第6回ユニバーサルキャンプ in 八丈島 報告書 2010年11月 全員の集合写真 八丈富士をバックに参加者、約150人が勢揃いしています。 感謝 ユニバーサルキャンプは、多くの方々のお力添えにより実現しました。 【後 援】 国際ユニヴァーサルデザイン協議会 一般社団法人日本イベントプロデュース協会 公益社団法人日本フィランソロピー協会 【研修協賛】 岩渕薬品株式会社 株式会社岡村製作所 コクヨ株式会社 三友プラントサービス株式会社 株式会社ゼネラルパートナーズ 東京地下鉄株式会社 パナソニック電工株式会社 東日本トランスポーテック株式会社 富士通デザイン株式会社 【協 賛】 株式会社縁エンタープライズ 大塚製薬株式会社 小岩井乳業株式会社 JESCOホールディングス株式会社 ジャパンデータコム株式会社 株式会社スニード 竹内 敏晃  DBA(デザイン・ブレーン・アソシエイツ) 東京海上日動火災保険株式会社 東京キリンビバレッジサービス株式会社 東京通信電設株式会社 東明興業株式会社 日本通運株式会社 有限会社フルフォードエンタープライズ マイクロソフト株式会社 株式会社マルハニチロホールディングス 【協 力】 NPO阿波グローカルネット NPO江戸川手話通訳者協会 株式会社JTB首都圏 NPO法人ちょんこめ会 日本ブラインドサッカー協会 八丈町の皆さん ピアサポート株式会社 株式会社ロゴスコーポレーション NPO野外活動教育振興会 ヤマト運輸株式会社 【共 催】 東京都八丈島八丈町 株式会社丹青社 株式会社UDジャパン 【主 催】 NPO ユニバーサルイベント協会 ※ 敬称略、50 音順とさせていただきました。 ■ユニバーサルキャンプ開催の意図  ユニバーサルキャンプは、ダイバーシティ(Diversity =多様性、すべての人が含まれる)の考え方に立ち、年齢や障がいの有無にかかわらず、参加者へ、そして社会全体へ向けて、「みんなが一緒に活き活き暮らせる社会」への意識を喚起し、行動を身につけることによってユニバーサル環境の普及をめざしています。  そのため、豊かな自然の中で、キャンプという日常生活より少し不便な環境を味わいながら、誰もがそれぞれできることとできないことがあることに気づき、お互いに対等な関係で協力しながらサポートし合うという経験を通して、一人ひとりが尊厳を持つ対等な関係としての自立・自律をめざすとともに、その輪を広げていきたいと考えて実行しています。 【ユニバーサルキャンプの概要】 ・開催日程2010 年9 月11 日(土)〜 13 日(月) ・開催場所八丈島 底土キャンプ場・その他 ・参加者数 124 名=企業研修参加者、一般参加者、スタッフ26 名=八丈島ちょんこめ作業所、総勢150 名 ・ユニボン総勢約210 名(八丈島の方々約60 名) ・主催:NPOユニバーサルイベント協会 ・共催:東京都八丈島八丈町、株式会社丹青社、株式会社UDジャパン 【キャンプ運営のコンセプトとキーワード】 ■ ユニバーサル環境の推進  ユニバーサル環境とは、さまざまな特性を持つ人々が年齢・性別・国籍に関係なく、その特性の違いを認め合い、共に活き活き暮らせる社会環境のことです。 ■ CSR の根っこにはノーマライゼーションがある  これからの企業理念には、企業が社会的責任(CSR = Corporate Social Responsibility)を果たしていくという姿勢の明確化がますます求められてきます。  そのCSR は、ユニバーサル環境が基本に据えられていることが大前提であり、その実現の切り口としてユニバーサルデザインの推進があるのではないかと考えています。 報告1 メインプログラム Program1 事前研修 Program2 キャンプ開始・開村式 Program3 ダイバーシティ・きっかけコミュニケーション Program4 ユニ・キッチン Program5 ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション Program6 ユニバーサルスポーツ(ユニスポ) Program7 ユニボン(ユニバーサル盆踊り) Program8 気づきの振り返り・閉村式 Program9 事後研修 Program1 事前研修 UDジャパン研修室 キャンプでより多くの気づきを得るための土台づくり。ダイバーシティの理解と受容のための社会的背景と多様性を学びます。 ■研修概要 ・企業参加者:29名 ・日時:2010年8月27日(金)10:30 〜18:00 ・場所:UD ジャパン研修室 ・講師:内山早苗、岡村道夫、松村道生、三原毅 ・進行:飯塚佳代 ・カリキュラム: 1.オリエンテーション 2.講義 3.サポートの基本と実習 4.屋外でのサポート実習 5.グループワーク 6.リーダー研修 7.まとめ 講義とサポートの基本     午前中の講義は、 ・ダイバーシティの重要性 ・現在の日本の状況 ・企業にとっての重要性 ・障がいの普遍性とダイバーシティを理解する という内容で進められました。  その後、実際に障がいを持つ講師による指導で、車いす使用者、見えない人への理解とサポートの基本を学び、午後の実習に備えました。 アイマスクでランチ      さて、そろそろお腹もすいてきた!?お待ちかねのランチです。と思ったら、ランチタイムも気づきの時間。ペアを作って1人はアイマスクを着用し、見えない状況でお弁当を食べてみます。  「2時の角度に唐揚げ。3時の角度にサラダ……」時計の文字盤になぞらえた説明に耳を澄まして、さあいただきます!   説明に夢中になってなかなか食べられないチーム、上手に食べることができなくて、おかずをこぼしているチーム、真剣だからこそいろんなハプニングがまた楽しい、笑い声とおしゃべりあふれるランチタイムとなりました。 屋外へ出かけ実習       午後からは、「聞こえない人へのサポートの基本」から。聞こえない講師による手話での講義です。筆談、ジェスチャー、空書きなど、見えるコミュニケーションのコツを学びました。  手話で盛り上がる人たちの中に、手話がわからない人がポツンと入ったらどうなる? そんな『逆障がい体験』をした参加者から「今わたしが情報障がい者になっていた!」との声。  「障がいとは医学的な問題ではなくマイノリティの側に起こるものなのです」と講師の三原さん。  そしていよいよ屋外へ。車いすに乗ったり、アイマスクをつけたりしながら街へ出発。  まずはアイマスクをつけて自動販売機に挑戦。飲み物の種類を端から全部説明する丁寧な人、「なに系が飲みたいですか?」とちょっと要領のいい人など、音声だけの世界に戸惑いつつもみな必死にコミュニケーションをとり合いました。  車いすに乗ると本当によくわかるバリアの多さ。あちらこちらでちょっとした段差が行く手を阻みます。階段での移動方法も体験し、最後は自力走行で汗びっしょり。手にはまめができました。不便さを体感し、サポートの難しさを感じながら、室内ではわからない多くことを学びました。 リーダー研修と今日一日の「気づき」  班行動が基本のキャンプでは、例年、研修参加者の方々に班のリーダーをお願いしています。  今後、日本社会で必要とされる「支援型リーダー」の説明と、キャンプでの役割などについての話がありました。  その後、今日一日での「気づき」をグループワークでまとめ、各自のキャンプでの目的を目標設定シートにまとめます。「外に出るとどんなところが不便なのかがよくわかった」「とにかくコミュニケーション!」など、たくさんの気づきを共有することができました。  その後は、キャンプ参加説明会が行われ、多くの参加者との出会いが始まりました。  写真1:事前研修の様子。キャンプ場では村長となる内山氏が、ここでは講師です。 写真2:室内での視覚障害体験の様子。段差を用意し、そこを2人一組で歩いてみます。 写真3:屋外での視覚障害体験の様子。2人一組で、アイマスクをして外の歩道を歩いています。 写真4:アイマスクをしてのランチの様子。説明する方も、食べる方も必死!でも楽しそう。 写真5:屋外での車いす体験の様子。階段でのサポート方法。4人で車いすを持ち上げています。 写真6:屋外での視覚障害体験の様子。町中のオブジェを触っています。何の形かわかるかな? 写真7:車いすに乗って、自動販売機に挑戦。届かなーい! Program1終わり Program2 キャンプ開始・開村式 底土キャンプ場 もっと当たり前に、誰もが活き活きと社会参加できないかなぁ。ユニバーサルキャンプは、そんな思いから生まれました。 