンプに参加して下さる皆様により、第8回ユニバーサルキャンプが実現いたしました。心より感謝申しあげます。 写真1:車いすのユースケさん。テントをどんどん組み立てていきます。 写真2:開村式でご挨拶頂いた山下町長 写真3:みなさんの協力で出来上がったたくさんのテント 写真4:飛行場でのアテンドサポート。朦朧の乱歩さんとかおるさん 写真5:全盲の隊長と聾のつよしさん。一緒にテントを組み立てています。 写真6:すべてのテントが出来上がっていよいよ開村式。これからのプログラムに皆さん、ドキドキワクワクしています。 Program2終わり Program3 ダイバーシティ・きっかけコミュニケーション 底土キャンプ場 バリアがある場所で行われるダイバーシティ体験で特性を理解し、コミュニケ―ションの幅を広げましょう。 まずは基本から        いよいよ、キャンプのプログラムがスタートしました。今回も「肢体」「視覚」「聴覚」など、さまざまな特性のあるメンバーと共に3日間を過ごします。キャンプ場という不慣れな環境に身を置くことで、感覚を研ぎ澄ましながら、サポート体験を行います。アテンドの基本を教えてくれるのは特性のある当事者です。  ダイバーシティとは、多様性の享受。つまり違いを受け入れること。誰もが違って当たり前。まずは、その「特性」を知ることから始まります。 車いすの世界      キャンプ場では、草や石など車いす利用者にとっては、多くのバリアがあります。そこで、八丈町から車いすをお借りしてサポート練習を行います。  車いすの世界の主人「猪狩さん」に、押し方や注意することを教えてもらったら、2人1組になってキャンプ場を実際に移動してみます。  足の裏に優しい芝生も、車いすでは正反対。グッと力が必要になります。段差を越えることに夢中になって、声掛けを忘れ「怖い!」と言われてハッとします。「後ろに傾きますよ」と声を掛けながら、ステッピングバーに体重をかけ前輪を上げていきます。サポートとはやり方だけではなく、コミュニケーションが大事だと気づく瞬間です。 音と感覚で視る世界      夜になってテントサイトが真っ暗になったら、あなたは自分のテントにたどり着けますか? そんな時は視覚障がい者に連れて行ってもらうのがいいかもしれません。実は視覚障がい者のテントの周りには、独りでも移動できるように誘導ロープを設置してあります。  視えない世界の主人「松村さん」に、視覚障がい者へのサポートの仕方を教えてもらい、2人1組となったら誘導ロープを手繰って自分のテントを探しに行きます。  アイマスクをしたら、あとはアテンド役に身も心も任すだけ。ですが慣れないうちは指示を出すほうもしどろもどろ。なんとか誘導ロープにたどり着いて、実際に触れて、視覚障がい者の感覚のすごさを実感した人もたくさんいたようです。  視えない人は、「○メートル先を右に曲がります」など、先を見据えたコミュニケーションが大切なのです。 目と心で聴く世界       キャンプ3日間を通して、「みんなに真剣に考えてもらいたい!」という難聴の丸谷さんの熱い思いを寸劇に託し、ろうスタッフ総出で大熱演したコミュニケーションの世界。  「どんなに頑張っても話の輪に入れない!」「みんなと共感して一緒に笑いたい!」、言語障がいのあるマッキーも続きます。「聞き取れなかったら何度でも聞いて欲しい。分かったフリはしないで!」  一見簡単なことのように感じます。頭でも理解できています。それでも実践するのが難しい聴覚障がい者とのコミュニケーション。  そのためのスキルとして筆談や口話のコツを教わり、いくつかの手話単語を覚えましたが、これから3日間フル稼働させるのは、コツではなくてハートなのです。  きっかけコミュニケーションは基礎中の基礎のプログラム。ですが、ダイバーシティは実際に体験を重ねることが大切なのです。 写真1:キャンプ場のサポートレッスン。アイマスクをつけたり、車いすに乗って場内を歩行します。 写真2:バリアの多いキャンプ場。車いすで乗り越える体験をする皆さん 写真3:全盲の隊長とつとむさんの2ショット。後ろのほうでホーリーさんがポーズをとっています。 写真4:芝生の上は車いすを押すのに力が入ります。 写真5:目と心で聴く世界。金八先生の劇でコミュニケーションの取り方を伝えています。 Program3終わり Program4 ユニ・キッチン 底土キャンプ場 一緒につくり、一緒に食べる。島のちょんこめさんも加わって、チームの強力な接着剤となる夕食づくりです。 今年は、八丈まるごとパエリア!!  魚介、タマネギ、ピーマン、シメジ、ゴーヤ、ネリ(八丈島のオクラ)、そしてサフランライスに代わり明日葉ライス。  どんな色になるのか、そしてどんな味になるのか、大きな期待と少しの不安から会場がざわつきます。  調理を始める前に、まずはユニキャン料理長の橋本さんから調理手順の説明。そして、メンバーで作戦会議。ルールは全員参加。  立候補やリーダーの仕切り、役割の決め方もチームによってさまざま。  今日会ったばかりの仲間でも心は一つ。みんなでおいしいパエリアをつくろう! この思いがチームメンバーの距離を近づけます。 いざ調理開始         今年も全盲のエリンギさんはさくさく野菜を切っていきます。あまりの手 際の良さから、周りはエリンギさんのモノを感じる感覚の鋭さにびっくり。 お互いに独りでできること、協力し合ってできること。夕食づくりに夢中になりながらも、大切な気づきがきらりと光ります。  「私は火の様子見てくるね!」「どこかの班から白ワイン借りて来て〜!」楽しくスピード感あふれるキッチンには、自然とジェスチャーや手話も飛び出します。  さぁ、できあがり。味はどうかな?みんなで悪戦苦闘しながらつくり上げた、八丈まるごとパエリア。できあがりとともに上がる歓声、班のメンバーとのハイタッチ、底土キャンプ場にいい香りと笑顔が充満! みんなでつくった料理だから、どれもおいしいはずです。  できあがった八丈まるごとパエリアにサラダとライチゼリーを添え、調理終了!  おこげまでしっかりとり分けて、班のメンバーで分け合って食べました。  みんなで話して夢中になって、いつもよりたくさん食べられるのが不思議です。 心を開くきっかけづくり    食べ終わったら大切な後片付け。ユニ・キッチンを通してチームの絆が強くなり、協力し合い、効率よく片付けます。今回の調理に欠かせなかった30数個のフライパン、これは島の婦人会の方々が貸してくださったものなので、洗う手にも自然と力が入ります。  そしてユニキャンも8回目。言われなくてもゴミゼロ、全部お腹の中へ。ピーマンの種やタマネギの皮は?そう、炭火の中へ投入です。見事な連携プレー。数時間前に初めて会ったとは信じられない仲間との空間の出現。これぞユニキャンなのです。 写真1:料理の様子。手前にあるフライパン、裏には汚れが取れやすいよう皆さんにお渡しする前に魔法の粉が塗ってありました。 写真2:エリンギさんのみじん切り。こまかくてキレイ! 写真3:パエリアのサイドメニューはサラダ。100人分は量も半端ないです。 写真4:おいしそうなシーフードパエリア。あしたばふわふわ削り節を入れて、八丈ならではのパエリアが出来上がりました。 写真5:デザートのライチゼリー。マルハニチロ食品さんの協賛です。 写真6:パエリアと一緒にはい、チーズ!