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イベント・リサーチ部会活動報告 – ダイアログ・イン・ザ・ダーク

2024年08月30日 コラム

日時:2024年8月10日(土)
体験イベント名:ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下DID)
会場:ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」(アトレ竹芝シアター棟1F)
体験目的:このたび体験者としてイベントに参加することで、新しい気づきを得る。またそれを今後のイベント作りに活かしていく。

 ユニバーサルイベント協会の中にはいくつかの部会があります。今回イベント・リサーチ(ER)部会の活動として、東京都竹芝にあるダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」に、DID体験をしに行ってきました。
 DIDは1988年にドイツで始まった真っ暗闇のエンターテイメントで、日本では、1999年に開催され、これまで24万人以上が体験しているそうです。
 参加者はグループになり、各自白杖を持って真っ暗闇に入ります。何も見えない世界で足がすくんでドキドキするけれど、心強いアテンドスタッフ(普段から目を使っていない暗闇マスター)がいるので、ワクワクも止まりません。
 今回私たちは5人(暗闇ネーム:いいんちょ、ぐっさん、ワン、フッキー、よっぱ)で参加しました。体験は90分間。DIDのコンテンツは季節によって変わりますが、現在行われているのは「暗やみの夏祭り」という能登応援特別企画です。暗闇の中では全員で遊んだり、小さなチームに分かれて夏祭りを楽しんだり、能登に想いを馳せたりしました。

 以下、参加者の感想を紹介します。

感想①いいんちょ
 今回でDIDの体験は2度目でしたが、テーマ、ロケーションが異なり、今回も前回同様楽しめました。我々は日常視覚から大半の情報を得ているが、その情報量がゼロになった時に、他の情報源である音、匂い、空気の流れなどからの情報獲得へと切り替えるが、急にその環境に置かれると、一気に全体情報量が減ることに気づく。
 今回は7名のグループでの体験であるが、スタート時点で、ニックネームで呼ぶこととなり、自己紹介を兼ねてニックネームを披露する。5名はUEAメンバーのため、声で分かるが、2名は初めて会う方で、ニックネームと声の色を記憶する。初めて会う2人にとって我々5名のニックネーム、声の色を記憶しなければならず、苦労されていた。このことは如何に視覚からの情報に頼っていたかを示すもので、視覚情報を失った時の能力低下は計り知れない。
 逆に、一緒に体験した視覚障がい者であるフッキーは、我々が暗闇の中でうろうろしているのが手に取るように分かるようで、健常者がどのような行動をとるのかが分かり、新たな気づきを得たようである。また、視覚障がい者である今回アテンドのなおきさんやフッキーには空気の流れだけでなく「気配」という情報獲得の手段があるということにも驚いた。

感想②わん
 『はじめて体験したDID。視覚情報ゼロの世界。不思議と不安は感じなかった。安心感すら覚えた。それはきっと、一緒に仲間がいると分かっていたから。その日、はじめて会った同じグループの参加者の方も、仲間と認識できたから。』
 今回の体験を通じて、視覚情報がない状況では「誰かに声をかけてもらえる」「誰かに声をかけることができる」「誰かがいてくれる(と思える)」ことが重要と気づかされました。
 それは視覚情報の有無(視覚障がいの有無)に限らず、社会で安心して暮らしていくために、誰しもが必要とすることなのかもしれません。
 われわれユニバーサルイベント協会の活動も、「対話」の最初の一歩となる「お互いに声をかけることができる社会づくり」に寄与することが求められていると実感する体験となりました。

感想③よっぱ
 DIDが大好きで、何度も体験をしています。誰からも見られていない解放感が心を穏やかにします。何も見えないから妄想もし放題。海の家(と言われた場所)で波の音を聞いていると、月明かりに照らされた日本海の白波が見えてくるから不思議ですね。
 明るい世界では、フッキーに肩を貸したり周りの情景を教えたりするけれど、暗闇の中では立場が逆転、どころか、フッキーは自由にスタスタ歩き回り、私の手引きはしてくれなかった…。オレはスパルタなんだ、と言って笑っていました。
 2024年12月からは、聴覚障がいのアテンドスタッフと言葉に頼らないコミュニケーションを楽しむ「ダイアログ・イン・サイレンス」が始まります。こちらも楽しみです。

感想④ぐっさん
 ダイアログシリーズは以前から知っていましたが、一人で体験してみる機会(勇気?)が無く、部会のメンバーの後押しもあり、DIDを初めて体験してきました。率直な感想は体験して良かったです!
 一緒に体験したメンバーには初めてお会いする方もいたのですが、真っ暗で表情が分からない上に、同じ状況に居るせいか、早い段階で打ち解け合っていました。普段、いかにコミュニケーションを取るうえで相手の顔を気にしているか、視覚の情報に頼っているかを知ることができました。
 真っ暗な環境でオドオドしているなか、視覚障がいのフッキーは何のその!頼もしく、サポートする立場が逆転していたのも、楽しい体験でした!

感想⑤フッキー
 視覚で得られる情報は全体の約80%だということは知っていて、頭で理解しているつもりだったが、今回の体験で普段見えている人たちが視覚を塞がれると途端に動きがぎこちなくなるのを感じ、その数値が実感として初めてわかった。
 今回の体験をきっかけに、自分が普段体験できていないこと、例えば車椅子の方の生活はどのようなものなのか、聴覚に障がいを持つ方はどのように生活しているのかなど、自分とは違った障がいを持っている方の実際を体験できる活動があれば参加してみたいと思った。

DID

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