ユニバーサルキャンプin八丈島は企業研修でもあるのです – 理事長 内山早苗
2021年05月31日 コラムユニキャンは、八丈島で開催されるその2週間ほど前から、実はすでに始まっているのです。
というのも、毎年、20数名の方々は、企業研修として計5日間のユニバーサルキャンプin八丈島に参加しているからです。
ユニキャンの目的はスタート当初から「本当のダイバーシティ、ユニバーサルデザインを広げたい!」「そして、多様な特性のあるみんなが、自分のやりたいことや能力を発揮できるチャンスのある社会にしたい!」という熱い想いでした。そのため、企業で経営層や、企画、開発、人事などを担当している方々にも、ダイバーシティの理解と多様な人たちのシーズやニーズに気づいてほしいと切に願っていました。
NPOの活動はみな手弁当で行っているためユニキャンを実施する予算がありません。幸い私は人材育成が本業で、ダイバーシティの推進や障がい者理解についての研修やテキストづくりをしています。そこで一石二鳥、いえ三鳥くらいのアイデアとして、このキャンプを研修事業も兼ねることを思いつきました。
思いつくとすぐ走りだす私の悪癖がこの時ばかりは功を奏し、立ち上がって間もないユニヴァーサルデザイン協議会の理事会に飛び込み、そこで各企業から参加している理事の方々に直接、企業研修参加のお願いをしました。嬉しいことに、大手企業のユニバーサルデザイン担当のリーダーの方々はすぐに賛同してくださり、費用面での課題がクリアされました。その時の皆様には本当に感謝の思いでいっぱいです。
研修参加の皆様は、企業研修参加者として、事前研修1日、八丈島のユニキャンでの3日間はグループリーダーに、そしてユニキャン後は事後研修1日と、計5日間の研修として参加してくださっています。一般参加の方々は、ほぼご自分の意思でワクワクしながら参加していますが、企業研修の方々の中には会社から「研修だ、行ってこい」と言われ、しかも初めてなのにリーダーとして参加するというハードルの高いユニキャンになります。事前研修時には不安そうな様子の方々も多いのですが、事後研修ではすっかり晴れやかな様子で会場にやってきて、多くの気づきや今後の抱負を語ってくださいます。そして、実際に社内での改革や普及に尽力をされ、自分の価値観や生き方が変わった、人生が変わったと嬉しい報告を聞かせてくださっています。
今まで16年間、多くの企業研修にご協力いただいている企業の皆様に厚く御礼を申し上げます。社会は大きくダイバーシティ環境が進んできました。その中で、さらに深く広くみんなが活き活きできる環境を推進していくために、まだまだ多くの方々や企業の皆様のお力をいただけることを願っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。