お腹ペコペコだけど出来上がりに大満足の皆さん。 写真7:コンロの代わりにドラム缶に炭をおこして料理しています。 写真8:流し台の様子。班で分担して作業にあたっています。 写真9:マルハニチロ食品さんのサケ缶。ごはんのおともにお世話になりました。 Program4終わり Program5 ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション 三根小学校校庭 聞きたいこと何でも聞いてしまいましょう! 多様性を知り、他者との違いに触れたとき、参加者は何を発見するでしょう。 違いからの発見        ダイバーシティとは、多様性の享受。誰もが違う、誰もが何かを持っている、みんな違うのだから、障がいも特別なことではない……。  そんな観点から、他者との違いを知り、その能力に気づき、コミュニケーションや行動を工夫するきっかけをつくる。それがダイバーシティ・コミュニケーションプログラムです。  音、動き、光、関わり、UD、八丈という名前のついた6つの部屋に分かれ、見えない人、聞こえない人、手足の動きに不便さがある人、八丈で暮らす人などそれぞれの特性を持った方にその部屋の主人になっていただき話を聞きます。  今年の会場は三根小学校校庭。鮮やかな緑の芝生にオレンジ色のテントが6つ。このテントが主人の話を聴く部屋です。障がいのある人に障がいのことを聞いたら失礼なのではないか? けれど、お互いのことを理解しなければ、心から関わることはできません。大切なことは他者との違いを知ること。それがスタートラインです。 どっぷり知る         「皆さんの考えるダイバーシティとは何でしょうか? 皆さんの考えるユニバーサルなデザイン、バリアフリーな社会とはどのようなことでしょうか?」という、形成不全による下肢障がいのあるゆうすけさんの問いかけからこのプログラムは始まりました。  「それらの言葉が示す意味は、たいていの人が同じ回答をすると思いますが、実際の言葉からイメージする内容は人によってさまざまだと思います」  ゆうすけさんは社会や個人など、視点によってさまざまな意見があると言います。  「私は見た通り障がい者です。車いすで生活しています。不便なことはたくさんありますし、したいことの多くを健常者と呼ばれる人より諦めて人生を過ごしてきました。人々の障がい者への理解が進み、さまざまなインフラが整備された今でも、私自身は『障がい者の障がいはやはり障がい』というふうに捉えています。それは私の生き方でもあり、トラウマでもあり、私自身の芯となる変わらぬ事実として存在していると考えています」  「今日これから各部屋の主人の方にお話いただく内容は、部屋の主人の方の特性に基づいた内容です。新しい発見であったり、共感できる部分、できない部分など多くの気づきを得ることができると思います。ぜひ、これから聞く話に耳を傾けて、八丈島から戻った後もその気づきを大切にしていただければと思います」  「人それぞれ違う」という言葉はよく耳にする言葉ですが、顔と顔を合わせ、その人の話をじっくり聞くという経験は言葉に実感を与えます。皆さんの話は、それぞれに歩んできた人生があり、障がいの有無にかかわらず、すべての人が違っているのは当たり前のことなのだということに気づかせてくれます。  ダイバーシティ・コミュニケーションを通じて多様性を受け入れ、多くの気づきを得ることができました。大切なことはこれからこの経験を活かし、工夫し、知恵をしぼること。私たちにできることは商品やサービスに対しても従来とは違った発想で、新たなイノベーションへとつなげていくことです。  炎天下、3時間にわたるどっぷりコミュニケーションでしたが、「時間が足りなかった」との声も多いこのプログラム。これからもキャンプの目玉として、進化しながら進めていきたいと思います。 写真1:三根小学校の校庭。オレンジのタープテントがさわやかな風にはためいています。 写真2:車いすユースケさんの開会の言葉。 写真3:テントの下に輪になって主人の話を聞いている皆さんの様子 写真4;どっぷりの進行表。班ごとに20分づつ主人の話を聞きます。 写真5:主人の特性についてどっぷりと聞きましょう。ユースケさんが皆さんに語りかけます。 1、音の部屋 聴覚障がいの方の話を聴く部屋  「高校生になるまで手話を知らなかった」と話すコナンさん。「しゃべるためにお菓子を舌の上にのせて舌を矯正する」という厳しい訓練をしたそうです。現在、手話を普及する活動をされていて「聴覚障がい者のために手話を広めていくことが自分の仕事だと思っている」と語ってくれました。  ホリーさんは外見上、障がいがあることが分かりにくいという話から、仕事をする上で「聞こえない」ということをはっきり伝え、強調しているとのこと。「メールや筆談にして間違いを防いでいる。情報は少なくなるかもしれないけど、必要な情報は必ず教えてくれるよう配慮してもらえる」         (主人6名) 写真:オガさん、コナンさん、ホリーさん 2、UDの部屋 UD分野や、障がい者雇用の分野に尽力されている方が主人の部屋  UDの先駆者や障がい者雇用に尽力されている方などが主人となります。  UDとは、すべての人が特性の違いにかかわらず、一緒に利用できる安全で快適なモノ・建物・空間・サービスをデザインするという考え方です。もちろん、形あるものだけではなく、その活動や考え方も含まれます。特例子会社で働くレオさんは自社の取り組みについて話してくださいました。「業務が自立に結びつくようにしている。会社と支援センター、出身学校、家庭の4者が連動して自立を支えるシステムをつくっている」  また、色覚障がいのナベさんの話を聞いて自分もそうなのではないか、と気づいた方もいました。(主人6名) 写真:ユダさん、ナベさん 3、関わりの部屋 多様な特性に気づく部屋   内部障がいを持っているケンコバさんは、以前住んでいたサイパンの話と絡めてUDやダイバーシティの話をしてくださいました。また、内部障がいは人によって配慮が異なるだけでなく、外見では判断しにくいため、周りからの配慮がなかなか得られない」とのこと。まだまだ社会全体の認識が浅いことを痛感しました。  手話通訳やカウンセリングに従事している大瀧さんは、ご自身の体験談や自分自身を知る大切さについてお話しくださいました。(主人6名) 写真:ケンコバさん、ユミコさん 4、動きの部屋 肢体に不便さのある人の話を聴く部屋  車いすバスケット選手であるそえちゃんはなんとシドニー大会の銅メダリスト! 「バスケットがあるから積極的になれた」「遠慮してしまうのはダメで、前に出ていくべきだと思う。知られることが大切」と語ります。  関西出身のさかべっちさん。「車いす生活になって失ったものは山ほどあるが、得たものも多い。人の温かみや優しさに気づいた。中でも家族の絆が強くなった」  最も大変なことは? という質問に「階段」と答え、「東京は段差が多い」そうです。(主人6名) 写真:添ちゃん、サカベッチさん、アヤコさん  5、八丈の部屋 八丈島について語ってもらう部屋  暖かい八丈島の温かい方々に支えられて無事第8回を迎えることができたユニバーサルキャンプ。この島のこと、島の人のことをもっと知りたい!  林さんは八丈島の史跡について、玉井さんは11年前に家族で移住した経験を話してくださいました。  