プログラムの流れ ■ 1日目 ・ 開村式 ・ ダイバーシティ・きっかけコミュニケーション ・ ユニ・キッチン ・ 夜のダイバーシティPART1 ■ 2日目 ・ 朝のユニバーサルウオーキング(ユニウォーク) ・ 朝の集い ・ ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション ・ ユニバーサルスポーツ(ユニスポ) ・ ユニボン(ユニバーサル盆踊り) ・ 語りを聴く・見る会 ・ 夜のダイバーシティPART2 ■ 3日目 ・ 朝のユニバーサルウオーキング ・ 朝の集い ・ テント片付け ・ 気づきの振り返り ・ 閉村式 まずはテント張り       1便組の50人が、ユニキャン本拠地底土キャンプ場に到着しました。  まずはみんなでテント張りです。スタッフからテント張りのレクチャーを受けたら、さあ初めての共同作業です。  最初は遠慮がちだった参加者たちも、「そっち持って!」「引っ張って〜」「せーのっ! それっ!」いつしか息もぴったり合って、テントもベッドの組み立ても、あっと言う間に完了しました。2便参加者を待つ間、海からの風を感じながら、お昼を食べたり、のんびりおしゃべり。「この大変なテント張りを体験してこそのユニキャン。いよいよ始まるね」と1回目から参加のスタッフは感慨深げです。 開村式            2便参加者も無事到着し、開村式が始まりました。ユニキャン村の内山村長の挨拶で第6回のユニバーサルキャンプが始まります。  司会進行の幸多朗さんとジェームズさんが、八丈町観光課の方々の紹介をして、島の方々に支えられているユニキャンを実感。今年も感謝の気持ちでご挨拶をお聞きしました。  温かい島の方々と、4人の手話通訳者を含む15人の裏方、そしてまだ緊張気味ながら、ドキドキワクワク顔の主役のみなさんが揃って、さあユニキャンの始まりです。今年はどんな気づきと感動、自身の変化をお土産にできるでしょう。 感謝の思い          もっと当たり前に誰もが活き活きと社会参加できないかなぁ。もっと多くの、さまざまな特性を持つ人と友だちになって、一緒に活動して、多様性を実感してほしい。  その気づきを自分の生活や仕事に生かしてもらえたら、きっと素敵な世の中になるはず。  ユニバーサルキャンプは、そんな思いから生まれました。  今年も、たくさんの企業の方、地元八丈島の方、本当に多くの方々のお力添えにより、第6回ユニバーサルキャンプが実現いたしました。  心より感謝申しあげます。 写真1:快晴の中、テント張りの風景。みんなで協力して作ります。 写真2:底土キャンプ場風景。すぐそばに海があります。 写真3:開村式の風景。 写真4:テント用のベッドを組み立てる車いすの岡村さん。 写真5:空港から、底土キャンプ場へ向かうバスの中。みんなワクワク顔 Program2終わり Program3 ダイバーシティ・きっかけコミュニケーション 底土キャンプ場 ダイバーシティとは、多様性の享受。つまり違いを受け入れること。誰もが違って当たり前。まずは、その「違い」を知りましょう。 まずは基本から        3日間を安心安全に過ごすため、まずはアテンドの基本を学びます。  キャンプ場を3つのエリアに分け、4班1グループになって、体験を中心としたレクチャーを受けました。講師はもちろんその特性を持った当事者たちです。 肢体障がいブース(車いすサポート)  町役場からお借りした車いすに実際に乗って、キャンプ場を移動してみます。段差を越えたり、スロープを下りたり、お互いが安全に移動するコツを学びました。「スロープ怖い!」「芝生の上は動きにくい」と言っている横を、車いすのユースケさんが自走でスーっと通って行きます。  「人を運ぶ責任の重さを感じた」「意外と難しいけど、たぶんコツがある」「声かけが大切」 視覚障がいの部屋       ペアになって1人がアイマスクをし、自分のテントを探しに行きます。  アテンド役に導かれながら、恐る恐る歩き出すも、芝生に足を取られてへっぴり腰のチームもチラホラ。触地図(詳細25ページ)やトイレへの誘導ロープ(詳細26ページ)に触れてみて、講師たちの感覚のすごさを実感した人もたくさんいたようです。  「信頼関係が絶対必要」「安全なアテンドに集中すると無口になってしまう」「状況説明って意外と難しい」「コミュニケーションが大事」 聴覚障がいの部屋       2人の講師による手話でのレクチャーです。聞こえなくて困ることや、補聴器についての話がありました。音声を使わないコミュニケーションの方法やコツ、手話もいくつか教わりました。「コミュニケーションしたいと思う気持ちが大切。逃げないで!」今年も30人近い聴覚障がい者の参加があり、聞こえ方もさまざま。皆真剣に耳を(目を?)傾けていました。  アテンドの基礎を学んだら、心のバリアが少し低くなった気がしました。 「"知る"ということは大切ですね」 写真1:ダイバーシティ・きっかけコミュニケーションの説明をする石巻さん。 写真2:視覚障害の部屋で講師をする松村さん。その隣には手話通訳師さんの姿 写真3:肢体障害ブースで講師をする岡村さん。 写真4:視覚障害の部屋での風景。キャンプ場で2人一組になって、アイマスクをしながら自分のテントを捜します。 写真5:肢体障害ブースでの風景。芝生の上での車いすに悪戦苦闘。 写真6:聴覚障害の部屋の様子。 Program3終わり Program4 ユニ・キッチン 底土キャンプ場 一緒に作り、一緒に食べる。チームの強力な接着剤となる恒例の夕食づくり。ちょんこめさんも参加して大賑わいです。 何ができるか、班ごとのお楽しみ  牛肉・豚肉・鶏肉・魚介、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、ネリ(八丈島のオクラ)など、具材が決まったら、班の命運をかけて(?)じゃんけん勝負で、具の争奪戦。  今日会ったばかりの仲間たち。誰が何をする? 味付けは? 切る大きさは? ホワイトボードにきっちり役割表を作る班もあれば、あうんの呼吸でパッと決めて早々に各自所定の場所に散る班もあります。  今年も猛烈な勢いで、具材をガンガン切っていく全盲の松村さん。同じく全盲のエリンギさんも「タマネギを切っても涙が出ない!」という特性を活かして、野菜切りを担当。一人でできることはサポートしない。夕食作りに夢中になりながらも、大切な気づきがきらりと光ります。  「私は火の様子見てくるね!」「隣の班から醤油借りて来て〜!」楽しくスピード感あふれるキッチンには、自然とジェスチャーや手話も飛び出します。  さぁ、できあがり。味はどうかな?カレーにハヤシライスに豚汁……。いろんなスパイスを加えたり、隠し味にワインを使ったり。底土キャンプ場にいいにおいが充満! みんなで作った料理ですもの、どれもおいしいはずです。  大盛りご飯にたっぷりルーをかけて、いっただっきま〜す!  みんなで話して夢中になって、いつもよりたくさん食べちゃうから不思議! 心を開くきっかけづくり    食べ終わったら大切な後片付け。この頃には、チームワークが芽生えています。みんなで協力し合って手分けして行えば、そう、片付けもめちゃ早い!  そしてユニキャンも6回目。言われなくてもゴミゼロ、全部お腹の中へ。ニンジン、ジャガイモの皮はたわしでこすってむかない。タマネギの皮は? そう、炭火の中に入れちゃいました。見事な連携プレー。数時間前に初めて会ったとは信じられない仲間との空間の出現。これぞユニキャンなのです。  一緒に作り、一緒に食べる。これぞ生活の原点。特性の違いを超えて笑顔満開の右往左往のユニ・キッチンでした。 写真1:みんな一緒に下ごしらえ。真剣なまなざしで魚介類をさばきます。 写真2:食材を配布するスタッフの様子。赤いエプロンがおそろいです。 写真3:ちょんこめ作業所の方と一緒に大きな肉の塊を切ります。 写真4:全盲のエリンギさん。タマネギ、じゃがいも、具材をガンガン切っています。 写真5:火起こしの様子。うちわを片手に煙と格闘中です。 写真6:カレーができあがりました。サラダも一緒においしそう。 写真7:いただきまーす!できあがったカレーを前に班のみんなで記念写真。 Program4終わり Program5 ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション 大賀郷園地 聞きたいこと何でも聞いてしまいましょう! 多様性を知り、他者との違いに触れたとき、参加者は何を発見するでしょう。 違いからの発見        誰もが違う、誰もが何かを持っている、みんな違うのだから、障がいも特別なことではない……。  そんな観点から、ダイバーシティ・コミュニケーションプログラムは生まれました。  音・光・動き・関わり・八丈・UD、それぞれ名前のついた6つのブースで、見えない人、聞こえない人、手足の動きに不便さがある人、八丈島で暮らす人など、さまざまな特性を持つ人たちとのコミュニケーションにどっぷりつかりましょう。  