ユニキャンメインプログラム 「ダイバーシティ・コミュニケーション」- 理事長 内山早苗
2021年05月16日 コラム「トイレはどうやってするんですか?」
「結婚したら、子どもはどうやってつくるんですか?」
車いす使用の講師へのこんな質問が飛び交うのは、ユニキャン2日目の午前中。八丈島の三根小学校の校庭や教室で障がいのある講師を囲んでのコミュニケーション・イベントの時。
ユニバーサルキャンプin八丈島(以後ユニキャン)の開催目的は、多様な特性のある人の理解。人はみんな違うのが当たり前、それぞれの特性に合わせて活き活き活動や仕事をしている、障がいは特別のことではない、ということを実体験することです。
このイベントでは、「光の部屋」「音の部屋」「動きの部屋」「関わりの部屋」「八丈島の部屋」というタープテントの小部屋ができ、キャンプ参加者の見えない人や聞こえない人、動きに不便さのある人、人との関りなどに特性のある本人やその家族、八丈島の人、などがその部屋の主人(講師)になります。そして、参加者はグループに分かれて、それぞれの部屋の主人の話を聞き、質問ができます。ここでのルールは、聞きたいことは何でも聞いていい、ただし主人が答えたくない質問はパスしていい。こんなこと聞いたら失礼かなというマナーは忘れていい、ということだけ。
それまで障がいのある人と直接話をしたことがない人や遠慮して聞きたいことも聞けなかった人が、彼らの実生活の話を聞き、疑問をぶつけ、目からうろこの体験をします。
120人ほどの参加者の中、障害手帳を持っている人が3~4割ほど参加しているこのキャンプならではの体験です。3時間半ほどのこの体験のあと私がいつも感動するのは、参加者の顔が生き生き輝いていること。恐る恐る参加した初日スタート時の様子から、生き生きとした笑顔と瞳に変わった様子を見た時です。そして、ここから多くの人の価値観や今後の人生が変わっていきます。
ぜひ、あなたも体験してみてください。
内山