山梨出身の神宮寺さんは耳が聞こえず、はじめはコミュニケーションをとるのが大変だったけれど、持ち前の明るさで、すぐに島になじむことができたそうです。写真を見せながら、「きょん(シカ科)」や「フリージア」といった八丈島の魅力を紹介してくださいました。(主人4名) 写真:林さん、神宮寺さん、玉井さん 6、光の部屋 視覚障がいの方の話を聴く部屋  「小さい頃はとても活発で普通の子どもと同じように走りまわって遊んでいた」と話す全盲のサクさん。  「白杖以外の歩く時の手掛りは音。障害物があると反射して距離がつかめる」との言葉に驚きの声。「匂いも重要。食べ物屋の匂いを手掛りに場所を特定する」そうです。さらに家探しの大変さも語ってくれました。「段差や火事などの危険を考えて、なかなか部屋を貸してくれず大変だった。でもその危険を誰よりも知っているのは視覚障がい者である自分。それを理解してもらえず、あっさり断られてしまうのが悔しい」とも。  「視覚以外の感覚が研ぎすまされている。自分にもその力があるのに使っていないのかも」という感想が出ました。(主人3名) 写真:サクさん、隊長、エリンギさん Program5終わり Program6 ユニバーサルスポーツ(ユニスポ) 三根小学校校庭 誰でも楽しめるスポーツへのアイデア。一人ひとりの特性が光るプログラム。 ユニスポとは・・・      ユニバーサルスポーツとは、障がいや年齢にとらわれず、そこにいる誰もが一緒に楽しめるスポーツを提案し、実施することです。今回は、視覚障がい者のサッカー「ブラインドサッカー」のボールを日本ブラインドサッカー協会からお借りしました。転がすとカラカラと音が出るサッカーボールを使ってユニスポに挑戦します。  班のメンバーは、聞こえない人、見えない人、車いすの人、球技が苦手な人、力が強い人、力が弱い人、すぐやりたい人、じっくり考えたい人、遠慮がちな人……などさまざま。今年は、どんなユニスポが誕生したのでしょうか。 さぁ、ユニスポに挑戦     各班に「サッカーボール」「カラーコーン」「車いす」を用意。  「車いす利用者はどのようにすればスポーツを楽しめるのか」「視覚障がい者と聴覚障がい者は一緒にスポーツができるのか」。今までのプログラムを通して、それぞれ感じたこと・気づいたことを班のみんなで意見を出し合い、試行錯誤しながら各班でユニスポを考案しました。  三根小学校の美しい芝生の上で5班ずつのA・Bのグループに分かれて、いよいよユニスポの発表です。  サッカーボールを使用するからといって蹴ることばかりに固執せず、投げてみたり、ボールをリレーのバトンに変えてみたり。サッカーの固定観念にとらわれない班もあり、さまざまなユニスポが考案されました。  今年は、ユニスポ大賞を決定するため、ユニバーサルスポーツ・コーディネーターの資格を持っているメンバーが審査に当たります。 ユニスポ大賞!        各グループのユニスポ大賞が決定! ○Aグループは・・・・・4班の「YOU&I GAME(レディガガもびっくり!)」  決められた距離で、制限時間内に何回パスができるかを競います。特性に合わせながら、反対側にいる仲間にボールを渡します。相手を呼んだり、いる場所を教えたり、コミュニケーションが大切になるスポーツです。 ○Bグループは・・・・・7班の「コーン聖火リレー」  コーンをひっくり返し、中にサッカーボールを入れ、それをバトンに見立てリレーをします。力のある人は聖火のように掲げ、車いすの人はヒザに乗せゴールを目指します。チームの団結力と協力が大切になるスポーツです。  メンバーの特性をお互い分かり合うことが土台となるユニスポ。考える過程、実際に行う過程のどちらもが大切な要素なのです。お互いの理解とチームワークの深まりを実感したプログラムでした。 水分補給しましょう!  暑い屋外で行われるプログラム、水分補給は欠かせません。脱水や熱中症予防のため、水分はたくさんとっていただきました。 また今年は、島の玉置さんが貸してくださったかき氷マシンが大活躍!  イチゴやレモンのシロップをかけたかき氷は大好評でした。 ■ユニバーサルイベント協会では、ユニバーサルスポーツ・コーディネーターの養成、認定を行っています。詳しくは当協会までご連絡ください。 写真1:コーン聖歌リレー発表の様子です。 写真2、3、4:ボールとコーンを使ってみんなで競技を考えています。 写真5:突然の雨。雨宿り中でも皆さんで一生懸命話し合っていました。 写真6:音の出るサッカーボール 写真7:東京キリンビバレッジサービスさん協賛のアミノバイタル 写真8:いなちゃんが持っているかき氷。カラフルで美味しそう! Program6終わり Program7 ユニ盆(ユニバーサル盆踊り) 三根小学校体育館 島の人たちと一緒に飲んで、食べて、歌って、踊って。笑顔がはじける最高の島時間。今年もユニ盆は一体感に包まれました。 八丈島の方々とのつながり   「地元の方と交流を深めたい」「八丈島の特産品を味わえる場が欲しい」。そんな願いに快く応えてくれた八丈島の皆様が、会場の用意から始まり、屋台の準備や催し物など、さまざまな準備を行ってくださってユニバーサル盆踊りが今年も開催されました。  また、関係者の方以外にちょんこめさん、八丈高校の方など、多くの島の方々もユニ盆にご参加くださいました。皆様のご支援とご協力と笑顔に心から御礼申し上げます。事前に配られた島寿司をはじめ、屋台ブースでは三根婦人会、朝市会、山田屋さんが用意してくださった八丈飛魚のすり身揚げ、明日葉の天ぷら、ネリや島唐辛子、パッションフルーツやマンゴー、島焼酎など、普段はなかなか食べられないもの、飲み物がズラリ。手づくりのお土産コーナーもあり、屋台にはたくさんの行列ができました。途中、今回の会場を快くご提供いただいた三根小学校久能校長先生に飛び入りでご挨拶をいただきました。 会場もヒートアップ!    今年のユニ盆の会場は三根小学校体育館。思い思いの場所でおいしいものを頬張ってお腹が満たされた頃、内山村長の挨拶に始まり、演目がスタートしました。 八丈島連合婦人会の皆さんが、浴衣に黄八条帯で登場すると、盆踊りムードが一気に高まり、町村合併30年を記念した「八丈音頭」と「炭坑節」で踊りの輪が広がります。加茂川会の皆さんには、「しょめ節」や珍しい「足踊り」や「なじょまま」もご披露いただきました。そのかわいらしい動きに拍手喝采。その後の「八丈太鼓」では全盲の松村隊長や、ろうのコナンさんが飛び入り参加。その素晴らしいバチさばきとパフォーマンスに会場のボルテージは更に上がります。次々と参加者が加茂川会の方の指導を受けながら太鼓をたたき始めました。 次のプログラムでは歌手であり、キャンプ参加者の水戸真奈美さんによる手話歌が披露され、その歌声に聞き入りました。また、その手話に皆さん見よう見まねで挑戦しました。 フラダンスチーム「コウリマナニエ」の皆さんの華やかな衣装と素敵な笑顔には会場もうっとり。踊りを教えてくださり、体育館に集まった人々も加わっての大フラダンス大会と化しました。  トリは水戸さんが「手のひらを太陽に」の手話を皆さんに教えてくださり、手話を行いながら大合唱しました。 その間、参加者の皆さんのもとへ、婦人会の方々が加わって、飲んだり、食べたり。笑顔の交流がありました。また、八丈島に旅行に来ていたイギリス人の男性は、ユニ盆のことを聞きつけて急きょ参加してくださいました。  