謝辞 ー ユニバーサルイベント協会 内山早苗
2023年11月15日 コラム謝辞
20数年前、ジャパンエキスポと言って、国内で毎年、順番に地域で国内博覧会が開催されていました。私も会社の懇親会を兼ねて佐賀県の博覧会にみんなで行ったりしていました。でも、当時はどこの県の博覧会も、また他のイベントも障がいのある人が当たり前に一緒に参加することは難しかったのです。「車いすの人は、こちら(正式入場口)からは入れませんので、裏の○○から入ってください」など、一緒に行ったみんなと行動を共にできなかったり、見学できないブースや会場があったりしました。手話対応はもちろん、見えない人への配慮など皆無に近かったのです。
当初からイベント業界に参加していた私は、なんでみんなが一緒に参加できないのだろう、イベントもユニバーサルデザインの基本で考えてほしい、と思い業界の中で「ユニバーサルイベントが必要だ」といろいろな機会に言い続けていました。するとある時「では、今年のフォーラムのテーマはユニバーサルイベントにしよう!」と提案され「なぜ今、ユニバーサルイベントが必要なのか」というテーマに決定されました。そのフォーラムをきっかけに「NPOユニバーサルイベント協会」が発足しました。
それから21年、社会は大きく変化して「東京2020大会」ではダイバーシティの配慮が当たり前になり、「2025大阪関西博覧会」でも基本はすべての人が当たり前に参加できる博覧会づくりが必須になっています。
この20年間で障がいのある人や高齢者が参加することが当たり前という前提でイベントが企画実施される社会になってきたことを本当に嬉しく思っております。
このたび、私は代表を降りますが、長年、多方面から協会を支えてくださった会員の皆様やイベント業界の皆様に深く感謝申し上げます。
ただ、まだまだ「どうしたらみんなが一緒に参加できるイベントにすればいいの?」という具体的な方法が浸透しているわけではなく、今後は「いかに誰もが参加できるイベントにできるか、その工夫や技術、サービスへの配慮方法を具体的に浸透させていくことが、この協会の役割になるのではないかと思います。新高橋理事長率いるこの協会の役割はさらに大きくなると存じますので、引き続き多くの皆様のご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いします。
内山早苗