障がいのことって聞きにくい。失礼じゃないのかな……。けれど、お互いわかっていなければ、心から関わることはできません。まずは知ること。それがスタートラインです。  大賀郷園地の広くてきれいな芝生の広場に、オレンジのタープテントがはためいています。これからこのテントの下で、さまざまなドラマが生まれます。芝生のにおい、眩しい青空、頬にあたる海風……。自然と心がほぐれて、なんでも聞ける気がしてきます。  「一人ひとりみんな違う。その違いが面白い」。そう思えたとき、初めて相手を尊重し、思い込みのない、きちんとお互いの立場を認めながらのコミュニケーションができるようになるのではないでしょうか。  そして、商品やサービスシステムに対しても、従来とは違った発想ができるようになり、新たなイノベーションへとつながっていくのではないかと思います。 ミッション          「今日の皆さんのミッションは『よりよい世界をつくり始めること』です」進行役のアダムさんの手話を交えたスピーチで、このプログラムはスタートしました。  「長年、松村さんは『目が見えない』という道を歩んできました。三原さんは『耳が聞こえない』という道を、岡村さんは『歩けない』という道を歩んできました。そして3人ともが、ひとつの同じ道を歩んできました。その道の名前は『のんべえ』と言います」  思わず吹き出すみんなにアダムさんは続けます。  「でも、実はこれが大事なポイントなのです。それぞれがさまざまな特定の道を知っている、ということです。  僕の場合はイギリス人という道を53年歩んできました。在日外国人を29年、そして、武道の一つとして23年歩んできた道は、結婚道という道です。ここに集まっている皆さんが知っている道を合わせれば100万を遥かに超える数になるでしょう。  皆さんは『日本人』という道を歩んできた人が多いと思います。相手の気持ちを考えて、つい遠慮して聞きたいことを我慢することがありますよね。しかし皆さん、ここでは『ユニキャンの村人』という道を優先し、相手が歩んできた大事な道をしっかりリサーチして『よりよい世界』をつくるための材料にしてください」  さぁ、ダイバーシティ・コミュニケーションの始まりです。大自然の中で語られる当事者たちの飾らない言葉は、来訪者の胸にしみていきます。  暑い中、長時間でも「もっと聴きたかった!」の声が多いこのプログラム。これからもキャンプの目玉として、毎年変わらず、でも進化しながら進めていきたいと考えています。 写真1:手話を交えたスピーチをするアダムさん。緑の芝生に綺麗な赤や青のアロハシャツが映えます。 写真2:オレンジのタープテントの下でさまざま特性のある人の話の話を聴いています。 写真3:真剣なまなざしでメモをとる参加者 写真4:八丈富士のふもと、広くてきれいな芝生の大賀郷園地。とっても空が広いです。 写真5:晴天の元、いくつものオレンジのタープテントがはためいています。 写真6:あついので水分補給はこまめに行います。氷の入ったバケツの中には、協賛品のドリンクがたくさん入っています。 1、音の部屋 聴覚障がいの方の話を聴く部屋  仕事、生い立ち、戦争体験、趣味、ろう文化……。さまざまな切り口から、いろいろな話を聴いて、聞こえないとはどういうことかを少しずつ理解する。  「メールは便利だけど、表情とか感情とか、文字だけじゃ伝えきれないことがある」「情報がないと人の真似をするけど、そんなのはちっとも面白くない。やっぱり自分でちゃんと理解したい」「情報過多の時代。聞こえる人はそれに翻弄されることがあるのでは? 心の目を耳をもっと磨いて」  両親が手話に否定的だったというコナンさんの話を聴いて、「私のために手話を学んでくれている両親に感謝の気持ちでいっぱい」と大学生のチカさんが言いました。 写真1:ホワイトボードを使って説明をする部屋の主人 写真2:手話をつかって、説明をする部屋の主人 写真3:部屋の主人と隣には、通訳さん。みんな真剣な顔で聴いています。 2、UDの部屋 UD分野や、障がい者雇用の分野に尽力されている方が主人の部屋  UDとは、すべての人が特性の違いにかかわらず、一緒に利用できる安全で快適なモノ・建物・空間・サービスをデザインするという考え方です。もちろん、形あるものだけではなく、その活動や考え方も含まれます。  カラーUDの活動をしている伊賀さんは、色覚障がい体験キッドをたくさん持参し、詳しく説明してくれました。  「色覚障がい者がこんなにたくさんいるとは知らなかった。今後自分の仕事に少なからず影響しそうです」とデザイナーの男性が感想をもらしました。 写真1:タープテントの下で参加者に話をする部屋の主人 写真2:カラーUDについて説明をする部屋の主人の伊賀さん 3、関わりの部屋 障害者手帳を持っていない人が主人の部屋  役者のご主人と、2人の子どもの子育てに奮闘中の働く主婦ユキさん。ご長男の病気(BWS)や障がい者就労支援のお仕事について話してくれました。「いつか私たちの仕事が不要な社会になったらいいんだけど……」  「落ち込んだり元気になったりの繰り返しだけど、趣味を見つけたら少しずつ外へ出て行けるようになった。今年はユニキャンにも挑戦」と言うのはうつ病治療中のかよ子さん。  知的障がいのお姉さん、アメリカ人とのハーフの娘さん、という多様な家族を持つ守屋さん。「ダイバーシティが当たり前のここ(ユニキャン)は僕の居場所」と、今年はスタッフとして参加しました。 写真1:部屋の主人として話をするうつ病治療中のかよ子さん 写真2:部屋の主人として話をするアダムさん 4、動きの部屋 肢体に不便さのある人の話を聴く部屋  車いす使用者だけでなく、手足にマヒがある人も主人の部屋です。  足にマヒのあるアヤさん。「電車で立っているのは辛いけど、妊婦さんやお年寄り、他の人だって具合が悪いのかもと思うと、席を譲ってとはなかなか言い出せない」   電動車いすの樋本さん「実は自分の生まれ育った家はバリアだらけ。でも、そこで家族とともに育ってきた。バリアフリーじゃないとダメっていうのはちょっと言い訳になるのかも」  「何センチから段差になるの?」という質問に「人それぞれだから一概には言えないですね」と車いすのユースケさん。 写真1:部屋の主人として話をする電動車いすの樋本さん 写真2:部屋の主人として話をするゆうすけさん。参加者も皆真剣な顔。 5、八丈の部屋 八丈島について語ってもらう  暖かい八丈島の温かい方々に支えられて無事第6回を迎えることができたユニバーサルキャンプ。この島のこと、島の人をもっと知りたい!  今年は、エコ・アグリマート(地熱を利用した農産物の共同販売所)の菊池さんに島の歴史や産業について語ってもらいました。アロマヒーリングサロン癒香の由木子さんには、大阪から移り住むほどの島の魅力とパワーを、英会話講師のキムさんには島の子どもたちの様子などをお話ししていただきました。  都会の生活に比べて、ゆっくりと流れる島時間に癒やされた八丈の部屋でした。 写真1:アロマヒーリングサロンの由木子さん。褐色に焼けた肌と芝生の緑と、青い空がよく似合います。 6、光の部屋 視覚障がいの方の話を聴く部屋  「色をどうとらえているの?」という質問に、「本当の色はわからないけれど、心に感じた色を想像しています」と、さくらさん。  子どもの頃お墓参りで義眼をなくし、みんなで捜し回ったという爆笑エピソードや、指先の感覚の鋭さを利用して、手触りを追求した高級タオル作りの開発に携わっている、という話など、簡単には想像できない世界をわかりやすく説明してくれる主人たちの話術にも驚きです。  「おたふくにかかって翌朝起きたら失明していた。でもそれでも生きている。人間ってタフですよね」という川島さんの強さに一同感激。 写真1:開発したタオルを紹介する松村さん 写真2:部屋の主人として話をする川島さん 写真3:部屋の主人として話をする成澤さん Program5終わり Program6 ユニバーサルスポーツ(ユニスポ) 大賀郷園地・植物公園・八丈高校 みんなでスポーツを楽しむためにはどうしたらいい? 各班の団結力と、みんなの個性が光るプログラム。 ルールは班の数だけ      ユニバーサルスポーツとは、障がいや年齢にとらわれず、そこにいる誰もが一緒に楽しめるスポーツを提案し、実施することです。  例えば野球もサッカーも、公式のルールにとらわれず、経験によるレベルの差も関係なく、メンバーが平等に楽しめるように、新しいルールをつくったり、得点方法を変更したりして楽しみます。  今年は、ポートボールのルールを基に、3つの条件でユニスポに挑戦です。 