多くの方々との交流。これほど嬉しいことはありません。誰の顔にも笑顔があって、最後に婦人会連合会持丸会長の「ユニキャンを毎年楽しみにしており、年々多くの気づきをいただいています」とご挨拶いただき、今年もユニ盆は幕を閉じました。 写真1:村長開会のあいさつ 写真2:三根小学校の久能校長先生の飛び入り参加のごあいさつ 写真3:コナンさんと隊長で八丈太鼓のコラボレーション 写真4:まなみさんの手話歌 写真5:手話歌を皆さんみようみまねで挑戦です。 写真6:盆踊りから皆さん総立ちで参加している様子です。 写真7:フラチームのダンス。更に花を添えて下さいました。 写真8:お皿を持って踊る乱歩さんとつよしさん 写真9:八丈名物足踊りに拍手喝采 写真10:プログラムの合間の歓談中の写真。島の方の話を皆さんで輪になって聞いています。 Program7終わり Program8 気づきの振り返り・閉村式 底土キャンプ場 今年も心おどる多くの出会いと、新しい自分と出会ったような気づきと感動が生まれました。 また来年もここ八丈島で会いましょう。       すべてのプログラムを終えると、振り返りの時間です。あっという間だったけど、さまざまなことがあった3日間。その都度書き込んだ「気づきのファイル」を読み返し、各自あらためて気づきの整理をします。  話しかけることさえ戸惑った初日がウソのように、お互いの特性を受け入れている自分に気づきます。 ・まずは自分から声をかけることが大切。 ・頭で分かっていることと、体験することは全く違う! ・受け入れること、分かり合うこと、尊重し合うことがどういうことか、プログラムを通じて実体験できた。 ・相手のことを知ろうとすれば、分かり合うことができる。 ・何度参加しても気づきは得られる。変化や違いに気づく目を磨くことが大事。 ・日常生活に戻った時が本当のスタート。まずは職場で気づきを活かしたい。  身振り手振りや筆談、要約筆記などを交え、八丈島の太陽よりも熱く語り合った振り返りの時間。キラキラした笑顔と感動の涙。もう少し一緒にいたい、という思いも共有しつつ、最後の島時間を過ごしました。 閉村式            第8回ユニバーサルキャンプ、2泊3日の全プログラムも閉村式をもって終了します。  「キャンプで得た多くの気づきを一人ひとりが外に発信していくことが大切です」と内山村長。  「来年もまた皆さんが来ることをお待ちしています」。八丈副町長の持丸さんと産業観光課の皆さんも駆けつけてくださいました。   今回のユニバーサルキャンプでMCを担当したマッキーは、脳性麻痺による両上下肢の機能障害、言語障害という特性があります。彼は、キャンプのMCだけではなく、プログラムの企画から準備、時には実行委員長と八丈島まで打ち合わせに行くなど、キャンプにかける思いは人一倍でした。キャンプが始まるとMCの仕事に奔走しました。役割を全うするため、キャンプの期間は常に参加者に目を配り、プログラムの進行の確認や修正を行い、最後までMCという大役を務めあげました。 ”キャンプを成功させたい“ その思いがついに実を結び、マッキーの目からは涙が・・・。  一緒にMCをしながら彼を支えていたはざまりがマッキーの肩に手を添えます。会場に感動の渦が巻き起こり、第8回ユニバーサルキャンプのフィナーレ。  ”八丈島、ありがとう!  島の皆さん、ありがとう!  参加者の皆さん、ありがとう!“  真っ青な空と海に向かって、高橋実行委員長の音頭で揃って手を打ち鳴らします。感謝の気持ちを拍手に込めて「また来年会いましょう!」  さまざまな気づきと思い出を胸に、底土キャンプ場からいつもの場所へと帰っていきます。 3日前とは違う自分に少し誇らしくもあり、内省もあり。それぞれの新しい明日が始まります。 写真1:おのおの気づいたことを付箋に書いたり伝えたりして意見を出し合います。 写真2:欧文印刷さんの書いても消せるノートで進行を確認するMCマッキー。 写真3:班ごとにキャンプの気づきをまとめている様子 写真4:前に出て班の気づきを発表するヒロシさん 写真5:みんなで集めた気づきはPCで確認 写真6:要約筆記を行ってみんなで気づきを共有します。 写真7:閉村式。持丸副町長のご挨拶 写真8:楽しかったキャンプも終わりです。 写真9:MCのマッキーとはざまり。大役を終えてスッキリした顔でハイ、チーズ! Program8終わり Program9 事後研修 国立オリンピック記念青少年総合センター キャンプでの体験や気づきを共有・整理し、社会の、そして企業の一員としてどのように活かしていくかを考えます。 ■研修概要 研修参加者 25名 ・日時:2012年9月26日(水)9時30分〜17時00分 ・場所:国立オリンピック記念青少年総合センター ・講師・進行:内山早苗 ・研修プログラム  1.気づきの共有  2.講義〜企画立案について〜  3.ワークショップ〜商品・サービス  の企画立案 気づきの共有          事前研修と同じ班に分かれ、キャンプ中の体験から得た個々の気づきを共有。コミュニケーション、サポート、特性、環境等、幅広いカテゴリーから気づきを出し合いました。 ・相手のことを知ろう、相手に伝えようとする気持ちが大事  ・普段どおり、頑張らないことがあるべき姿(気遣いすぎるのは逆に負担を与える)  ・特性の種類や程度は人それぞれ(特性=個性)  ・知り合う「キッカケ」が大切(短期間で色んな人と知り合えて、分かり合えた)  気づきを企画へ       参加者の仕事や社会への関わり方はさまざま。それらを共有した時、新しい発想や気づきが生まれます。  事後研修では、キャンプでの体験や気づきを元にその一例として商品・サービスの企画を立案するワークショップを行います。 講義〜企画立案について〜 「企画立案の基本」、「課題の照射」、「企画のポイント」について ワークショップ〜商品・サービスの企画立案〜 班で共有した気づきや他の班から得た新たな気づきを基に「あったらいいな!商品やサービス」を企画。  結果            ●1班 『ユニクリ』  場所を問わず、掃除を行う活動。公募で参加者を募り、集まった参加者と一緒に会社の周り、街中など掃除を行う。掃除を通して、障がいの有無、国籍、老若男女関係なく、「その場をクリーンにする」という目的に向かい、一致団結し、絆を深める。 ●2班 『フィーリングミュージアム』  五感の一部が奪われた状態を体験できるミュージアム。特性の種類や程度はさまざまであるため、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の一部を失った状態に陥るとどのようになるのか体験できる。体験を通して、ダイバーシティの理解を深める。また、ミュージアム内に「コミュニケーションの場」を設け、イベントを開催し、いろんな特性を持った方々と交流する。 ●3班 『i(eye)glass』  話す言葉や手話の動きが吹き出しで見ることができるメガネ。ろう者とのコミュニケーションが個対個でしかできなかったという気づきから生まれた発想。i(eye)glassがあれば、ろう者とのコミュニケーションも個対複数で行うことが可能になる。 ●4班 『UNIRING(ユニリング)』  一目でその人の特性が分かるリング。