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AIがもたらす障がいを埋める社会参加の未来 – ユニバサルイベント協会 専務理事 守屋和彦

2025年07月10日 コラム

 近年の人工知能(AI)技術の進展は、障がい者の生活および就労環境に顕著な影響を及ぼしています。AIベースのアプリケーションやサービスは、障がいの種別や個々の状況に応じて、日常生活・労働・学習の各場面で多様な支援を提供し、今後も技術革新が進むことで、より多くの人々が社会参加の機会を得られるインクルーシブな環境の拡大が期待されています。
 AIが広く注目を集めはじめたのはこの2、3年ですが、AI研究自体は数十年前から継続的に行われてきました。ロボティクスやIoT領域では既に色々な製品が実用化されています。とりわけ「生成AI」と呼ばれるChatGPTなどの登場によって急速に普及し、AI関連技術が社会の諸分野へ波及する契機となりました。このような短期間での進歩は、今後の社会構造にも大きな変容をもたらす要因となっています。
 障がい者の生活や仕事において、AIはさまざまな形でサポート的役割を担っています。例として、視覚障がい者向けには画像認識と生成AIによる画像説明、スクリーンリーダー技術による文字音声化、点字ディスプレイデバイスへのリアルタイム出力などが挙げられます。また、聴覚障がい者向けには音声認識や字幕生成、電話音声のテキスト化、運動機能障がいに対してはロボティックアシスタントが対応しています。こうした支援技術の発展により、移動困難や長時間の物理的に移動が難しい方が、リモートワークやオンライン会議等、従来より自由度の高い働き方・学び方を選択できるようになってきました。
さらに、AIによる議事録作成やタスク管理は、ADHDのような発達障がい者にとって有効です。会議内容やToDoリストの保存や後で閲覧による理解が可能になり、職務遂行能力の向上をサポートしています。このように、AI技術は社会的障壁を軽減し、誰もが平等に働き、生きる権利を受ける社会の構築に大いに役立っています。
 代表的な支援AI技術として、「BeMyEyes」は視覚障がい者向けのサポートアプリケーションであり、カメラ映像をリアルタイムでAIが説明します。「SeeingAI」(マイクロソフト)は、テキスト・人物・物体認識等を統合し音声でフィードバックを提供します。音声認識やビデオ会議アプリ(Otter.ai、Teams、Zoom等)は、会議や講義の自動文字化により聴覚障がい者や発達障がい者の後の情報アクセスと理解をサポートしています。「dotPad」は、PCやスマートフォン画面上の画像情報を点字で提示するデバイスとして視覚障がい者が確認することができます。「Google Live
Transcribe」「UDトーク」「YY文字越し」等も同様にリアルタイム文字起こしを実現し会議や講演、会話で役立っています。「Voiceitt」は発話障がい者の話し方を学習し、標準的な音声またはテキストに変換します。「WHILL(自動運転車いす)」は移動支援分野におけるAI活用例であり、自立移動可能域の拡大という成果を挙げているようです。
 これらAIおよびデジタル技術の進展は、障がい者の社会参加機会を拡張するとともに、アクセシビリティの観点から全市民の利便性向上にも貢献しています。
ユニバーサルイベント協会にも多様な特性を持った人たちがスタッフや参加者にいます。AIや支援技術などのツールを使い、出来る限り「障がい」を軽減できるようにコミュニケーション(情報保障)を向上させ、イベント参加へのハードルを下げ、より多くの人が参加できるイベントを開催していきたいと思います。

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