3つの条件とは…… ・ブラインドサッカーボールを使用 ・全員が一度は必ず触ること ・味方のキャッチをもって得点が入ったことにする みんなで楽しむために     ポートボールは、チームでボールをパスし合いながら得点を競う、バスケットボールに似たスポーツです。バスケットボールとの大きな違いは、リングにシュートするのではなく、台の上に乗っている仲間にパスをし、キャッチできれば得点になる、という点です。  ブラインドサッカーのボール(転がすと音の出るボール)を使って、班ごとにみんなで楽しめるルールにアレンジし、発表します。  班のメンバーの特性はさまざまです。聞こえない人、見えない人、車いすの人、球技が苦手な人、力が強い人、弱い人、すぐやりたい人、じっくり考えたい人、遠慮がちな人……。  メンバーの特性をお互いにわかり合うということを土台として行うプログラム。すでにあるスポーツと違い、考える過程、実際に行う過程のどちらもが大切な要素なのです。  大賀郷園地の美しい芝生に車座になって作戦会議をしたら、実際にボールを使って試行錯誤を繰り返します。ポートボールに別のスポーツの要素を組み合わせたチームや、全員が手をつないで行うチーム、対戦型で敵の設定まで考えたチームなど、さまざまなユニスポが生まれました。  講評を担当するユニバーサルスポーツ・コーディネーターたちも、頭を悩ませるほど甲乙つけがたいルールがずらり。  ユニスポを通して、お互いの理解とチームワークの深まりを実感したひと時でした。 初の試み、ユニウオーク    チームの団結力が高まったところで、次は勝ち負けのないスポーツを楽しみましょう。  植物園や八丈高校などをのんびり歩いて、コミュニケーションを楽しみます。  あちらこちらに仕込まれたQRコードを携帯電話で読み解きながら、クイズの答えを考えながら歩きます。ビジターセンターで展示物を見たり触れたり、ソフトクリームを食べながらのんびりおしゃべりする班も。  お互いのことだけなく、島のことも少しずつ知り、好きになっていく時間。暑くて疲れもピークながら、ユニキャン度が一番深まったプログラムでした。 ユニスポ・コーディネーター誕生! ユニバーサルイベント協会で養成・認定しているユニバーサルスポーツ・コーディネーターに今年も多くの人がチャレンジ! そのレポートの一部をご紹介します。 ●コーディネーターの役割とは? 渡邉(裕介)さん 「スポーツ=競争競技」といった固定概念を一旦脇に置き、スポーツにおけるパラダイムシフトを起こさせることも含み、多種多様な人同士がよりよく交流できるような「スポーツ(遊び)」を創造し、場を調整することであると考える。 阿南さん 「参加者全員が情報を共有する」「勝ち負けではない『達成感』をいかに与えられるか」「安全」、この3つに配慮しつつ、自身もその場を楽しむことが大切だと考える。 ●コーディネーターとしての目標は? 田原さん 自分の地元や学校でのユニスポイベントの実施を通してその楽しさを伝えていきたい。さらに深めるためにスポーツクラブをつくり、他のユニスポクラブやイベントなどの情報交換をし、知識を身につけて活動していきたい。 写真1:ユニスポ発表の様子。みんな手をつないでボールに向かって走っています。とても楽しそう! 写真2:ユニスポルール説明の様子。ポートボールをやってみせるスタッフ 写真3:ユニウオーク。みんな一緒にレッツゴー!笑顔でポーズを決めています。 写真4:植物公園のうっそうと茂った緑の中ウオーキングする参加者の後ろ姿。 写真5:携帯電話を片手にQRコードを読み込む姿。後ろにその姿を写真にとっているスタッフ発見! Program6終わり Program7 ユニボン(ユニバーサル盆踊り) 大賀郷公民館 島寿司、明日葉、ショメ節、おいとこ、八丈太鼓…。島の人たちと一緒に歌って、踊って、楽しんで、笑顔がはじける最高の島時間。 目移りするほどの屋台ブース  島文化、食べ物、お酒、温かい八丈島の皆様……数えきれない魅力にあふれる八丈島。ユニバーサルキャンプを開催するにあたって八丈島の方々の協力は必要不可欠です。  「キャンプ参加者と地元の方との交流を深め、八丈島の特産品をいっぱい味わえる場が欲しい」。そんな願いから、毎年、八丈島の方々と一緒に盆踊りで交流を深める、ユニバーサル盆踊り、略してユニボンが開催されています。  会場入り口に設営された屋台では、連合婦人会の皆さん、朝市会の皆さん、ちょんこめ作業所の皆さん、山田屋、あしたば加工所の皆さんのご協力で、おいしいもの、ステキなものがたくさん並びました。  島寿司、トビのすり身揚げ、明日葉のかき揚げ、ネリや島唐辛子など、普段はなかなか食べられないものがズラリ。明日葉ジュースも大人気でした。  「今年はどれにしようかな」。食べ物だけではありません。ユニキャンリピーターなら2枚3枚は当たり前?ちょんこめ作業所の皆さんが描いたイラストがキュートなTシャツやステンシルの手ぬぐいなど、今年も心のこもった品物が充実です。 メイン会場もヒートアップ!  今年もちょんこめ作業所の皆さんの「さんさ踊り」で華々しくスタートしたメイン会場。舞台のまわりにゴザを敷き詰めて、思い思いの場所でおいしいものを頬張りながら、島の伝統芸能を楽しみます。  連合婦人会の方々が、浴衣に黄八丈の帯で登場すると、盆踊りムードが一気に高まり、町村合併30年を記念した「八丈音頭」と「炭坑節」で踊りの輪が広がります。加茂川会の皆さんには、「八丈太鼓」に続き、珍しい「足踊り」もご披露いただきました。そのかわいらしい動きに拍手喝采。「おいとこ(皿踊り)」では、待ってましたとばかりに我も我もと踊りの輪に加わり、お皿をカチカチと鳴らしながら独特の踊りを楽しみました。  フラダンスチーム「コウリマナニエ」の皆さんの華やかな衣装と素敵な笑顔には会場もうっとり。最後は大フラダンス大会と化しました。  大トリはやはり、ちょんこめ作業所の皆さん。  「第九」と手話歌「まあるいいのち」を披露してくださいました。手話歌はキャンプ場でも教えてもらったので、最後は会場全員での大合唱、公民館いっぱいにみんなの歌声が響きました。多くの方々のご協力で今年も大変盛り上がったユニボン。誰の顔にも笑顔があって、島の皆さんの温かさをジーンと感じた夜でした。 島の人にも見てほしい     毎年キャンプ初日に行っていたプロの語り部川島昭恵さん(全盲)による「語りを聴く会」。昨年から手話語りとのコラボ「語りを聴く・見る会」となりました。ぜひ島の人にも見てほしい、との願いから、今年はユニボンで行うことになり、手話語りにはコナンさんが名乗りを上げてくださいました。語りが始まった瞬間から、それまでの熱気がウソのように静寂に包まれ、会場の全員が2人に釘づけとなりました。(詳しくは28ページ) 写真1:浴衣に黄八丈帯姿の連合婦人会の方々と一緒に踊る参加者 写真2:あしたばジュースの屋台と一緒にはいチーズ! 写真3:ちょんこめ作業所の皆さんの「さんさ踊り」衣装が色鮮やかでとても素敵 写真4:婦人会の方と参加者。みんな仲良くハイチーズ! 写真5:フラダンスチーム「コウリマナニエ」の皆さんと一緒にフラダンスをする参加者 Program7終わり Program8 気づきの振り返り・閉村式 底土キャンプ場 今年も心おどる多くの出会いと、新しい自分と出会ったような気づきと感動が生まれました。また来年もここ八丈島で会いましょう。 気づきの振り返り       すべてのプログラムを終えると、振り返りの時間です。あっという間だったけど、さまざまなことがあった3日間。その都度書き込んだ「気づきのファイル」を読み返し、各自あらためて気づきの整理をします。  話しかけることさえ戸惑った初日がウソのように、お互いの特性を受け入れている自分に気づきます。 ・相手を知ることは、自分の特性に気づくこと。 ・頭でわかっていることと、体験することは全く違う! ・受け入れること、わかり合うこと、尊重し合うことがどういうことか、プログラムを通じて実体験できた。 ・わかり合うということは、自分の障がいを理解してもらう努力も大切。 ・何度参加しても気づきは得られる。変化や違いに気づく目を磨くことが大事。 ・日常生活に戻った時が本当のスタート。まずは職場で気づきを活かしたい。  身振り手振りや筆談などを交え、八丈島の太陽よりも熱く語り合った振り返りの時間。キラキラした笑顔と感動の涙、もう少し一緒にいたい、という思いも共有しつつ、最後の島時間を過ごしました。 閉村式            第6回ユニバーサルキャンプ、2泊3日の全プログラムも閉村式をもって終了します。  「皆さんの熱いパワーで、今年も無事に終えることができました。このキャンプが続くのは皆さんの力です」と内山村長。  「ユニキャンはもちろん、プライベートでもぜひまたいらしてください」八丈島の産業観光課の皆さんも駆けつけてくださいました。  