特性が一目で分かり、ヘルプ機能がついているため、「助けてほしい人」と「助けることができる人」をマッチングすることができる。ユニリングとヘルプを受信するアプリを使い、より助けやすく、より助けられやすい社会の実現を目指す。   どの班も知恵と工夫の活かされた素晴らしい発表でした。企画の発想やユニバーサルデザインに対する意識の高さ、ユニバーサルキャンプを通じて参加者の意識が大きく変わったことを実感する事後研修でした。 写真1:キャンプ中は班がバラバラだったため、意見を共有して更なる気づきを深めています。 写真2:2班発表の様子 写真3:気づいたことをさらに共有したところであったらいいな商品を考えています。 写真4:どういった商品を作り普及させていくか。 写真5:具体的な商品の説明も加えて発表を行います。 写真6:3班発表の様子 Program9終わり ダイバーシティいろいろ さまざまなダイバーシティ ■ユニバーサルウォーク  朝は「ユニバーサルウォーク」。朝露に濡れるハイビスカス、しっとりと緑を濃くするフェニックス。凛とした空気の中、目にするすべてが清々しい八丈島の朝。きらめく水面に目を細め、潮の香を胸いっぱいに吸い込んで、さあみんなで出発です。  キャンプ場を飛び出し、班の枠も越えて、色々な人とコミュニケーションを楽しむひと時。のんびり歩けば初対面の人とも話が弾み、仕事の話、恋の話、いきなり深い話で盛り上がれるのはキャンプ効果でしょうか。  突然のスコールに走り出そうとしてハッと振り返ります。白杖の人、車いすの人、大丈夫? まぁ濡れてもいいか、みんなで一緒に歩こう。昨日までの自分とはちょっと違う心の変化に戸惑いながらも、なんだか嬉しいひと時となりました。 ■フォトコンテスト  今年はトライアルでフォトコンテストを実施! 八丈島とダイバーシティをテーマに撮っていただきました。今年の優秀作品はよっぱさん。作品はフェイスブックにアップしました。  おめでとうございます! ■バー・イン・ザ・サイレンス  ここは、音声会話禁止のコミュニケーションバー。手話に筆談、身振り手振りで伝え合います。次々と会話の輪が広がりマスターたちも大忙しです。  「伝えたいという気持ちが大切だということがわかりました」「もっと手話が上手になりたい」「楽しくお酒が飲めた」「伝えたいことが伝わってよかった」  静かで熱いバーは今年も大盛況でした。  毎年恒例の夜のダイバーシティ。キャンプ場がさまざまなバーに! 昼間の気づきをさらに深めます。 ■バー・イン・ザ・ダーク  ここは全員見えないマスターのバー。テントの横の真っ暗な場所に今年も開店しました。目隠しをして店に入り、お酒を注文。マスターが出してくれたテーブルの上のコップを用心深く探り当て    ます。お客は何となくソワソワしている様子。  「見えない不安のせいからか、隙間を埋めるように皆さん少しおしゃべりになるようです」とマスター。  「お酒の味をいつもより感じる」「見えない状態だと感覚が研ぎすまされるようだ」と言いながら、聞こえてくる虫の音や波の音に耳を澄ませながら暗闇のバーを楽しみました。 ■光るきのこツアー  夜のダイバーシティが始まってから少し経つと、真っ暗になったテントサイトで、普段は見ることができない光るキノコの鑑賞会を行いました。  暗いところで緑色に光るキノコはとても幻想的。光るキノコのガイドさんは、手話も使ってキノコのお話をしてくださいました。 ■タロットの部屋  参加者のますきちさんが夜のダイバーシティでタロットカードの占いブースを開いてくれました。神出鬼没のはずのタロットブースは大人気でした。 写真1:光がこぼれる八丈の朝日です。 写真2:海岸線をみんなで歩きます。 写真3:どっぷりの説明をするユースケさんと話を熱心に聴く参加者の皆さんの写真が選ばれました。 写真4:ホワイトボードや手話を使って会話を楽しんでいる様子 写真5:全盲のサクさんがオーダーされたカクテルを作っています。 写真6:くらやみに光るキノコ 写真7:本部テントの下にタロットの部屋が出現した様子 さまざまなダイバーシティ終わり Thank you 今年もたくさんの方のお力とご協力に支えられ、キャンプを行うことができました。 ありがとうございました。 ■八丈町産業観光課の皆さん  八丈島の温かい雰囲気そのままに、ユニキャンを陰でガッチリ支えてくださる役場の皆さん。  島内のコーディネート、備品の調達、管理や搬入など。毎年この地で開催できるのも、この方たちがいてこそ。今年も本当にお世話になりました。ありがとうございました。 ■八丈島の皆さん  島の皆さんと交流したい、と始まったユニバーサル盆踊り。美味しい島の料理や飲み物、華やかな踊りの数々。実は島の方々との交流はそれだけではないのです。米飯を100人分も炊いてくださったり、ユニ・キッチンでは八丈まるごとパエリアのためにたくさんのフライパンを島で集めてくださったり。毎回のご協力に心から感謝申し上げます。 ■ちょんこめ作業所の皆さん   ユニキャンに毎年ステキな彩りを添えてくださるちょんこめ作業所(八丈島の福祉作業所)の皆さん。今年も初日のユニ・キッチンに加わって参加者と交流してくださいました。教えてくださった手話歌「ふるさと」を一緒に歌った時は心にジンときました。  ちょんこめさんと言えば、ユニ盆などでの元気で華やかなイメージですが、公共トイレの掃除やアルミ缶リサイクル、植物公園の花壇の手入れなど、裏方のお仕事もいっぱいされています。底土キャンプ場のトイレがキレイなのも、ちょんこめさんのお陰なのです。  また、今年も素敵なコラボTシャツをつくってくださいました。ユニ盆でも販売するつもりだったのですが、その可愛らしさにまたたく間に初日に完売しました。 ■八丈高校の皆さん  「キャンプに参加しませんか?」  そのお声掛けから始まった交流で、今年は2日目の朝からキャンプ場に泊まってくださるなど、参加者の皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしてくださいました。先生、生徒さん、ご参加ありがとうございました。 ■八丈電設センター ジュンさん  キャンプ場に電気が灯るのもこの人がいるから。八丈育ちの小栗隼さん。  第1回から影の存在として自転車を駆って登場。キャンプ中もがっちりサポートしてくださいました。今ではユニバーサルイベント協会八丈支部長にして島の重要な情報発信源。今年もありがとうございました。 ■しま弁と朝食のパン  スーパーあさぬまさんに大量生産が難しいけど八丈島の特産がギュッと詰まった噂のお弁当を今年も100食以上つくっていただきました。  また、あさぬまベーカリーさんが2日目の朝のパンを4種類もつくってくださいました。あしたばクリームパンやブルーベリーパンなど、どれもこれも頬張って美味しくいただきました。 写真1:八丈島観光課の皆さん。影の功労者です。 写真2、3、4、5:ユニ盆でのご挨拶の様子。盆踊り本番前にスタンバイしている島の皆さん 写真6:1日目、ご挨拶をしてくださったちょんこめの皆さん 写真7:Tシャツのモデル。今年はもりもりとマッキーです。 写真8:テントの設営をするジュンさん 写真9:島の特産がつまった島弁 写真10:ブルーベリーパン。すべて手作りです。 