五感を研ぎ澄ましてくれる島 - ユニバーサルイベント協会 理事 明神まりあ
2022年09月07日 コラム『ユニキャンの島』八丈移住通信①
私が『ユニバーサルキャンプ ㏌ 八丈島』に関わったのは 15 年ほど前、障がいのある人もない人も同じ環境で暮らすというコンセプトに共感して参加したのがきっかけです。
それまでアウトドアやキャンプの経験があまりなかったため、テントで寝ることも初めてなら、見えない人、聞こえない人や車いすの人と一度に接することも初めてで、ちょっとした海外旅行よりも刺激的だったことを思い出します。
そこから10数年、毎年なぜか?参加したくなるユニキャンの魅力を思い返してみると私にとってそれは、八丈島の自然の中、様々な特性の仲間と過ごすことで五感が研ぎ澄まされる、『年に一度の五感丸洗い体験』だったと思っています。
特性や年齢、職業や肩書も様々な、感性の鋭い仲間と過ごしたユニキャンの思い出は今も五感と共によみがえります。キャンプ場の芝生のにおい、テントを揺らす風、朝もやの中で食べたごはん、海の青さと日差しの暑さ。語りながら見上げた星空と波の音。2泊3日のプログラムの中で、たくさんの感動、気づきやもやもやと共に感じた島のちょっと湿った、あの独特な空気。
実はそんなユニキャンからご縁をいただいて3年前に再婚、島の自然とあの『空気』が忘れられず昨年思い切って夫婦で八丈島に拠点を移しました。
八丈島は羽田空港から飛行機で50分、あっという間に南国気分を味わえる東京都の島です。リゾート地の華やかさは少ないけれど、手つかずで飾らないダイナミックな自然が迎えてくれます。そして何よりこの『空気』。社会の情勢によりユニキャン自体は現在開催していませんが、島独特の気候と植物と海が作り出すこの独特の空気をぜひ味わいに来てほしいです。
移住してあらためて感じる島の良さは語りつくせませんが、この自然に密着した暮らしの中で日々五感がじゃぶじゃぶ洗われています。そして、こうして感性フル活動で人生を楽しめているのはなんといってもユニキャンでの経験と出会いのおかげだなと思うのです。
シニア新婚八丈島移住体験記、次回は島の日常を少しご紹介します。