八丈島、ありがとう! 島の皆さん、ありがとう! 参加者の皆さん、ありがとう!  真っ青な空と海に向かって、幸多朗さんの音頭で揃って手を打ち鳴らします。感謝の気持ちを拍手に込めて「また来年会いましょう!」  さまざまな気づきと思い出をお土産に、底土キャンプ場からいつもの場所へと帰っていきます。  新しい仲間と少し新しい自分になんだかワクワクしながら、それぞれの新しい明日が始まります。 写真1:閉村式であいさつをする村長。青空の元、底土キャンプ場にお別れです。 写真2:キャンプで気づいた事、思った事をホワイトボードにまとめる参加者。 写真3:閉村式に駆けつけてくださった八丈島の産業観光課の皆さん。 写真4:グループで気づきの共有。みんなで熱く語り合い2拍3日のキャンプを振り返ります。 写真4:気づきの発表の様子。ホワイトボードには、グループのメンバーの気づきが書かれた附箋がいっぱい貼ってあります。 写真5:気づきの発表の様子。「スマイル」と大きな文字が目立ちます。 Program8終わり Program9 事後研修 UDジャパン研修室 キャンプでの体験や気づきを整理し、今後の仕事にどう活かすか。気づきを具体化することを目的に行います。 ■研修概要 参加者 25名 【日時】2010年10月8日(金)10:30〜17:30 【場所】UDジャパン研修室 【講師】内山早苗 【進行】飯塚佳代 【カリキュラム】 1.気づきのまとめ 2.ワークショップ1 3.ワークショップ2 4.ワークショップ3 5.まとめ 気づきの共有         キャンプからちょうどひと月ぶりの仲間との再会に、和やかなムードの中で始まった事後研修。  グループに分かれたら、キャンプの感想や気づきを出し合ってまとめます。 ・障がいの有無にかかわらず、人それぞれ個性やペースがある。 ・たくさんサポートをしよう! と意気込んで参加したが、逆にいろいろとサポートを受けた気がする。 ・特別視は不要だとわかったら、声をかけやすくなった。 気づきを企画へ       ワークショップ1  キャンプの気づきを付せんに書いて模造紙に張り、意見交換しながら、気づきをまとめ、発表します。 ワークショップ2  課題の照射と企画のポイントの講義。次にワールドカフェ形式で企画づくりのワークショップ。リーダー以外は席を移動しながら、みんなで自由にアイデアを出し合います。チームごとに企画を競うのではなく、情報を共有し合って全員でより良いものをめざします。 ワークショップ3  さまざまなアイデアにインスパイアされたら、企画構想図を使ってひとつの商品・サービスへ落とし込み、10分程度のプレゼンをします。  実現のための条件を抽出したり、反対意見を想定し、対策なども考えます。カッコいいもの、お洒落なもの、実現できそうなサービスやシステムなど、見事な企画ができあがりました。 結果            ●1班 『転ばぬ先のフリース&ニッカポッカスリム』  着衣式の危機感知センサー。服に内蔵されたバイブレーターが障害物や危険を感知し知らせます。ソーラー電池内蔵ですが洗濯も可能。国内有名衣料量販店にて販売することで、誰もが気軽に購入でき、お洒落をしているだけで、安心安全が保障されます。 ●2班 『スカウター型情報端末』〜ユニバーサル社会の実現!!〜   片耳のヘッドフォンと片目のレンズを装着することで、さまざまな情報を手に入れられる装置。GPS機能で位置が確認でき、センサーが危険を感知。使用者に合わせてカスタマイズできるため、障がいの有無にかかわらず使用可能です。 ●3班 『サポートポイントシステム』〜関わり共通化〜  サポートを求める人と、サポートしたい人を結び付けるシステム。サポートリング(特性で色分けされた指輪)やサポートポイント(サポートが欲しい人が立つ場所)を使って、お互いを確認します。サポートが終了したらもらえるポイントコイン(行政から支給)をためて商品券をゲットしよう。 ●4班 『みんな電車が好きになる』 情報弱者に優しい駅環境をつくるためのシステム&サービス。  優先席付近のドア上に付いたモニターでサポート方法をコラム風に紹介。また降車駅やエスカレーターの位置などを、ケータイでお知らせするサービスなど。色覚障がい者にも配慮した色を使ってのプレゼンでした。  どの班も知恵と工夫の活かされた素晴らしい出来でした。6回目を終え、毎年進化を続けるユニバーサルキャンプ。参加する個人が変わっても、思いや気づきは受け継がれていると実感する事後研修でした。 写真1:講義をする内山氏。 写真2:グループワークで気づきをまとめます。 写真3:まとめた気づきの発表の様子。気づきの書かれた付せんがたくさん! 写真4:企画構想図の作成風景。みんな真剣な表情です。 写真5:企画の発表。いろいろなサービスや商品の発表に参加者は興味津々。 Program9終わり Thank you 今年もたくさんの方のお力とご協力に支えられ、キャンプを行うことができました。 ありがとうございました。 ■八丈町産業観光課の皆さん  八丈島の温かい雰囲気そのままに、ユニキャンを陰でガッチリ支えてくださる役場の皆さん(写真にはユニキャン村長と実行委員長も)。島内のコーディネート、備品の調達、管理や搬入など。毎年この地で開催できるのも、この方たちがいてこそ。今年も本当にお世話になりました。ありがとうございました。 写真:底土キャンプ場で、八丈島の役場の皆さんとユニキャン村長、実行委員長。 ■島弁  スーパーあさぬまさんに、八丈島のおいしいところがギュッと詰まった仕出し弁当があるらしい……。  大量生産は難しいというウワサのお弁当を、130食も作っていただきました!  飛び魚の南蛮漬けや白子煮、はんば海苔とかき菜の二種類の混ぜご飯、明日葉の肉巻きやゴマ和え、明日葉ブラウニーのデザートなど……。珍しいメニューに会話も弾み、暑さでバテ気味だったことも忘れて、みんな笑顔で完食しました! ごちそうさまっ!!  写真:島弁当の写真。おいしそう! ■朝食のパン  おいしい!と絶賛の嵐だった朝食の焼きたてパン。ちょんこめ作業所のお隣にある、精神障害者共同作業所フェニックス「やまんばハウス」さんでは、作業プログラムの一環としてパンやお料理を作っていて、昨年から朝食パンをお願いしています。  あしたば粉を使ったものや、ハーブやチーズ、くるみいちじく、オレンジピールが入ったものなど6種類を130人分。  今年もまた夜中から作り始めてくださったのかなぁと思うと、ジーンと胸いっぱいになるおいしさでした。 写真:「オレンジレーズンパン」「くるみいちじくパン」こっちもおいしそう! ■点字のしおり  今までの第1回〜第4回ユニバーサルキャンプでは視覚障がいの方への情報保障として、"しおり"や"報告書"のテキストデータは作成していたものの、点字のものは、専門的な技術などから作成できていませんでした。  しかし、昨年、 「点字のしおり、作りましょうか」と参加者の視覚障がいのある兵藤さんからのうれしいお申し出。今年は不参加にもかかわらず、昨年に引き続き兵藤さんが点訳データの作成をしてくださり、触地図も作ってくださった飯島さんが出力&製本を引き受けてくださいました。  視覚障がいの方には事前にテキストデータをお送りしていますが、「いつでも読める点字はやっぱり便利」と感謝の声が寄せられました。ご多用の中の作成、本当にありがとうございました。 ■触地図  開村式で説明のあった触地図、皆さん覚えていますか? そして、それに触れてみましたか?  昨年に引き続き、筑波大学附属盲学校職員の飯島さんが作成してくれました。八丈島の位置と形、キャンプ場全体図と、各サイトの説明が立体的な線と点字で表されています。墨字(文字)も入れていただき、みんなに便利なキャンプ場の地図となりました。 写真:触地図を体験する川島さんと説明する、作成者、飯島さん。 ■チーム8jo  八丈島は実はとってもサイバーな島。"チーム8jo"という大情報網があり、宿泊施設やお土産屋さん、飲食店はもちろん、スーパーや学校の先生、役場までもが毎日情報発信しています。ツイッターでつぶやかれたそれぞれの情報は観光協会ブログに掲載されます。ユニキャンスタッフが発信した情報も拾ってくださり、畑中特派員が何度も取材にいらしてくださいました。 http://ameblo.jp/team8jo/day-20100918.html ■八丈電設センター ジュンさん  キャンプ場に電気が灯るのもこの人がいるから。八丈育ちのちょっとシャイな小栗隼さん。  第1回から影の存在として自転車を駆って登場、今ではユニバーサルイベント協会八丈支部長として島の重要な情報発信源です。 写真:テントを貼る小栗隼さん ■ちょんこめ作業所の皆さん  ユニキャンに毎年ステキな彩りを添えてくださるちょんこめ作業所(八丈島の福祉作業所)の皆さん。