Thank you終わり 伝え方いろいろ ■手話通訳  手話通訳は誰のため? それは聞こえない人のため、そして手話で伝えることができない聞こえる人のため。みんなのための手話通訳は、今年も朝から夜までフル稼働。 みんなに手話を10個は覚えて帰ってほしい。ホワイトボードやPCでの伝え方もあるけれど、それがなくても伝え合うことができたら…毎年、メンバーに目を配り、「なんて言ったら(伝えたら)いいのかな?」と悩んでいる方の側へ行って、そっと手話を教えてくれたり、みなさんが仲良くなるように間に入ったり、時には見守ったり。しっかりと支えてくれているのです。  また、手話通訳の皆さんはサービス精神もたっぷり! 今回のユニ盆ではウサギさんのお耳をつけて登場です。そして衣装は野球チームのユニフォーム。今年もキャンプを盛り上げてくださいました。 ありがとうございました! ■ホワイトボード  毎年大活躍のホワイトボード。サイズも小さいものから大きいものまで用意しています。これは協賛企業からいただいたもの。キャンプ場内で外に出る時だって、片手にボード、片手にペン。書いては消して、情報や気持ちを伝え合っていました。全員分はないけれど、「ちょっと貸して!」と声を掛け合ってボードが行き交います。  最初は一言一句伝えようと長い文章だった皆さんも徐々に慣れて要点をうまく伝えられるようになっていました。PCと合わせてキャンプ場でも大事な情報交換ツールとなっています。 ■点字のしおりと触地図  第1回〜第4回ユニバーサルキャンプでは視覚障がいの方への情報保障として、“しおり”や“報告書”のテキストデータは作成していたものの、点字のものは、専門的な技術などから作成できていませんでした。  しかし第5回から、参加者であった視覚障がいのある兵藤さんからのお申し出により、今年も筑波大学付属盲学校職員、飯島さんとしおりの出力&製本を引き受けてくださいました。また、キャンプ場全体地図と各サイトの説明を立体的な線と点字であらわした触地図や、ネームタグに貼る参加者皆さんの名前点字シールもご用意いただきました。毎回少しずつ増えていく情報保障です。ご多用中の作成ありがとうございました。 ■今年のテーマは「情報保障」 情報保障って何だろう? それは、誰もが平等に情報を得る権利を保障するもの。今年はこの情報保障をアップグレードしようと、手話通訳さんからの手話による情報やホワイトボードとともに、パソコンを用意しました。  各班にパソコンを1台ずつ配布。離れたところでは要約筆記をしているパソコンがあり、この内容を各班のパソコンに表示できるようにしようという試みです。  最新のキャンプスケジュールから、注意事項や変更点などの確認ができるようになれば…  「ホワイトボードの方が持ち運びに便利」「まずはパソコン以外でコミュニケーションをとる努力をするべきなのでは?」「便利なツールだがキャンプでの活用は難しかった」という感想も。今や生活する上で欠かせないパソコンですが、今年は課題を残す結果となりました。より良い情報保障について、ユニキャンの試行錯誤はまだまだ続きます! ■参加者の皆さんの工夫 ・屋外で行われているため、せっかくPCがあるのに 眩しくて画面が見えない… そんな問題を解決しようと、3班のとんさんがスタッフから段ボールを調達してきて、あっという間にPCの日よけカバーをつくってくださいました。その発想と手際の良さに参加者からも歓声が上がりました。新たな気づきがここでも一つ生まれたのです。 ・盲ろう(視覚と聴覚に障がいがある方)のコミュニケーションの一つに触手話があります。キャンプでも以前は見えていた乱歩さんの手をとって、最初は見よう見まねだった皆さんも積極的に触手話に挑戦しました。 写真1:手話通訳者4名。ユニ盆では野球のユニフォームに着替えて盛り上げてくれました。 写真2:触地図。触って場所を確認します。 写真3:PCの写真。開村式は2便の人がきてから開始。2便の人が来たら集合、と書いてあります。 写真4:ユニ盆での要約筆記の様子。三根小学校の校長ありがとうございます。においがのこらないように使いましょう、と書いてあります。 写真5:日よけのための段ボールカバー。そのPCに向かって要約筆記をしている隊長。 写真6:乱歩さんと触手話をしているつよしさん 伝え方いろいろ終わり さまざまな工夫 今キャンプ中、過ごしやすくしていただくためのさまざまな工夫を紹介します。 ■シャワーブース  シャワーブースには男女共に簡易ベッドを用意。上にマットを置いて衝撃を和らげます。  また、入口にはブルーシートで覆った鉄骨の骨組みを克郎工務店さんが設置してくださり、外から見えないように配慮しています。 ■テント&ベッド 3人一組で寝られるようなテントにはパイプベッド。車いすの参加者へは2人一組のホエールテントを使い、ベッドはエアーマットを用意しています。 ■スロープ トイレやシャワーブースに向かう際の木製のスロープです。克郎工務店さんが頑丈につくってくださり、5年間、車いすの方々の移動の際に役だっています。 ■ガイドロープ  視覚障がいの参加者が一人でトイレへの移動できるようにテントからトイレまでのガイドロープを設置。 ■テント&キッチン  雨にも負けず、風にも負けない頑丈なテントサイトや料理をする際のプロパン。毎年、沖山興業さん、佐々木住設さんが貸してくださっています。 100名分の料理をつくる橋本シェフ 写真1:シャワー室内 写真2:マットを敷いたテント 写真3:キッチン前の段差にあるスロープ 写真4:ガイドロープ 写真5:卵焼きを作っています。100人分! さまざまな工夫終わり キャンプあとさき ユニキャンはみんなでつくるキャンプです。  毎年、ユニバーサルキャンプは、準備から運営を『ユニバーサルキャンプ実行委員会』のメンバーが行っています。さまざまな特性、職種のメンバーが、仕事帰りに集まって、プログラムはもちろん、「どんなことが必要だろうか」「こんなことをやってみたい」と意見を出し合いながら夜遅くまで話し合って決めています。  このキャンプにはボランティアやサポーターという考え方はありません。誰もが対等な立場でお互いにサポートし合うことを目的としています。  キャンプの際、メンバーは各自が参加費、交通費を払って事前に島に入り、お手伝いしてくださる島の方や、参加者の方々と共にキャンプ場を設営。キャンプが終わった翌日には、撤収作業を行い、元通りにして帰っています。  今回はユニバーサルキャンプ実行委員たちを紹介します。 写真1:キャンプ場にどんどん荷物が運び込まれている様子 写真2:キャンプ最終日翌日。かたづけて何もなくなったキャンプ場です。 スタッフ写真:内山村長。高橋実行委員長、事務局愛ちゃん 設営隊:ザッツ、ラモス、たかゆき 一部のメンバー写真:モリモリ、あなん、よっぱ、はざまり、かつどん  他、岡ちゃん、つよし、ジュン、隊長、ユースケ、トクさん、じーふー、マッキー、本土から見守ってくれた、丹青社の山岡さん、石畑さんら。そして、UDジャパンのしもちゃんなどなど20名以上で構成されている実行委員会メンバー。その他にも毎年、カメラやムービー撮影など、多くの方々に協力いただききながら、参加者とつくり上げるユニバーサルキャンプ。これからも続けていきたいと思っています。  来年の実行委員会に参加したいと思った方、ぜひ一緒にやりませんか。詳細は、協会までご連絡ください。 