新年の挨拶 UEA専務理事 高橋
2021年01月28日 コラム新年の晴れやかな気持ちもないまま2021年はスタートした人も多いのではないでしょうか。そして1月も終わろうとしています。
再び緊急事態宣言の発出で、時短営業要請や自粛要請で、飲食店などは苦境を何とか乗り切ろうと必死に色々な知恵を絞っています。回転寿司チェーンでは、指をパネルに近づけるだけで注文できたり、そのタッチパネルに手持ちのスマートフォンを連携可能にしたり、さらに取った皿の枚数はAIカメラが計測、会計はセルフレジ。など、AI機能を活用した電子化を進めています。また、焼肉チェーンでは、ロボットが料理の配膳し、従業員と客の接触機会を減らすなど。サービスの方法も急速に変化しています。
大手チェーン店では機械化が出来ても、個人経営の飲食店ではそうはいきません。ある飲食店では「入店後の消毒」、「マスクをしてないお客の入店お断り」、「食事中以外のマスク着用必須」、「座席制限」、「1グループ1会計」、「ノーマスクでの会話の禁止」など、ありとあらゆる感染対策の協力をお願いしています。しかしながら、「会話」の部分についてはルールを守らない一部の人たちによって、対策が無力化されてしまう恐れもあります。そこである飲食店で端的で分かりやすい表現はないかと考えた結果、「黙食」だったそうです。来店客のほとんどが趣旨に賛同してルールを守っているといいいます。
我々はいま日常的にマスクを着用していますが、笑顔や顔の表情をつくるのをつい忘れがちですが、マスクからはみ出るほどの笑顔で、アイコンタクト、身振りで、言葉がなくてもコミュニケーションが出来るものです。ダイアログ・ミュージアムのアテンドスタッフでもあるユニバーサルデザインアドバイザーの松森果林さんは、「コロナ禍だからこそ、マスクの下の表情をサボらないで。目が笑う、目じりにしわができたり眉が垂れたりすることで伝わることも多くある。表情が伝わるとコミュニケーションがもっと豊かになると思うんです。」と言う。音(声)がなくても、アイコンタクトは安心と自己肯定感につながります。コロナ禍に限らず我々の日常生活の中で、アイコンタクトは重要なコミュニケーションとなっているのです。
コロナ禍でもたらされた変化を、皆が受け入れて対応し楽しんでいくのが大事で、それが社会を変えていくことにつながっていくと考えています。コロナ禍で失う事ばかり考えず。得るものが沢山あることにも気づかされます。
UEA専務理事 高橋保之