いつも私たちを「こんにちは!」と元気な挨拶で迎えてくれます。  ちょんこめさんと言えば、さんさや手話歌、かわいいTシャツなど、元気で華やかなイメージですが、公共トイレの掃除やアルミ缶リサイクル、植物公園の花壇の手入れなど、裏方のお仕事もいっぱいされています。  底土キャンプ場のトイレがキレイなのも、ちょんこめさんのお陰なのです。 写真;ユニボンで「第9」を歌うちょんこめ作業所の皆さん Thank you終わり 伝え方いろいろ さまざまな特性を持つ人が交じり合いコミュニケーションするユニバーサルキャンプ。 今年も柔軟な伝え方があちこちで生まれました。 ■手話通訳  手話通訳は誰のため?それは聞こえない人のため、そして、手話で伝えることができない聞こえる人のため。  みんなのための手話通訳は、今年も朝から夜までフル稼働。  ユニボンでは4人揃って浴衣で登場。サービス精神たっぷりの江戸川手話通訳者協会の皆さん、ありがとうございました。 写真:手話通訳師の皆様。4人揃って浴衣姿で素敵! ■筆談  阿波グローカルネットさんより、コミュニケーションボード(CoBo)をいただきました。これは磁性シートを使用した筆談器で、ビビットなオレンジ色にグリーンのペンがとってもオシャレ。軽くて薄いので、携帯するのにぴったりです。ウオーキングの時など、CoBoを持って歩いている姿をあちこちで見かけました。どうもありがとうございました! ■PC要約筆記  手話よりも文字情報を希望する聞こえない人も多くいます。今年も班ごとに時間を決めて、PC 要約筆記に挑戦してもらいました。  初体験でうまくいかない人が多い中「大丈夫、大丈夫。意味はわかるから、誤字はそのままで」と優しくアドバイスをするこまくささん。  「私たちだって、助けてもらうばかりじゃなくて、誰かの助けになりたい」と、全盲の方や手話がわかる聞こえない人たちも、手話を読み取とって要約筆記してくださいました。  皆さんご協力ありがとうございました。 写真:PC要約筆記をする全盲の松村さん ■プロジェグドX  プロジェグドXとは、ユニバーサルキャンプの向上を図る秘密組織です。  今年のテーマは「ガイドロープその3」。  「トイレって一人で行きたいときもある」全盲の川島さんの言葉をきっかけに一昨年からガイドロープ作りに取り組んでいます。昨年は、「行きはOK。でも自分のテントに戻るのが難しかった」ということで、そこをクリアするのが今年のミッションです。  昨年同様、テントサイトからトイレの横まで腰の高さにガイドロープを引き、各々のテントの前のロープにリボンを巻いて印を作りました。「夜中のトイレを気にせずお酒が飲めて、実際こっそり一人でトイレに行けた!」と翌朝うれしいご報告が。ご協力いただいた多くの皆様、ありがとうございました! 写真1:ガイドロープにそって進む川島さんとエリンギさん 写真2:ロープから離れて、トイレに進みます。 写真3:プロジェクトX大成功!プロジェクトXのメンバー、右から隊長長谷川さん、川島さん、中瀬さん、飯島さん。みんなで記念撮影。ピース! 報告2 メインプログラム Program1 語り Program2 朝のユニウオーク Program3 夜のダイバーシティ 語り 奇跡のコラボ  ユニキャン恒例の川島昭恵さんの「語り」。今年は島の人にも見てほしい!ということで、ユニボンで行うことになり、コナンさん(桐尊史さん)が手話語りに名乗りをあげてくださいました。全盲の川島さんとろうのコナンさんによる、奇跡のコラボ「語りを聴く・見る会」となったのです。  お題は「ちいちゃんのかげおくり」。戦火に散る少女のせつない物語です。  舞台の壁に、コナンさんが描いたちいちゃんの顔と、影おくりをする家族のイラストが張られ、コナンさんが、川島さんの手を引いて舞台に上がりました。  ゆっくりとした川島さんのタイトルコールに合わせ、あうんの呼吸で静かに手話語りを始めるコナンさん。  それまでの熱気がウソのようにスーッと静寂へと切り替わり、会場中の目と耳が2人の世界に引き込まれます。川島さんの指が点字台本をなぞり、独特の声音でかわいらしい少女や、やんちゃなお兄ちゃんをつくり出すと、コナンさんがそれを引き継いで自在に動かしている、そんな不思議な錯覚にとらわれます。  「初めて体験する不思議で素晴らしい舞台!」  「手話はわからないけど、心で感じた!」  会場中の感動と涙を誘った奇跡のコラボは、絶賛の拍手の中、静かに幕を下ろしました。 川島昭恵さん プロの語り部として「夢の鈴」を主催し、全国各地で語りの公演を行う。映画「津軽」に出演、第一回わたぼうし語り部コンクール入選、ルパン文芸会員など、活躍は多岐にわたる。 ユニバサールキャンプには第1回から参加。 写真:語りをする川島さん 桐尊史さん NPO手話技能検定協会理事、手話講師。企業のための聴覚障がい者研修や手話指導、大学・専門学校での手話講師および講演を務める。 「デフ・パペットシアター・ひとみ」人形劇団の旗揚げに関わり代表を務め、パントマイム・サインマイムなど幅広い演技技術を持つ。 表現力豊かな手話に定評があり、ドラマ主演俳優の手話指導も行うなど、現在も幅広く活動中。 写真:手話語りをするコナンさん うしろにはちいちゃんの顔と影送りをする家族のイラスト 語り終わり 朝のユニウオーク 早く起きた朝は、ウオーキング!  朝6時起床のユニキャン。起きたらすぐにウオーキング。  せっかくの八丈島、二日酔いもなんのその、張り切って早起きして、真っ赤なハイビスカスが咲いている道をウオーキングしましょ。  昨日の夜、サイレントバーで習った手話で早速挨拶。「元気?」って手話でどうだったかな。「おはよう〜。昨夜はたくさん飲んだね」「何時に寝たの?」「一緒に歩こうよ」自由参加プログラムだから、班以外のメンバーとも交流できる楽しいひと時。みんなの表情も、すっかりリラックスモード。  ウオーキングは底土キャンプ場周辺を約45分かけて行い、参加者の約半数の60名近くが参加しました。  こんな時、見えない人は自分から知り合いに声をかけるのが難しい。だから「声をかけてくれるととてもうれしく、ありがたい」。  「あ、面白いオブジェがあるよ!」 「打ち捨てられた船があるよ!」「周りの人がきれいな海や八丈富士を写真に撮っているよ」などと、風景やみんなの様子を言葉で伝えます。  キャンプ場を出て、海沿いの道をみんなでゆっくりと歩く。車いすの人も、緩やかな坂道だったらの〜んびり、らくらくと進む。段差や、ちょっと急な坂道があったら「手伝いましょうか?」の一言。  心地よい風とやわらかい日差しを浴び、きれいな風景を見ながらのウオーキング。恋愛の話や仕事の話など、何げない雑談の中から、深い気づきが生まれます。  朝の爽やかな空気とみんなの思いやりに包まれたひと時。今日もがんばろう!って気持ちになれる。  「そろそろお腹がすいてきた」  ウオーキングが終われば、おいしい朝食が待っている。  うん、やっぱり早起きは三文の徳だね! 写真:みんながウオーキングしている姿 夜のダイバーシティ ■バー・イン・ザ・サイレント  ここは、音声会話禁止のコミュニケーションバー。  しゃべっちゃいけないのに、伝わるの!? ハイ。手話に文字にイラストに、豊富な品揃えで皆様をお待ちしております。  ゆっくりと話したり、ボードに文字や絵を書いてみたり。マスターが簡単な手話も教えてくれます。  「伝えたいことが伝わった。最高にうれしくて気持ちいい瞬間!」「手話ユーザーの立場が逆転していた」  静けさの中にも「伝えたい」エネルギーにあふれるバー。人の輪が途切れることはありませんでした。 写真:サイレントバーの前でパントマイムを演じる高桐さん ■バー・イン・ザ・ダーク  目隠ししたあなたを、見えないマスターが暗闇へと誘うバー。  声を、音を、いつもより深く感じる空間では、「見えない状態だと、お酒の味がより感じる」「視覚情報がない分、他の感覚が研ぎ澄まされる」と参加者の声。  カクテルのオーダーを受けたのに、同じバケツに混ざりこんでいたビールを出してちょっとしたハプニング! でも「参加者の皆さんとの交流がとても楽しかった」とマスター。  時には「目隠しをした聴覚障がいのお客さん」が訪ねてくることも。「文字を手のひらに書いてみたが、コミュニケーションが成立せず大変だった。来年への宿題をもらった!」 写真:目隠しをしながらダークバーに参加する参加者 ■English Bar  その看板どおり、英語でしか話してはいけないお店。  外国人のマスターが、ここでしか飲めない魔法のお酒を用意! だったら絶対行かなきゃ!  英語に自信がある人は、マスターとスムーズに、のっけからハイテンションスピーキング。  自信のない人は「?」