キャンプあとさき終わり 参加者アンケート結果 (原文より一部抜粋) @キャンプ全体の印象はいかがでしたか? 良かった 84.1% まあまあ 15.9% Aプログラムに楽しく参加できましたか? はい 93.2% どちらともいえない 6.8% Bプログラムの内容はいかがでしたか? 良かった  79.5% まあまあだった 20.5% Cプログラムの量はいかがでしたか? ちょうど良かった 68.2% 多かった 22.7% 少なすぎた 9.1% Dどのプログラムが印象に残りましたか? ◆ユニ・キッチン ・パエリアが予想以上に美味しかった。 ・ちょんこめ作業所との交流。もっと時間が欲しかった。 ・様々な年齢、障害をもった方々と一緒に夕食を作って、コミュニケーションも取れたし、何より楽しくそしておいしかったから。 ・グループで仲良くなるきっかけになりました。 ◆ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション ・元気で前向きな方々の、障がいを持つが故の辛い本音を聞くことができた。 ・いろんな方の話をしっかり聞くことができる。 ・皆さんそれぞれが、今なぜここにいるのか、強く明るく生きている姿勢は心に迫ってくるものがありました。 ・色々な方のお話を伺うことで、これまでの自分を振り返ることも出来、そして、これからの自分を変えていきたいと前向きな気持ちになれたプログラムでした。 ・色々な発見があった。ユニキャンの基本だと思った。 ・様々な障がいの人だけでなく、島の人の話や島の現状などなかなか聞けないことを聞くことができ、それをきっかけにその後のコミュニケーションも活発に取ることができました。 ・複数回参加しているが、毎回なにがしかの新しい気づきを得ることができる。障がいを持った人に、気兼ねなく質問できる数少ない機会でもあり、今後も続いてほしい。 ・内部障がいの方から初めてお話を聞くことができ、たくさんの気づきを得られたから。 ◆ユニバーサルスポーツ ・ユニバーサルスポーツの企画は、障がい者を一括りで考えるのではなく、程度によってできること楽しめることが違うということに気づけたため、印象に残りました。 ・全員で知恵を出し合って考えた競技ができた。 ・それまでのプログラムで習得した各々の障がいの内容をよく吟味した上でそれらの特性を新しいスポーツのルールに生かそうとした努力や工夫がどのチームでも光っていた。また、そのルール考案のためにチームワークが強まった。 ・班のメンバー全員が意見を出し合って、一つのものを作り上げていくのがとてもよかったです。 ◆ユニバーサル盆踊り ・皆が心底はっちゃけてた! ・地元の方とキャンプメンバーとで一体感があった。 ・地元の方との会話が楽しかった。 ◆その他 ・夜のダイバーシティで障がいについて詳しい話を聞くことができた。 ・光るキノコが間近で見られ手で触れることができて感激した。 ・夜のダイバー。ジェスチャーとホワイトボードで、十分に楽しく会話できる。 ◆最後の振り返り  3日間で得た、自分や班の仲間たちの気づきだけでなく、他の班のメンバーの体験も共有できたことで、さらに広がりが持て有意義だったと思います。 Eプログラムについて改善し たほうが良いと思う点について ◆情報保障 ・キャンプ場では、PCは補助的に役立っても、メインではなかなか活用しにくいように感じました。 ・外付けモニターがあればもっとPCを活用できたと思う。 ・屋外での要約筆記の徹底。電源の確保。 ・しおりに使い方が書いてあるといいなと思った。現場の説明だけだと足りないと思った。 ・機械に頼るのではなく、参加者による情報保障をお互いし合えるような環境があると私はもっと参加しがいのあるイベントになるのでは、と感じました。 ・私の班では情報保障のために常にパソコンが欠かせませんでした。 ・移動の際の持ち運びや食事の際にテーブルに置いておくのは少し大変で、タブレット型コンピューターが一台でもあればよりスムーズな情報保障ができたと思います。 ◆アナウンスについて ・2日目について、1日中使用した会場に車いすで使えるトイレが無かったのが残念だった。  (後日、離れたところにあったらしいと聞いたが、、、) ・スケジュールの説明について、もう少し細かく教えていただきたかった。  ・時間配分を考えて。予備の時間は必要だと思いました。 ◆ユニ・キッチンについて ・ユニキッチンなどで、説明が少ないと感じた。 ・各食事について質を高めて欲しい。 ・ 量、塩分をもう少し増やして欲しい。 ・急いで食べる時間が多かった。 ・各班にスポンジ1個だったので、待たされてしまい、洗い場が長蛇の列に。 ・島の食材を多くして欲しい。 ◆ダイバーシティ・どっぷり コミュニケーション ・テントをなんとかして欲しい。日陰が欲しい。部屋でやりたい。 ・また腰が悪い方もいるので、いすの設置をお願いしたい。 ・皆で障がいについて話し合う機会があればより理解が深まると思う。障がいの世界に入ってどう感じるかを言い合うみたいな。 ・同じ障がいでも個人によって考え方が違うので、一つの部屋で複数の主人の話がきける仕組みがあれば良いと思った。 ・知的障がいや学習障がい、内部障がいなどの主人からお話が聞くことができればと思った。 ◆ユニバーサルスポーツ ・時間がなくて実践できなかった。 ・みんなで身体を動かしたかった。 ・炎天下での説明は少しきつかった。 ◆ユニウォークについて ・アイマスクや車いすに乗っての散歩があると聞いていたのになかった。 ・大雨対策の予測が足りなかったと思う。 ◆気づきの時間 ・気づきの時間が足りない。 ・良いと思う。それと、班長のリーダーシップが発揮できる方法が良いと思う。(企業として参加している方に意識していただく) ・毎日、その日の気づきを個々人でまとめ、班で共有する時間があると、他の方々の視点を参考に、2日目、3日目と、自分の着眼点や気づきも深まっていけるのではないかと思った。 ・ワールドカフェ方式で他の班にも回って意見を聞く時間が欲しかった。 ・また多くの気づきが正確に伝わるように、この時間だけは手話サポートや要約筆記を運営側が行うと良いと思った。 ◆他のプログラムについて ・他の班と交流がはかれるプログラムがあれば良いと思った。 ◆その他 ・スタッフの人数不足。後継者を育てて欲しい。 ・どのプログラムも素晴らしかったがクリアファイルとマーカーは全員が持って動いても良かったと思う。 ・車いすユーザーですが、プログラムとプログラムの間に30分でも横になれる時間や場所がほしい。理由は、キャンプ場やグラウンドの芝を漕ぐだけでかなりの体力を消耗したので。 ・初参加だったのですが、随所に参加経験者を前提とした説明があって戸惑った。 ・不便なこと、思い通りにいかないこともイベントの意図するところであると思います。皆で協力し助け合う必然性があり、それはそれで良かったと思います。 ・3連休になった場合、一日前に開催日をずらすべき。 ・盲者への誘導ロープの説明の時間がなかった。個別にトレーニングして欲しい。 ・ユニ盆のチケット。大きさや手触りが一緒なので、区別できるように穴をあけるなどして欲しい。 ・しおりの中でプログラムごとに持ち物を書いておくと良いと思った。  (ダイバーでは目隠し用のタオルとか) Fこんなプログラムがあれば良いな ・他の班との交流。 ・ユニスポでは視覚障害が走れる醍醐味のあるプログラムを希望したい。 ・八丈島の観光 ・グループごとに何か作りたい。班ごとに個性が出せるもの。 ・ユニバーサルゲーム(簡易ボーリング・輪投げ・カーリングなど) ・外国人や子供〜高齢者まで参加して欲しい。 ・釣りや農業体験 ・始まってすぐのアイスブレイクの時間が欲しい。 ・チーム毎の自由な時間が欲しい。 ・アイマスク、車いすの他に耳栓をしてろう者の体験をするプログラム。 ・参加者全員で挑戦できるプログラム(ギネスに挑戦など!) ・ちょんこめ作業所を見学するプログラムがあれば良いと思った。 ・各プログラムごとに班員がアイマスク、耳栓などをして気持ちに近づけると良いと思う。 ・和太鼓のワークショップ Gまたキャンプに参加したいですか? はい 81.8% わからない 18.2% H全体の感想 ・プログラム、キャンプ場での生活、出会った皆さんとの交流、すべてを通してたくさんの気づきがありました。分からないから行動できない、勇気がない、という自分から少し変われた気がします。ありがとうございました。 ・今まで、かかわることのなかった人たちと共同生活をすることで、文字通り色々なことに気づく(知る)ことが出来ました。・ユニキャンを通して、手話など今まであまり関心のなかったことにも興味を持つことができました。そういった意味で、障がいはコミュニケーションを制限するものではなく、むしろ拡大させるものだと感じました。 ・私は、ネガティブな気持ちを持つ自分を変えたいと思い、今回のキャンプに参加させていただきました。そして、全日程を終了した時の自分は、今までの自分とは違う、とても前向きな気持ちでした。 ・初参加だったが、繰り返し参加することでよりたくさんの気づきがあるのではないかと感じた。 ・全体の時間を有効に使えるように集合時間を合わせる。便名を合わせて欲しい。 ・普段障がいをお持ちの方となかなか触れ合うことがないので、健常者、障がい者関係なく同じ仲間として過ごしたこの3日間はとても刺激的でした。 ・新たな気づきあり、驚きあり、反面反省すべき点もありというのがこの3日間の感想です。 ・外見でわかる障がいと一見わからない障害、サポートが必要な障がい、そうでない障がいなど本当に多様な特性があることがわかりました。障がいを取り除くバリアフリーという考えではなく、全ての人に使いやすいユニバーサルデザインを考えていきたいと思います。 ・準備や撤収の作業を、もう少し公平性をもって行えるとよりよいと思います。 ・リピーターが多いため、なかなか空気に入りづらい。今回は班長がとてもいいキャラでチームをまとめあげてくれたので、入りやすかったが、そうでなかったかと思うと恐ろしい。 ・来年はもう少し手話を習得して聴覚障がいの方とのコミュニケーションを積極的にとりたいと思いました。 ・とっても素敵でした。日本中に、気づきがうまれる事を願っています。どんどんうねりとなって。 ・実に素晴らしいイベントで、この体験を一人でも多くの方に伝えていかねば、と痛感しました。特に、若い世代へ。 ・来年、マスコミのどこかで特集ドキュメント番組でも作成してもらえるような働きかけを何とかできないですかね。 ・参加する前に持っていた障がい者のイメージがこのキャンプに参加したことによって大きく変わりました。今回のキャンプで障がいを持つ人のことを深く知ることができたので、次は行動に移して、困っている障がい者がいたら手を差し出してお互いが支え合えっていけるように頑張りたいと思いました。 ・自分は初参加の聴覚障がい者ですが、1日目からメンバーとのコミュニケーションが失敗や模索を踏まえて劇的に変化していき、たった3日目にはもうさりげなくコミュニケーションがとれるようになってきたことに、大変驚き、大変感動しました。 ・キャンプというハード面ではバリアフリーとはかけ離れた環境にもかかわらず、まったく不便さを感じませんでした。それは、障がいを理解し、ソフト面でカバーしていたからだと思います。「障がいは環境が生む」と聞きましたが、一人ひとりが障がいを理解し助け合っていけば、障害はなくなっていくことを感じました! ・3日間で障がい者に対する自分の意識の垣根が、ずっと低くなったと思います。 ・障がいをお持ちのみなさんが、過去に大きなトラウマや苦労があるにもかかわらず、今をしっかりと、活き活きと生きている姿に感銘を受けました。 ・「障がいの人と自然に接する」「相手の気持ちになって行動する」という、何百回も聞いてきたことが、実際に経験して初めて分かった気がします。まだ自分のコミュニケーションスキルは0ですが、村長が言われていた「気づき」を得ることはできました。気づけたことだけでも、自分にとっては大きな一歩です。 ・この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。視覚・聴覚・四肢などの障がいについて、その言葉通りのもの以上に考えたことがなかったのですが、障がいを持った時期や環境によって、皆さんの障がいに対する想い、どう周囲にサポートしてもらいたいかが、それぞれ全く違う、ということが驚きました。また、色弱者については、割と周囲にいらっしゃるので、特に障がいという認識はなかったのですが、日常生活における不便さを改めて伺うことができて大変勉強になりました。 参加者アンケート終わり ユニバーサルキャンプはこれからも毎年続いていきます……  ユニバーサルイベント協会では、ユニバーサルキャンプや、その他さまざまなイベントを一緒に盛り上げていってくれる方を募集しております。 スタッフとして、また協賛や賛助などで一緒にイベントを創り上げてみませんか?  皆様のご参加・ご協力を心よりお待ちしております。 ニバーサルキャンプ支援パートナー 主に企業などで、ユニバーサルキャンプの実現・普及を以下の面から支えてくださる方 ・資金面での協賛 1口50,000円より   ・物品・サービス等の面での協賛 ・研修参加(ユニバーサルキャンプ参加、事前・事後研修) 1人150,000円 会員パートナー 正会員:本会の目的に賛同し、活動に参加していただける法人・団体または個人 ・法人100,000円、個人12,000円 賛助会員:本会の趣旨に賛同し、活動に協力していただける法人・団体または個人 ・法人50,000円 、個人7,000円 協力パートナー 主に個人、NPO、企業などで、以下の面についてご協力いただける方   ・計画から実施運営までのノウハウの提供、人的支援協力 ・活動を広げるためのネットワーク連携企画・活動などの実施 キャンプの他にも協会では、手話サークル、ユニバーサルスポーツなどさまざまなイベントを行っています。詳しくは当協会のフェイスブックをご覧ください。 お問い合わせ NPO ユニバーサルイベント協会 〒108-0075 東京都港区港南2丁目12番27号 イケダヤ品川ビル3F ■ TEL:03-5460-8858  ■ FAX:03-5460-0240 ■ E-mail:info@u-event.jp ■ URL:http://u-event.jp/ ■Facebook:http://www.facebook.com/uevent.jp 交通のご案内 ■JR各線「品川駅」徒歩8分 ■りんかい線「天王洲アイル駅」徒歩12分 ■モノレール「天王洲アイル駅」徒歩8分 第8回ユニバーサルキャンプ in 八丈島報告書 終わり