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多数の少数(特殊)が必要 ー 専務理事 高橋保之

2021年07月15日 コラム

日本は民主主義の国家です。「では、民主主義とはどういうものですか?」と質問されると、「多数決で物事を決める国の体制」などと答える人が多いと思います。間違いではありません。その多数決という原理で日本の社会は動いていきます。言い換えれば「多数決」とは「普通」という事ですね。普通であることに安寧を求める人が多いという事です。一方「少数」とは「特殊」と言い換えられます。

多数決の原理は、政府を組織し、公共の課題に関する決断を下すための手段です。国民を抑えつけるための手段ではありません。多数派が、少数派や個人の基本的な権利と自由を取り上げることがあってはなりません。皆が喜び合えるような社会になるよう、「多数決の原理と少数派の権利の両立」が実現できるような社会を目指したいものです。

一方、往々にして人間は自分さえよければと考えがちです。「普通」は「特殊」であることを嫌い、排除する方向に働くことがあります。「多数決の原理と少数派の権利の両立」ができれば、「寛容」、「討論(議論)」、「譲歩」という民主的過程を通じて、真の民主主義の社会が実現できるはずです。特殊(少数派)の働きが、社会に貢献することによって、多数派にとっても「幸福が増大し、長続きする」社会になるのではないでしょうか。

今年は、総選挙があります。また、東京都議会議員選挙など地方選挙も数多く実施されていますが、議会の多数と少数が公共の課題に関して討論する風景がテレビなどで放映されています。最後には多数決で物事が決まりますが、議会中継や、テレビ討論会を見ていると、政治家、評論家、弁護士、国際政治学者などを名乗り、豊富な知識を持っているであろう方々が口角泡を飛ばしている映像を目にします。しかし討論の過程に「寛容」、「譲歩」が感じられることはあまり目にしません。単なる言い負かし合いをしていることが多い様です。

討論(議論)の過程で、少数派の意見や価値観の相違をどのように解決するかという課題には、決まった答などありません。自由な社会は、寛容、討論、譲歩という民主的過程を通じてのみ、多数決の原理と少数派の権利という一対の柱に基づく合意に達することができるのではないでしょうか。

設立以来20余年にわたりユニバーサルイベント協会は、ユニバーサル環境(共生社会、男女平等社会、障壁のない社会、循環型社会)に基づき、ダイバーシティを推進してきました。あらゆるイベントに参加を希望するすべての人が、困難なく快適に参加でき、充実したコミュニケーションの実現を目指してきました。“障がい者対応”“高齢者対応”・・・を特別なことと考えるのではなく、すべての人が参加できるイベントを「ユニバーサルイベント」と名づけ、そうしたイベントにはどのような視点や配慮が必要なのか、どのような技術の開発が求められているのか、我々は、多くの少数(特殊)と向き合いその方向性をユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスの視点を持って協会のメンバーや様々な特性のある人たちと一緒に創りあげてきました。そして、民主的社会には「特殊(少数)」であっても多様な性質を持ち続けることが、現在のコロナ禍のような不測の環境変化を乗り切る「体力」になることを、我々は学んできました。

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