や「うつむき」がちになりながら(笑)、でもユーモアあふれるマスターに次々と話しかけられて、カタコト英語が飛び出してくる。さて、隣の人にも自己紹介。「えーと、What?だっけ? いや、Where do you live?」いつもなら簡単にすましてしまう挨拶も、じっくり相手と向き合った。  相手の目を見て、単語を聞き逃さないようによーく聞いて。そのうち声も大きくなって、なんだか心もオープンになっていく、不思議なバーとなりました。 写真:English barのマスターアダムさんと一緒にハイチーズ!みなさんお酒で顔真っ赤にしながら楽しそう。 ■Bar葵  底土キャンプ場の中心に看板をドンと構えて、Bar葵が今年も堂々のオープンです。  今年、新マスターが用意したアイテムは、キャンドル。  星空の下でロマンティックな雰囲気を……という、マスターからの心憎い演出でしたが(知っていましたか? 参加者の皆さん!)、八丈島の強風でキャンドルの火は灯らず。その代わりお酒やおつまみの種類はかなり豊富! 明日葉のおひたし、くさや、島らっきょうなど。島ごころあふれる食材を肴に、話の輪が広がるつながる! 写真:キャンドルのかわりのランタンで、皆楽しそうに飲んでいます。 ■お楽しみイベント ・スターウォッチング  何度見てもその美しさに吸い込まれそうになる、八丈島の満天の星。  今年は山梨で「星の語り部」として活動中の河西さんが、星の解説をしてくれました。  「ほんのり赤色が濃いこの星は……」「三角形になっているのわかりますか?」  心地よい星のガイドに聞き入りながら、空を見上げると、だんだんとはっきり見えてくる星の数々。  iPadの星のアプリも使いながら、星の名前もチェックして、しばしの鑑賞タイムです。  「あ! 流れ星!!」「こっちも!」次々と出現する流れ星に静寂はやぶられて、今度はみんなで願い事タイム。 「来年も八丈島にこられますように」 「またこの星空に出会えますように」 皆さんちゃんと願いました!? 夜のダイバーシティおわり アンケート結果 (原文より一部抜粋) ◆ 参加のきっかけ ・友人に誘われた。 ・第2回に参加しとても楽しく、また参加したいと思ったから。毎回参加したいと思いながらチャンスを逸し、今回ようやく参加できました! ・障がいのある方とコミュニケーションをとりたいと友人に話したところ、このキャンプを教えてもらいました。 ・4年前、友人に誘われて以来参加させていただいています。 ・ユニキャンに参加して3回目です。1回目と2回目は学生でしたが、今年は社会人としてどういう風に考え方が変わるのか?と気になりましたので参加しようと決めました。 ・ユニバーサルデザインに関わる卒業研究をするため。または、あらゆる人々に対して、私のできることを知るため。 ・仕事上、障がいについて、障がい者が働きやすい職場について知りたかったから ・WEBサイトを見て興味が湧きました。 ◆印象に残ったこと ・年齢や社会的地位の垣根を越えて交流でき、友達がいっぱいできたこと。 ・参加者がこのキャンプを楽しみ、自然に何かを得て帰ろうという雰囲気が感じられたこと。 ・たった3日間しか過ごしていないのに、これほどまでに人と仲良くなることができ、協力しあえたこと。 ・障がいを持った方が非常に前向きで明るかったところ。 ・グループ作業。コミュニケーションをとることによりグループでの一体感を感じられた。 ・1年目素晴らしかったのは良い仲間がいたからこそと感じたが、今年もただただ素晴らしかった。つまりユニキャンはあの素晴らしい人間関係を構築する環境が素晴らしい。おそらく誰とやっても同じように感じると思われる。 ・テントで車いす使用者と2人で過ごしたこと、身体障がい者と生活したことが今までになかったので。 ・同じ班の人と行動をともにし、コミュニケーションを深めたこと。最初と最後では表情が大きく変わっていた。 ・視覚障がい者のPC要約筆記の技術と文字変換の方法。自分はタイピングも正確にできないので来年までにはスムーズなタイピングを身に付けたい。 ・うつの人と接したこと。通常は、何日も続けて接することはないから。 ・班のみんながすごく明るく平等に話してくれたこと。 ・青い海・明け方の強い風(テントが飛ばされそうな!)冷たいシャワー・そして何よりみんなの明るさでした。 ・障がいのある人たちと、食事をつくり、テントで一緒に生活したこと。 ・綺麗な星空と、トイレへの道を示す白いロープ。 ・日常生活で、障がい者と生活を共にすることがほとんどないので、全てが新鮮な体験だった。 ◆ユニ・キッチン ・かまどでの火おこしから始めた夜ご飯。争奪戦もなかなか面白いアイデア。火の管理がうまい人、そうでない人は、見た目にはわからないし、そこにはハンディキャップは関係ないと思った。 ・視覚障がい者が包丁を使い上手に野菜を切っていたので驚いた。 ・班のみんなと協力して料理を作り、いろいろな立場の人が協力しあうことができた。 ◆ダイバーシティ・どっぷりコミュニケーション ・普段は聞いていいのか躊躇してしまうような話も聞け、より理解を深めることができたため。 ・自分とは違う障がいの人の日常生活で困っていることや対応について聞くことができた。まだまだ障がい者が暮らしやすい社会的インフラや配慮が十分ではないと感じた。 ・いろんな人が私の体験していない世界の話をしてくれたこと。 ・障がいを持っている方や、外国の方からの生の声を聞けて良かった。 ・各部屋のセッションで、いろいろな障がいを持った方から、通常直接聞けないこと(生い立ち、精神面等)を、生の声で聞けたこと。うつの従業員が会社にもいるので、うつの人のトークはとても参考になった。 ◆ユニバーサルウオーキング ・将来性を感じた。八丈島の大自然の中で、宝探し(かなにか)をグループでやることが面白いと思った。 ・初めての企画だったので面白かった。携帯電話を使うというルールも斬新。 ・グループの結束がより深まった。 ◆ユニバーサルスポーツ ・班全員が一丸となれたところで非常に強い力を感じた。 ・チームそれぞれの個性を相互に理解した段階でのプログラムであったことが大きい。全員が強く参加し、コミュニケーションをとりながら短時間で発展していく様は障がいの有無を超えて組織がなしえる可能性を感じさせた。 ・誰でも参加できて、かつ楽しめるゲームを考えるのは初めての経験でとても難しかった。他のチームの案には良いアイデアだと驚かされたり、とても勉強になった。 ・自分たちでオリジナルの遊びを考えるのは、子どもの頃に戻ったよう。ただ、あの頃できていたことが、今はちょっと億劫で、疎遠になっていた分、遊びを創造する感覚を取り戻すプロセスが面白かった。 ・各班でよく考えさせたこと。結果、よく話し合い、班の結束が強くなった等、良いことがたくさんあった。 ◆ユニバーサル盆踊り ・八丈島の方々と盛り上がれた。交流を深めることができた。 ・語りが素晴らしかった!感激した! ・踊りも良かったが、島の母の味をみんなでいろいろ楽しめて良かった。 ・八丈の方との会話。面白い話が多い。僕のフラに拍手を送っていただいたお婆さんトリオもいた! ◆夜のダイバーシティ(Bar) ・班の垣根を越えて交流ができた。飲み会を通じて仲良くなった人も多かった。 ・障がいの有無にかかわらずその場にいた全員が、楽しくお酒が飲めたのが楽しかった。 ・いろいろな人といろいろな話ができた。 ・Bar in the dark で目隠し状態での会話をしたが、自分へ話が向けられるとその人が浮かび上がり話が途切れるとその人が消えるように感じられ、周りに人がいるのはわかっているのに孤独感もある不思議な体験だった。 ◆その他 ・朝のユニウオーク。動きながら周りの人のペースや特徴など、把握できるいいチャンス。同時に自分もマイペースで参加でき、いろいろな人と会話ができた。景色を「五感」で味わうこともできた。 ・振り返りの時間に、みんなでよい発表となるよう話し合ったこと。手話による発表。 ◆改善したほうが良い点 ・2日目のプログラムが非常に忙しく感じた。炎天下の中、体を動かすことが多く、参加している自分自身が疲れてしまい、サポートがおろそかになってしまった。 ・ユニスポはもう少し身体を動かせるような構成にしたほうがよい。ルールが複雑だったので、もう少しシンプルだとよい。 最終的にチームで対戦ができるとなお良い。 ・ユニウオークは競争させず、多様な人との行動の中で多くの気づきを得られるような内容にしてほしい。 ・去年のように選択プログラムがあれば良かった。(しかし、振り返ると、ユニバーサルスポーツとユニバーサルウオークがあったから、チームワークが深まったような気もする。) ・「不便さはある」という説明が最初にあると良かった(昨年はあった)。