蒼い富士山がくっきりと聳えて ー ユニバーサルイベント協会 内山早苗
2026年06月27日 コラム蒼い富士山がくっきりと聳えて、梅雨の曇天を明るく見せてくれる6月早朝、かつて毎年、碧い海の向こうに見えた富士山を思い出す。
そう、八丈島の浜から見えた富士山。
コロナ禍以来中止になってしまったユニバーサルキャンプ㏌八丈島の朝。
ユニバーサルイベント協会を立ち上げてほどなく、ユニバーサルキャンプ㏌八丈島をスタートさせた。「そんな無茶なことできないよ」と最初は二の足を踏んだ方たちも、計画が進むにつれて協力してくださり、2005年9月、初回から100名の多様な特性のある参加者も含めて実際に八丈島で2泊3日のダイバーシティを体験するユニバーサルなキャンプがスタートした。
それから17年間、コロナウイルスの蔓延まで毎年恒例のユニキャンが続いた。振り返ってみると多くの方々に参加いただいて実に貴重な体験だった。
20年余りの月日は、通勤時間の混雑する駅のコンコースにも普通に車いす使用者や杖を使う人もいる時代になっている。都会では当たり前の風景だ。
いま私は第一線を退いて、八ヶ岳南麓の住人になっているが、ふと気づくと、この山間地域では車いす使用者に出会っていない。尤も道を歩いている人を見かけない。みな車で移動している。もちろん私もその一人だ。でもスーパーマーケットには必ず車いす使用者用の駐車スペースはある。店内に入れば車いすの方もいらっしゃる。超高齢社会に入った今、高齢になっても自立して生きやすい時代になっているし、高齢になっても一人で生きることに不安を感じない。あの時無理してもユニキャンを始めてよかったなぁ、としみじみ懐かしく思う。
2026年6月
内山早苗