参加者は、運営側にすべての配慮を求めるのではなく、不便さを感じた時に、自分が何をするべきかを考えることが重要。自分で難しければ仲間と、それで足りなければ他の班に要請するなど。全部が便利な世の中では学びは少ないと思う。 ・くじ引きで班の話し合いの進行役を決めるなどしたら、普段あまり発言できない人や、発言することに躊躇してしまう人も発言でき、互いに良い刺激になったのではと思う。 ・ごみの出し方、出す場所をもっとわりやすくした方が良い。 ◆欲しいプログラム ・昼寝タイム、フリータイム、選択プログラム。 ・「劇とかダンス」などで、もう少し時間をかけてチームで取り組める内容があると良いと思いました。 ・ユニバーサルスペースを班ごとにデザインすること。審査も行う。 ・パフォーマンス大会・私の主張大会。この人こんな特技があるんだ!とか、この人こんなこと考えてるんだ!とか、いろいろな気づきがあると思う。 ・ユニバーサルデザインの商品を紹介する、またはユニバーサルデザインの商品開発の話し合いをする。 ・八丈島の海や山を利用したプログラムがあればよいと思いました。 ◆コミュニケーションで気づいたこと ・何でもあり、と気づいた。伝える気持ち、受け取る気持ちが大事だと思う。 ・盲者、ろう者、その他みんながリアルタイムで意思疎通することって難しいなぁ……と思った。 ・聴覚障がい者の割合が大変多く、手話ができないとコミュニケーションに入れなくて孤立してしまうことが。 ・もう少し、視覚障がい者に対しての情報保障面に工夫ができればいいなぁと思った。 ・誰に対しても、ゆっくりと丁寧に話すことは、場の雰囲気をよくする傾向にあると感じた。 ・同じ班に手話ができる人がいると頼ってしまうことで気配りが減り、返って聴覚障がい者が蚊帳の外になってしまう場面が結構あった。そういう人(自分の会社の人を含め)に気配りを思い出させるには、聴覚障がい者は発言する際に声を出さないなど、何かアクション(聞こえないというアピール)を起こしたほうがいいのか?と感じた。 ・要約筆記ブースは班の近くにあったほうがよいと感じた。 ◆自分自身の考え方や行動が何か変わりそうか ・相手を理解したい気持ちを、その相手にきちんと伝えようと思う。 ・手話を覚えて聴覚障がい者と話をしてみたい、と思った。 ・人とコミュニケーションをとるには、受け身でなく自分から発信していくことで円滑になると学んだので、苦手な会話を自分からしていこうと思った。 ・障がい者のみならず、いわゆる健常者にもさまざまな個性を感じ、「みんなが楽しめる」にはどうしたらよいのかを改めて考えるようになった。 ・障がい者との共同生活を送り、健常者との境目(ボーダー)がなくなっていくことを感じた。もっと交流を深めていければと思う。 ・街中に困っている方がいたら、アテンドなど、声をかけることができると思う。 ・キャンプに何度も参加するうちに、障がいがある自分に誇りを持つようになった。「聞こえない自分。障がいをもっている自分」だからこそ、ユニキャンに参加し、いろんな人と出会えたのだ、と。 ・障がい者が生活する上で、どこに不都合を感じるのか、直接教えてもらったので、今までにない視点を活かしていきたいと思う。 ・社内でユニバーサルデザインの普及化を図らなければ、と思った。例えば、毎朝の朝礼。聞こえない人がわかるように改善案を出していこうと思う。 ◆町の印象は ・とても良かった。役場の人と夜は一緒に飲みたかった。 ・みなさんに、歓迎していただいていることを実感。町の方がプログラムに参加されたり、空港にお見送りに来てくれたり、うれしかった。このキャンプの趣旨や、これまでの実績、そして規模によるものだと思う。 ・島寿司と島弁当がおいしかった。 ・雰囲気、人、空気、景色全てがよかった。 ハイビスカスやストレチアの花がきれいだった。 ・ちょんこめ作業所の方々が非常に生き生きとしていて力をもらった。明るく素朴で、純粋な人柄に、心洗われた。 ・とても温かく、自分たちの島を大切に思っている感じが伝わってきました。 ・八丈島空港でのチェックインがもう少しスムーズにいけば、と感じた。 ・キャンプ場は海に近く、また綺麗なキャンプ場だった。 ◆八丈島に望むこと ・身勝手かもしれませんが、今のままで、自然を大切にしてほしい。 ・空港のお土産売り場が不便。車いすでも、盲導犬が一緒でも、ゆっくり買い物ができるような配置やレジシステムがあるといいですね。 ・キャンプ場にお湯の出るシャワーがあるとよい。または近くに入浴施設ができるとありがたい。 ・地元の子どもたちとも、もっと交流したい。 ・初めての八丈島だったが、また行きたいと思った。もっと宣伝、マーケティングをうまくして、観光ビジネスを増やしたらいいと思う。 ・できれば、ユニボンの会場がもう少し広く、暑さ対策ができていれば更に良いと感じました。 ・コンビニが無いので不便を感じました。 ◆このキャンプで感じたことやご意見 ・みんなが自分を受け入れてくれて、私も抵抗なくみんなを受け入れられた。ユニキャンには不思議な力がありますね。 ・昨年に引き続き2人の子どもと参加。気持ちが少し乗り遅れ気味だった長男をサポートしてくれたのは、長男の班の方々と、同じテントで寝てくれたちょんこめ作業所の方でした。二男にとっては、霧吹き(体温調整用)で、遊びながらも、サポートする側になれたことも貴重な体験だったと思う。皆様、ありがとうございました。 ・特例子会社に勤務しており、障がい者については、ある程度わかった気でいたが、日頃の会社での上司と部下の関係ではなく、一人の人間としてフランクに生活を共にする中で、新たな気づきや個性、能力に驚く場面もあった。このキャンプを通じて、改めてダイバシティの面白さ、それが大きなパワーとなることを体験した。 ・リーダーの体験はダイバーシティの中でのリーダーシップ力の醸成に大変有効であると思った。 ・誰もがフラットに関わり合い、役割を持ち、貢献し合う。これを如何に自分の周囲でも同じことをするか。簡単なはずなのにこれがなかなか難しい。今年はこれを少しでも実現したい。 ・何度参加しても、新しい気づきがあって面白く感じます。ただ、体力的にきつくなってきたかな? ・来年はスタッフとして参加してみようかな……と思っています。 ・とてもよく考えられているプログラムでした。目的はダイバーシティであるので、リピーターより、より多くの人に参加してもらって、理解を深めていく、文化を創っていくことだと思います。  ・今回初めて参加し、手話も自分の名前しかいえない状態で八丈島に入ったのですが、最終日には多少の会話ならできるようにまでなりました。あまり知らないから……と言う理由で関わらないなんてもったいない!と、改めて感じました。このキャンプで出会ったいろいろな人、いろいろな考え方を大切にし、また来年もっとたくさんのことに気づける自分になりたいと思う。このような貴重なイベントの企画・運営に関わった方々、八丈島の方々、そして参加者全員に感謝したいです。ありがとうございました。 アンケート結果終わり。 ユニバーサルキャンプはこれからも毎年続いていきます……  ユニバーサルイベント協会では、ユニバーサルキャンプや、その他さまざまなイベントを一緒に盛り上げていってくれる方を募集しております。 スタッフとして、また協賛や賛助などで一緒にイベントを創り上げてみませんか?  皆様のご参加・ご協力を心よりお待ちしております。 ユニバーサルキャンプ支援パートナー 主に企業などで、ユニバーサルキャンプの実現・普及を以下の面から支えてくださる方 ・資金面での協賛 1口50,000 円より   ・物品・サービス等の面での協賛 ・研修協賛(ユニバーサルキャンプ参加、事前・事後研修) 1 人150,000 円 会員パートナー 正会員:本会の目的に賛同し、活動に参加していただける法人・団体または個人 ・法人100,000 円、個人12,000 円 賛助会員:本会の趣旨に賛同し、活動に協力して いただける法人・団体または個人 ・法人50,000 円、個人7,000 円 協賛・協力パートナー 主に個人、NPO、企業などで、以下の面についてご協力いただける方   ・計画から実施運営までのノウハウの提供、人的支援協力 ・活動を広げるためのネットワーク連携企画・活動などの実施 お問い合わせ NPO ユニバーサルイベント協会 〒108-0075 東京都港区港南2 丁目12 番27 号 イケダヤ品川ビル3 F TEL:03-5460-8858  FAX:03-5460-0240 E-mail:info@u-event.jp URL:http://u-event.jp/ 交通のご案内 JR各線「品川駅」徒歩8分 りんかい線「天王洲アイル駅」徒歩12 分 モノレール「天王洲アイル駅」徒歩8分 第6回ユニバーサルキャンプ in 八丈島報告書、終わり